保育のひきだし こどもの可能性を引き出すアイデア集保育のひきだし こどもの可能性を引き出すアイデア集

まなびのひきだし

2015.04.03

07.食育の進め方

むっちゃん先生と学ぼう
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このコーナーでは、むっちゃん先生(無藤隆教授)が、保育・幼児教育の大事なポイントを分かりやすく解説します。一人でじっくり読むのもよし!研修の素材として、園やクラスのみんなと読むのもよし!様々な形でご活用ください。毎月1回(第1水曜日を予定)お届けします。読まなきゃ、損。差がつきますよ!

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こんにちは、無藤隆です。今月のテーマは、「食育の進め方」です。「食育」について学びましょう。

保育で食育を進めるにはどうやったらよいでしょうか。まずは、栄養のあれこれを教える以前の食育を考えてみましょう。
何より、食事は美味しさが大事です。それが始まりとなります。それは調理の仕方もありましょうし、素材の良さもあるのでしょう。また子どもが十分におなかを空かせて食欲が出るように運動していることも欠かせません。
食事の時間の配慮として、マナーを守り、ペースを合わせて食べるようになっていくとよいでしょう。小さい子どもにはそれはすぐに出来るようになることではありません。まずは楽しい雰囲気を維持するようにします。
それらが食事の時間の基本となりますが。その上で、調理した経過や仕方や工夫を見せることも意味があります。今日の料理はこう作ったのだと調理員の人が説明したり、調理室の様子が廊下から見えたり、調理手順を図や写真で示したりします。
その日の食材が何であり、どこから取れるものかをも示しましょう。どこ産かは子どもには分かりませんが、誰が作ったとか、どこから買ってきたとかです。時には一緒に買い物に行くのもよいでしょう。また,栽培活動とつなげることも出来ます。自分が関わり、自分で育てたものは愛着があり、美味しく感じられるようになるものです。

栄養面ではどうしたらよいのでしょうか。まずは、元気になるのにいろいろな種類のものを食べて、よくかむことが大事なことを教えることです。肉も魚も野菜も果物もご飯・パンも皆食べようと伝えます。また急がずに,ゆっくりと味わい、何度も噛むことを実践していきます。
結局、食育の基本は、栽培とか行事食以前に、日々の食事(特に給食)がどんな素材から出来ていて、どんな風に調理をするか、そしてそれが身体に取り込まれて、どんな力になるかを示すことではないでしょうか。給食で食材を示したり、見本として調理の仕方をデモンストレーションすることが大事だと思うのです。また、その料理のどれが、体内に入り、どんな力となるかは、4歳くらいになれば、ある程度説明できます。料理の素材を見せながら、保育者が、肉になる、骨になる、エネルギー(力になる)、動きを良くする、などを身振りとともに伝えられます。

日々の生活において、丁寧に関わるようにすること、きめ細かく見えるようにすること、ものの違いや栽培や購入、調理・片付けなど時間の流れが見えてくるようにすることが必要です。
実際には多くの園でも小学校でも、言葉とせいぜい図で説明するくらいのようです。それでは、子どもはおそらく理解できていないでしょう。知識を言葉で伝えても仕方ないのです。

といって、子どもが何かを積極的にしなければ食育にならないというのではありません。食事は既に日々やっていることです。普通は喜んで食べているのです。それ以上の積極性を求めることでもありません。そこでの関わりが、がばがばと食べるようなことではなく、丹念なものになることが肝腎な点です。それに伴って、食事を味わうこともきめ細かさが増します。
会食の意義を強調するのも小学校からで充分ではないでしょうか。小さな子どもは自然におしゃべりします。そういった日々の積み重ねの上で、年間計画で出てくるような行事食や栽培活動や調理活動が意味を持つはずです。

 

いかがでしたか?次回のテーマは、「人間関係」を予定しています。それではまた来月

 


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