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おやこのひきだし

2021.04.01

放任主義の子育ての考え方!ほったらかし育児との違いやメリットもご紹介

子どもはのびのびと育って欲しいという考えから、あまり干渉しない放任主義の子育てをしている方がいます。しかし、「それって、ほったらかし育児では?」と誤解をされてしまうこともあります。では、放任主義とほったらかしは何が違うのでしょう。この記事では、放任主義の子育ての実態をご紹介いたします。

放任主義とほったらかしは全く違う子育て方法

放任主義とほったらかしの育児はまったく違います。間違った使い方をしている方もいますが、放任主義は親と子どもが信頼しあい、愛情で満ちあふれています。この信頼や愛情が目で見えないもののため、放任主義の解釈を間違ってしまっているのかもしれません。ここでは、放任主義とほったらかし育児の違い、放任主義の育児のねらいをみていきましょう。

放任主義とは

放任主義とは、子どものやることにいちいち親が口出しをせず、子ども自身で考え、自由に選択させるという教育方針のことです。放任主義において明確な定義はありませんが、子どもの自由を制限し、大人の敷いたレールを歩んでいく育児とは正反対と考えて良いでしょう。

しかし、子ども自身で自由に選択させるとはいえ、社会のルールを守ることが大前提です。たとえば、お友だちのことを押してしまった場合、子どもが「やりたかったからやった」と言ったとしても許されることではありません。このように、放任主義とはいえルールや人に迷惑をかけないことを幼いうちに教えておくこと重要です。

「ほったからかし=放置」は親子の信頼がない

放任主義育児はよくほったらかし育児と同じではと誤解されることがあります。はたから見ると放任主義とほったらかしの育児にはあまり違いが見つからないかもしれません。しかし、放任主義とほったらかしには大きく異なる点が2つあります。

  • ほったらかしは社会のルールや他人との関わりについてもほったらかし
  • ほったらかし育児には親子関係の信頼や愛情が欠如している

前述したようにルールを違反や危険な行為をしたとしても、子どもを叱ることや諭すこともせず放置しているのがほったらかし育児です。これは子どもに無関心といってもよいかもしれません。

子どもを放任するのであれば親子間での信頼や愛情は必要不可欠です。お互いに信頼しあっているからこそ子どもも安心して自由に選択でき、保護者の方がいつも見守ってくれていると愛情を感じているから思いっきり行動できる。ほったらかしには信頼や愛情が欠如しているので、子どもも自由に選択ができなくなってしまいます。

放任主義のねらい

放任主義のねらいのひとつは、子どもの自主性を育むことです。たとえば、子どもがお友だちにプレゼントする誕生日カードを折り紙で作ったとき、親が横から「こうしたほうがよい」「これはダメ」など口出しをしたら子どもは作ることを辞めてしまうこともあるでしょう。

このように、親が子どもの選択や行動に干渉しすぎてしまうことは、子どもの意思を尊重できていないということ。日常的に干渉してしまうと、子どもは自分で考えることをやめ、親の指示を待つようになってしまいます。しかし、放任主義は自分で考えて行動することで自らの意思が尊重されたと感じ、自主性が育まれます。たとえ失敗したとしても、そこから学ぶことができるようになるでしょう。

放任主義で育てるメリット・デメリット

自主性を育むため育児を放任主義にしようと考える方もいるかと思います。しかし、メリットが多いと思われがちの放任主義育児にもデメリットがあります。メリットとデメリットをそれぞれ理解した上で子どもに合っている教育方針なのか見極めていきましょう。

自主性を育む放任主義のメリット

まずは、放任主義のメリットについてみていきます。自分で物事を考えられるようになるので、社会に出ても自ら行動できる人材になる傾向があります。また好奇心のままに考え、行動するチャンスがあるので、さまざまなことに興味を持てるようになるでしょう。

①自発的に行動できる

自主性を育むことは、自発的に行動できる力をつけることです。先生や上司から指示されれば誰でも行動できます。しかし放任主義で育てられた子は、自分で気づき・考えて行動することができるのです。自発的に行動することは意外と難しいことで、ルールは守れるけど指示されないと行動に移せないという大人はたくさんいます。

②自分の世界観がつくられる

幼いときから放任主義で育った子どもは、自分がやりたいことがあれば否定されることなく行動するチャンスをたくさん与えられてきました。自分で考えたことを行動に移しているため、後悔なども少なく自己肯定感が育まれます。そのため、大人になっても自分の意思がはっきりしていて、自分の世界観を持っているという人が多いでしょう。自分の世界観にこだわりすぎると変わり者と思われるかもしれませんが、他人と自分を比べることもなく、いつも前向きに物事を考えられるようになります。

③好奇心旺盛

常に親の言うことを守るよう強要されると、無意識のうちに人の顔色をうかがう癖がついてしまいます。放任主義は否定しない子育て方法なので、のびのびとした子を育てる子育て方針ともいえます。のびのびした子育てで育った子どもは好奇心が旺盛で、何にでも興味津々。幼児期には子どものあるがままの姿を見ることができます。

④人の意見も尊重できる

自分の意思を尊重されて育てられた子は、他人の意見も尊重できるような心の広い大人に成長するでしょう。自分の意見を否定され続けてきた子は、他人にも同じことをしてしまいがちです。自分の意見が尊重されないのに、他人の意見を尊重するという方が難しいですよね。自分の意見を尊重されてきたからこそ、人によって考え方が異なることも理解し、お互いが尊重されるべきだと認識しています。他人の意見や考え方に耳を傾ける力は、これからの多様性の社会において大切なことです。

加減がカギを握る放任主義のデメリット

放任主義は加減を間違ってしまうとほったらかし育児と間違われてしまいかねません。このように、放任主義にもデメリットは伴います。ここでは、放任主義のデメリットについてみていきましょう。

①愛情不足と感じることもある

あまりに子どもの意見を尊重しすぎると、子どもは自分に関心がないのではと勘違いをしていまいます。友だちが「あれしろ」「これしろ」と親に言われている姿をみて、自分は心配されていないのではと愛情不足を感じてしまうかもしれません。いくら親子でも、口に出さなければ伝わらないことだってあります。「大好きだよ」や「心配だよ」と子どもに分かりやすく愛情表現を示すことも必要です

②周囲から「ほっとらかし」と勘違いされる

周囲からみると放任主義はほったらかしと紙一重なところがあり、ほったらかし育児をしていると勘違いされることがあります。放任主義とほったらかしはどちらも、子どもの好きなようにさせています。違いは親子の信頼や愛情、社会のルールを教えるといった目に見えないところにあります。そのため、子どもをほったらかしにしていると誤解を生み、冷ややかな目で見られることもあるようです。

③加減を間違えると「ほったらかし」育児に

放任主義は加減を間違ってしまうとほったらかし育児になってしまう可能性が高くなります。自分の子どもはマナーが守れるし、他人に迷惑をかけることはないと安心しきってしまうのは危険です。いくらマナーと理解しているとは言え、まだ幼い子どもということを忘れてはいけません。今までに経験したことがない困難な場面では、間違いをしてしまうこともあるでしょう。わが子は大丈夫と信頼することも大切ですが、親としての責任や関心を忘れないようにしましょう。

④大人になったときの社会とのギャップがストレスに

幼いときからずっと自分の意見を尊重されて育った子どもは、成長して社会へ出たときルールが多すぎて、自由がないとストレスを抱えてしまいがちになります。もちろん社会のルールは守らなければいけません。そのために、子どものころから社会のルールに触れて、話し合っていくことが大切です。

のびのび成長する放任主義の子育てをするポイント

放任主義の子育てをするにあたり、心得ておきたいポイントをご紹介いたします。放任主義のポイントというよりは育児のポイントといってもよいことばかりですが、詳しく内容をみていきましょう。

危険なことや迷惑を掛けることは叱る

放任主義の子育て方針とは、怒らない・叱らないという意味ではありません。危険なことをしたときや他人に迷惑を掛けてしまう行為をしてしまったときは、きちんと叱る必要はあります。叱ると言っても一方的に「ダメ」「違う」と叱るのではなく「どうしてそのようなことをしたのか」聞いてみることも大切です。

きっと子どもなりに理由があるはずです。また、「どうしてやってはいけないのか」と子どもに気づかせてあげると、同じようなシーンに出くわしたときのヒントにもなります。

最低限の社会のルールは教える

考え方を尊重して行動を制限させないのが放任主義ですが、社会のルールは守らなければいけません。信号は青になったら渡る、人のものはとってはいけないなど私たち大人にとっては当たり前のマナーも子どもは知りません。社会のルールはすべての人が安心安全に暮らすためのものです。自由な選択はルールを守ることで許されるということを、子どもに教えてあげるのが保護者の方の役目です。

あいさつを自然にできるように

「おはよう」「いただきます」「さようなら」などのあいさつは生活の基本です。あいさつをされて嫌な気持ちになる人はいません。その逆にあいさつをしない人の印象は良いとはいえないでしょう。

また、感謝の気持ちを素直に伝えられることは大切なことです。大人のわれわれも感謝の気持ちを口に出すのが恥ずかしいと感じる方も多いでしょう。しかし、感謝の気持ちを伝えることの大切さを子どもたちにも教えてあげてください。

親子の信頼関係を築く

親が子どものやることに口を出してしまうのは、未然に子どもを守りたいという親心からのことでしょう。失敗をするとわかっているのに黙って見ているのは苦しいことですが、子どもがたとえ傷つくことになっても、立ち直ると信じて見守るのが放任主義の子育てです。

大切なのは子どもの選んだ選択に正しいフォローをしてあげることです。子どもが失敗したら、なぜそうなってしまったのかを一緒に考え、子どもの自信を失わないことが保護者の方の役割です。子どもも見守ってもらえていることに安心し、親子の信頼関係は強くなっていくでしょう。

子育てに自信を持つ

子どものことを信頼できるかにも関わってきますが、親である私たちが子育てに自信を持つことも重要です。子育てに答えはありませんが保護者の方が不安そうにしていると、子どもにも不安な気持ちが伝わってしまいます。できる範囲で子どもとしっかり向き合うことができれば立派な子育てです。自信を持ってくださいね

まとめ

放任主義とほったらかし育児は、周囲からは一見同じように見えますが根底はまったく異なります。放任主義とは子どもとの信頼関係を大切にした子育てで、無関心で信頼関係がないとほったらかし育児になってしまいます。

放任主義の子育てを成功させるには、子どもと向き合い愛情を持ち、ときには叱ることも大切です。失敗したとしても寄り添い一緒に考え、頑張ったらたくさんほめてあげてくださいね。

子どもと向き合い愛情を持ち、ときには叱ることも大切です。失敗したとしても寄り添い一緒に考え、頑張ったらたくさんほめてあげてくださいね。


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