まなびのひきだし
2022.10.20
シリーズ 乳幼児期から向き合う性教育 第6回(全12回)
執筆:臨床心理士・公認心理師・保育士 伊藤美咲
対象:保育士、幼稚園教諭、保護者
【6/12 性器を自分で洗ってみよう】
保育園での沐浴や、家庭でのお風呂タイムは、性教育の実践編と言えるでしょう。自分の身体を正しく扱うこと、自分で不快を取り除き、快の状態を保つこと、そのようなセルフケアを学ぶ第一歩が、自分の性器を自分で洗うことから始められます。だいたい、2~3歳頃から、自分の身体を自分で洗う練習ができると良いでしょう。
【性器の洗い方】
〈男の子〉
男の子は、包皮を身体の方に引いて、垢や汚れをお湯で洗い流し、包皮をもとに戻します。人によっては包皮口が狭かったり、くっついており、包皮を引きにくい場合があります。痛くない程度に少しずつ引けるところまで引いて戻します。
※繰り返すうちに、癒着がとれて洗えるようになりますが、もしも取れない場合は病院で相談してください。
〈女の子〉
女の子はしゃがんだ姿勢でシャワーや桶で性器に清潔なお湯をかけます。指で小陰唇(外性器のひだ)の間を優しく洗います。洗う方向は前から後ろに向けて洗います。石鹸は使わなくても大丈夫です。膣はデリケートなので、内部までは触らず、表面の汚れが落とせれば良いです。
性器を実際に見たり触ったりする中で、性器の形や大きさも人それぞれであること、どんな形や大きさでも、大切で素敵なものであることを伝えていけると良いです。
参考文献
- 『【改訂版】国際セクシュアリティ教育ガイダンス 科学的根拠に基づいたアプローチ』 ユネスコ編 訳 浅井春夫、艮 香織、田代美恵子、福田和子、渡辺大輔 2020
- 『乳幼児期の性教育ハンドブック』 かもがわ出版 著 浅井 春夫 2021
- 『親子で話そう! 性教育』 朝日新聞出版 著 浅井春夫、 艮 香織 2020
- 『子どもを守る言葉「同意」って何? YES、NOは自分が決める! 』 集英社 著レイチェル・ブライアン、訳 中井 はるの 2020