おやこのひきだし
2023.09.20
シリーズ 身体障がいのある子どもたちと保育園生活 第10回(全12回)
執筆:株式会社Halu(乳幼児向けインクルーシブブランド IKOU運営)
対象:保育士、幼稚園教諭、保護者
今回は、⾝体障がいのあるお⼦様の⽣活に⽋かすことはできない「補装具」についてご紹介したいと思います。
補装具とは
補装具とは「障害者総合⽀援法」に基づいて、「障害者等の失われた⾝体機能を補完または代替するための更⽣⽤の⽤具」を指します。主な補装具としては、下肢装具・⾞椅⼦・歩⾏器・杖・補聴器などがあり、⽀給対象は⾝体障害者⼿帳を有するものとなっています。補装具が⽀給されるためには、⾝体障害者⼿帳を申請する必要がありますが、⾝体障害者⼿帳は「障害が⼀時的でなく永続的な状態である」場合のみに交付されます。そのため、⼩さなお⼦様の申請については、先天性の病気・重症の脳性⿇痺など原因が明らかな場合には0歳から申請できる場合もあれば、原因不明で発達が遅れている・脳性⿇痺と診断されているがどの程度の発達が⾒込めるか分からないようなケースでは3歳くらいまで申請できない場合もあることを理解する必要があります。
⾝体障がいのあるお⼦様が保育園等に通う際によく⽤いられる補装具
1)バギー型⾞椅⼦※写真1
バギー型⾞椅⼦は、通称バギーとも呼ばれ、難病や障がいで⾸が座らない⼦や⾃⼒で姿勢を⽀えることが出来ない⼦のための移動⽤具です。⼦どもの障害に合わせて、背もたれの⾓度を変えられることや座⾯の下に⼈⼯呼吸器などの医療機器を積めるような構造になっていることが特徴です。幼児期から⼩学校低学年くらいまでのお⼦様が多く活⽤しています。
2)座位保持装置※写真2
座位保持装置とは、⾃⼒では座ることができない・椅⼦に座ることができない⼈のための安定的に座位を保つための装置です。適切な姿勢で椅⼦に座ることによって、視界が広がったり、遊びや⾷事などの⽇常⽣活の質を⾼めるとともに、⼼⾝の成⻑にも良い影響を与えることができます。また適切な座位姿勢を取れることで、介助者の負担の軽減も期待できます。
3)歩⾏器
・SRC歩⾏器※写真3
⾃⼒での歩⾏が困難であっても、体を前屈みの状態で⽀え、地⾯を両⾜で蹴ることで前進することができる歩⾏をサポートするための移動補助具です。
・PCW歩⾏器
四点歩⾏器とも呼ばれ、四点で⽀えるため杖より安定感がある歩⾏器。⾃⼒で⽴ち上がることは難しいが、⼿で⽀えることができれば⽴ち上がりや伝い歩きができるお⼦様が多く活⽤しています。