保育のひきだし こどもの可能性を引き出すアイデア集保育のひきだし こどもの可能性を引き出すアイデア集

まなびのひきだし

2017.02.01

おおむね3歳の発達とは

むっちゃん先生と学ぼう
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このコーナーでは、むっちゃん先生(無藤隆教授)が、保育・幼児教育の大事なポイントを分かりやすく解説します。一人でじっくり読むのもよし!研修の素材として、園やクラスのみんなと読むのもよし!様々な形でご活用ください。毎月1回(第1水曜日を予定)お届けします。読まなきゃ、損。差がつきますよ!

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こんにちは、無藤隆です。今月のテーマは、「おおむね3歳の発達とは」です。

おおむね 3 歳 (保育所保育指針第2章子どもの発達2.発達過程(5))

基本的な運動機能が伸び、それに伴い、食事、排泄、衣類の着脱などもほぼ自立できるようになる。 話し言葉の基礎ができて、盛んに質問するなど知的興味や関心が高まる。自我がよりはっきりして くるとともに、友達との関わりが多くなるが、実際には、同じ場所で同じような遊びをそれぞれが 楽しんでいる平行遊びであることが多い。大人の行動や日常生活において経験したことをごっこ遊 びに取り入れたり、象徴機能や観察力を発揮して、遊びの内容に発展性が見られるようになる。予想や意図、期待を持って行動できるようになる。

満 3 歳ですから、2 歳児クラスの途中で見られてくる特徴です。 例えば、歩いたり、走ったり、飛び降りたり、ものをつかみ振り回す、スプーンなどの操作など、 基本的な運動の働きがほぼ備わり、まだ上手ではないものの、日常生活で不便はなくなります。運動遊びを好むようになり、外で鬼ごっこなどはルールの誤解はまだあるにして、楽しんで走り回ります。

日常の生活習慣でのスキルもかなり上手になります。食事は一人で食べるようになるでしょうし、お箸は難しいでしょうが、それ以外の食器はおおむね使えます。何より、食事時間を守れるようになります。

まだ途中で遊んだりもあっても、おおむね、頂きますからごちそうさままで、食べ通して終わることができます。排泄の自立はしつけ次第ですが、大部分の子どもが保育士の配慮の下でおむつが取れて、失敗もほぼなくなります。衣類は脱ぎ着が易しいことが必要ですが、それであれば、一人で着たり脱いだり出来るでしょう。

言葉は文として話すことが出来ます。語いも急速に増えていきます。日に日に理解が良くなり、言いたいことがはっきりと伝えられます。やりとりも意味あるものとなります。まだ大人の側の補いがかなり必要ですし、適切な言葉を思いつかなくて、うまく言えないことも多いのですが、話したいことを言うようになるでしょう。とはいえ、そこにはかなり聞く側の姿勢が関与していて、じっくりと相手の言いたいことを受け止め、理解し、肯定し、補って聞かねばなりません。いろいろなことへの疑問が生まれ、「どうして」とか「なぜ」とか尋ねるようになります。身の回りにいろいろなものがあることに目が開かれて、いちいちこれは何だろうか、どういうものか、どういう名称か、何に使うか、などを不思議に思うのです。ただ、まだ明確な因果関係の把握に至っていないので、たとえ話みたいな回答でもともあれ何か答があれば、満足することでしょう。尋ねて答が帰ってくるということ自体が大事なのです。そこから、周りの世界には法則性があるということへの信頼が生まれます。

自己主張もはっきりとしてきます。やりたいことがあるので、それを実行しようとします。人にも邪魔されたくないと思います。同時に、思い込みも強いので、一度そう思うとなかなか変えられません。融通の利かなさが目立ちます。

友達への関心が強まり、一緒に遊びたいと思いますが、どうやって一緒にうまく遊ぶかがまだ分かりません。とりあえずそばに行って遊ぶという行動が生まれます。そばに行けば、何となく他の子どものやっていることが見えるので、それをきっかけとして、似たような遊びを始めます。模倣というようにはっきりしている場合もあり、そうではなく、同じ素材を使うので、結果的に同じような遊びになることもあります。そこから次第に交わりが生まれ、一緒にやっているということの気づきと喜びにつながります。

 

ごっこ遊びも役割(お母さんとか)をにない、それにふさわしい動き方(行動や声や言葉)を出して工夫するようになります。まだ十分物語としての筋を作るのは難しいでしょうが、それらしい振る舞い方をするのが嬉しいのです。日頃の生活でも観察をしていて、その特徴に気づくのでしょう。とはいえ、まだそれは表面的な目立つところに限られますが。そういった振る舞いを他の子どももすると、役割同士のやりとりが展開して、発展します。この時期のごっこは印象に残った出来事を自分で再現して、その意味を自分なりに確かめる過程でもあります。子どもの新奇なことへの出会いを子どもはごっこを通して自分のものにしていきます。

こうしてみたいとか、こうなるだろうと意図や予想を持って物事に関わり始めます。すると、それに沿って、計画したり修正したり、ものを作ったりすることが始まります。それは幼児期の終わりに向けて発展していく力ですが、その芽生えが見られます。子どもの遊びを大事にして、子どもが自発的に取り組んだり、ものを作り出したりする場を増やすことがその育ちにつながります。

 

 

いかがでしたか?次回のテーマは、「おおむね4歳の発達とは」を予定しています。それではまた来月

 


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