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保育士のひきだし

2020.11.16

保育士資格の正式名称は?履歴書の正しい書き方や転職先も紹介

保育士が就職活動する際は、履歴書や職務経歴書に保育士資格取得済であることを記入します。しかし、保育士資格の正式名称がわからずどのように記入すればよいか悩んでしまう方も多いようです。そこで、この記事では保育士資格の正式名称や履歴書の正しい書き方について解説していきます。また、保育士資格をいかした転職先の例についても詳しくご紹介いたします。

保育士資格の正式名称とは?過去の名称や幼稚園教諭との違い

普段何気なく「保育士資格」のことを「保育士免許」「保育証」と呼んでいる方もいるでしょう。はたして、正式名称は何でしょうか?ここでは保育士資格の正式名称や過去の名称、幼稚園教諭免許との違いを解説します。

正式名称は「保育士資格」そのまま

保育士の資格の正式名称は「保育士資格」です。以前までは民間資格でしたが、平成151129日に児童福祉法が改正されてからは国家資格へと移行し、保育者の名前が「保育士」に統一されました。

その後、保育士資格は名称独占資格として使われています。児童福祉法の改正以降は、各都道府県で保育士登録をすることで、保育士資格を証明する書類「保育士証」が交付されるようになりました。そのため保育証を保育士資格の同義語として使う方もいます。ただ、資格単体の正式名称は保育士資格なので、正式な書面に取得資格を記入する場合は、「保育士資格」と記入しましょう。

【参考】厚生労働省「児童福祉法の一部を改正する法律の施行に伴う児童福祉法施行令の一部を改正する政令等の施行について」

現在は使われていない名称「保母資格」

児童福祉法が改正以前、保育者は「保母」と呼ばれていました。 もともとは女性が多い職業でしたが、1999年の男女共同参画社会基本法が定められたこともあり、徐々に男性の職員も増えていきます。

その後、児童福祉法施行令が改正によって、性別にとらわれない名称として保育者は「保育士」という正式名称に変更されました。現在も保母資格を持っている方もいますが、保育現場で働くには各都道府県にて保育士登録して、「保育士証」を取得する必要があります。保育士証を取得する場合は、まず都道府県知事から委託された保育士登録機関「登録事務処理センター(社会福祉法人 日本保育教会)」に問い合わせて、 保育士登録の手引き」を取り寄せましょう。

※保母資格から保育士資格へ移行する手順はこちらの記事をチェック!

【関連記事】保母資格とは?保育士との違い、保育士資格への切り替え方法を合わせて解説!確認要

保育士資格と幼稚園教諭免許の違い

保育士資格はよく幼稚園教諭免許と混同されがちですが、2つは異なるものです。まず、管轄する機関が異なります。

  • 保育士資格…厚生労働省
  • 幼稚園教諭免許…文部科学省

管轄機関が異なることで、保育士資格と幼稚園教諭免許で就職できる職場も違います。 保育士資格の場合、厚生労働省が管轄する保育園(保育施設)や福祉施設に就職できます。一方、幼稚園教諭免許の場合、主な就職先は幼稚園です。ちなみに、幼稚園教諭免許は3種類あり、それぞれ名称が異なります。

【幼稚園教諭免許の種類】

  • 幼稚園教諭一種免許状…教育系の4年制大学を卒業すれば取得できる
  • 幼稚園教諭二種免許状…教育系の専門学校や短大を卒業すれば取得できる
  • 幼稚園教諭専修免許状…教育系大学院で取得できる

あくまでも「どこで資格を取得したのか」という情報なので、種類によって職務内容が変わることはありません。ただ、幼稚園の園長になる方の多くは「幼稚園教諭一種免許状(もしくは幼稚園教諭専修免許状)」の取得者と言われています。ただ、条件さえ満たせば二種から一種へ移行することもできるので、種類にこだわる必要はありません。

保育士資格に関する履歴書の正しい書き方

保育園に就職・転職する際は、履歴書の「取得資格」の欄に保育士資格と記入するのが一般的です。ここでは、保育士資格に関する履歴書の正しい書き方や注意点を解説します。

保育士資格の取得年月日

保育士資格を履歴書に記入する際は、取得年月日を記入しましょう。保育士資格を取得した年月日は保育士証に記載されています。保育系の大学を卒業した場合は、卒業と同時に資格取得となるので、学校を卒業した年月日を記入しましょう。

【注意】登録ではなく取得日

保育士証には保育士資格を取得した日だけでなく、「保育士登録」をした日も記載されています。そのため、履歴書に資格取得日を書く際は、登録日と取得日を間違えないようにしましょう。

新卒の場合は「取得見込み」と記入

保育系の大学・短大・専門学校に在籍している時点で就活をする場合、履歴書に保育士資格を記入する項目の末に「取得見込み」と書き加えましょう。 保育系の大学・短大・専門学校は卒業と同時に資格が授与されるので、在籍している時点で資格を保有しているわけではありません。履歴書の年月日の欄には、取得見込みの年を書くだけでOKです。

保育士資格の認定機関を書くとより丁寧な印象に

履歴書に「保育士資格」とだけ書くよりも、資格の名称の前に「認定機関」を添えた方がより丁寧な印象になります。「認定機関」は資格の取得方法によって異なるので、自分に合った書き方をチェックしてください。

保育系の大学・短大・専門学校

保育系の大学・短大・専門学校を卒業して保育士資格を取得した場合は、学校の名称も記入します。

【学校名の記入例】

  • ○大学こども学部保育学科
  • ○専門学校保育科保育士コース

「学部」「学科」「コース(課程)」などが分かれている場合は全て記入しましょう。

自分で保育士登録した場合は交付機関名を記入

自分で保育士登録をした場合は、保育士証を交付してもらった交付機関名を記入しましょう。基本的に、保育士登録は各都道府県知事の委託機関である「登録事務処理センター(社会福祉法人 日本保育教会)」を通じて行いますが、管轄はあくまでも各都道府県知事です。履歴書に書く際は、都道府県知事や資格証を発行した責任者の名前を書きましょう。

【交付機関名の記入例】

  • ○県知事認定
  • ○府知事認定
  • ○都知事認定

結婚によって本籍地の住所や氏名が変わった場合、変更手続きが必要になります。転職前に結婚した場合は、変更手続きを済ませてから履歴書を記入するのがおすすめです。ただ、変更手続き後、新しい保育士証が届くまでおよそ2カ月かかってしまうので、なるべく早く手続きを済ませるか、志望先の保育園に相談してみましょう。

そのほか保育士が履歴書で書くこと

同じ「保育士資格」を持っていても、就職・転職の目的や、アピールポイントは人ぞれぞれです。ここでは、保育士が取得資格以外に、特に注目すべき項目を3つ解説します。

志望動機

保育園への就職・転職で履歴書を書く際、特に力を入れるべき項目は志望動機です。志望動機では志望先の保育園に自分の熱意をアピールできます。 保育士資格を取得しようと思った理由やきっかけなどを含めて、あなたの誠意が伝わる文章を考えましょう。

【志望動機に含めるべき内容】

  • 自分が保育士を目指した理由やきっかけとなるエピソード
  • 数ある保育園の中から志望先の保育園を選んだ理由
  • 前職を辞めた理由

上記の内容に加えて、「就職・転職後はどのように働きたいか」をプラスすると、より好印象を与えられるでしょう。

自己PR

自己PRは志望先の保育園にあなたの強みを伝えられる項目です。「これだけは誰にも負けない」と思う自分の長所や、周りから見た自分像を記入しましょう。

【自己PRの記入例】

  • 周りから相談されることが多く、助言が的確だと褒められる
  • 明るい性格で、誰とでもすぐに打ち解けられる
  • 保育士資格以外にも調理師免許やリトミック講師などの資格を持っている

自分の性格や、自信のある特技などを語って、あなたの魅力を十分にアピールしましょう。

趣味や特技

趣味や特技は保育業務に関連することを書きましょう。

【趣味・特技の記入例】

  • ピアノを10年間習っていて、学生時代にコンクールで入賞した
  • 制作が得意で、卒業制作は○○を作った
  • 運動が好きで、地元のアマチュアチームに入っている

「コンクール入賞」「○○年継続している」など、具体的な内容を記入すると、より説得力のある文章に仕上がります。

保育所だけじゃない!保育士資格をいかした就職・転職先の一覧

保育士資格がいかせる現場は、保育園だけではありません。保育士資格を持っていて、転職先を探すときは、さまざまな形態の施設をチェックして、選択肢を広げてみましょう。

保育園(保育所)

保育士資格がいかせる就職・転職先の定番は保育園(法的な正式名称は保育所)です。保育園では、主に0~6歳までの子どもたちの保育を行います。保育園と言っても、形態は多種多様です。

  • 認可保育園
  • 無認可保育園
  • 認証・認定保育園

保育園の形態によって、保育方法や保育料、細かいルールが異なるので、それぞれの違いを理解した上で就職・転職先を見つけましょう。

託児所・ベビーシッター

保育士資格があれば、託児所やベビーシッターで働く際に優遇されやすくなります。 託児所やベビーホテルは認可外保育施設の一種です。託児所は、自動車教習所やスポーツ施設、イベント会場などに設置されていることが多く、一定時間子どもを預かることが基本的な業務です。ベビーホテルは子どもの宿泊を伴う保育施設で、夜勤・早朝勤務があります。営業時間や保育方法が通常の保育園とは異なりますが、視野を広げたい方や自由なシフトが組みたい方にはおすすめです。

児童養護施設

児童養護施設は保育実習でも指定される施設のひとつです。児童養護施設では何らかの理由で家族と暮らせなくなった子どもたちが生活しています。保育士は、子どもたちの身の回りのお世話(掃除、洗濯、食事の準備)などを行います。夜勤・早朝勤務もありますが、子どもたちと深く関わりたい方にはぴったりです。

認定こども園

認定こども園は平成18年の10月に認定こども園法が定められたことで発足した施設です。

【認定こども園の種類】

  • 幼保連携型…保育園と幼稚園、両方の側面を持つ施設
  • 幼稚園型…保育園の要素を持つ幼稚園
  • 保育所型…幼稚園の要素を兼ね備えた保育所
  • 地方裁量型…都道府県の基準に沿ってできた施設

管轄は内閣府で、幼保連携型の場合は保育士資格と幼稚園教諭免許の両方が必要です。

学童保育

学童保育の正式名称は「放課後児童健全育成事業」で、厚生労働省が管轄しています。「放課後児童クラブ」とも呼ばれており、放課後に保護者の方が不在の子どもたちに安全や健やかな成長を目的とした施設です。主に小学13年生の子どもが在籍していますが、施設によっては6年生まで受け入れることもあります。乳児や幼児ではなく、小学生と関わりたい方にはおすすめです。

まとめ

保育士資格は厚生労働省が管轄する国家資格で、これを一つ持っているだけで将来の勤務先の選択肢が広がると言えるでしょう。就職や転職の際に履歴書を書く場合は、学校名や 交付機関を記入したうえで、正式名称である「保育士資格」と書きましょう。


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