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おやこのひきだし

2020.09.04

手づかみ食べはいつからはじめる?スタートの仕方やおすすめレシピも紹介

赤ちゃんは離乳食が進むにつれて「手づかみ食べ」をはじめます。今回は手づかみ食べのねらいと手づかみ食べのはじめ方をご紹介いたします。また、最後におすすめレシピも詳しく掲載しているので、ぜひ参考にしてください。

手づかみ食べは生後9ヵ月以降からはじめる

手づかみでご飯を食べさせる時期は、目安として生後9ヵ月といわれています。しかし、一人ひとり成長のスピードが違うように、食事の進め方も異なります。まずは、手づかみ食べの目安になる赤ちゃんのサインからご紹介いたします。

手づかみ食べは離乳食後期からはじめる

育児書などを見ていると、手づかみ食べはだいたい生後9ヵ月からはじまると書かれています。しかしこれはあくまで目安です。離乳食のステップアップは赤ちゃんの意思を尊重することが大切です。

よって離乳食後期である生後9ヵ月~11ヶ月を目安として、赤ちゃんの手づかみ食べをしたいというサインを待ちましょう。

手づかみ食べをはじめるべき赤ちゃんのサインは?

手づかみ食べをはじめる際の赤ちゃんのサインは以下のようなときです。

  • 自分で食べ物を食べようとする
  • 一人で椅子に座ることができる
  • 食べ物を口に入れたら噛むような仕草をする
  • 離乳食が順調にすすんでいる

赤ちゃんが食べ物に対して興味をもち、自ら食べようとする意志があることは大切なサインのひとつ。また、手づかみ食べはある程度の大きさの固形の食べ物を噛んで飲み込む必要があるため、噛めること・正しい姿勢で座れることもポイントです。

できれば離乳食の初期・中期と順調にすすんできたうえで手づかみ食べに入りたいところですが、自分で食べられるようになってから食に興味を持ちだす子もいるので、しっかりと様子を見て保護者の方が判断してあげるようにしましょう。

手づかみ食べのねらい

手づかみ食べは手が汚れるうえ、行儀が悪く見えるかもしれません。本当に必要なのかと思う方も多いですが、手づかみ食べにはたくさんのメリットがあります。

五感を育てる

目の前の食べ物を手でつかみ、自分の口へ運び、噛んで飲み込むという一連の作業は、赤ちゃんの発達によい影響を与えます。

  • 目で見たものを「食べ物である」と認識できる
  • 触ることで食べ物の硬さを知る
  • 食べ物のにおいを嗅ぐ
  • 口の中で食べ物の味を感じる

など、さまざまな感覚を刺激するため、手づかみ食べは赤ちゃんの発達に大切な意味があるのです。

食の興味を強くする

離乳食前期・中期と「食べさせてもらう」行為が中心でした。そのため、自分の意思とは関係なく口へ運ばれてくる離乳食を嫌がってしまう子もいます。その点、手づかみ食べは自ら食べる行為が「楽しい」と感じるようになります。

自分で見て興味をもった食べ物を口へ運んで味を知るという行為によって、食への興味を刺激することが手づかみ食べの大切な目的の一つです。

「食事は楽しい時間」と思えるようになる

手づかみ食べをしながら家族が一緒の食卓を囲むようにし、食事の時間が楽しいと感じられるようにしましょう。乳幼児期の食事に対するイメージは大きく、成長していく過程での偏食や孤食は、身体や心の健康に影響を与えてしまう可能性があります。

食事のスタートラインでもある離乳食のときから食事に対する良いイメージを抱けるよう、楽しく手づかみ食べにチャレンジさせてあげたいですね。

手づかみ食べのポイント

赤ちゃんにとって大切なねらいがある手づかみ食べ。実際に行う際に注意したいポイントをご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

清潔な環境を整える

手づかみ食べをするときは、必ず衛生面に配慮しましょう。ほとんどの赤ちゃんは食べ物をスムーズに口に入れてくれることはありません。握る・潰す・振り回すなど、おもちゃのように遊んでしまうこともあるでしょう。

赤ちゃんはいろいろなものを手で触っているため、見た目がきれいでも菌が付着している可能性があります。手指の清潔はもちろん、食卓周りの衛生面にも十分配慮しましょう。

手づかみで食べやすいメニューにする

手づかみ食べのメニューは、赤ちゃんが手で持ちやすいものがベスト。また一口サイズにしてあげると、嫌がらずに食べてくれることが多いです。手づかみ食べの際にスープを出すときは、具材は大きめにカットしたものを柔らかく調理してあげると食べやすくなります。つかめないほど細かく刻んだものを出すと、片付けが大変になってしまいます。

うまく食べられなくても叱らないで

自分の手を使って食べはじめたばかりの頃は、上手に食べられないこともしばしば。せっかく作った離乳食をぐちゃぐちゃにされると怒ってしまいそうになりますが、グッとたえましょう。

先ほどお伝えしたように、赤ちゃんが手づかみで食べることは、五感を育てること以外に「食事への関心を高める」「食事を楽しい時間と感じる」ことも大切なねらいです。好奇心を抱いて食事に向き合っているときにむやみに叱ってしまうと、赤ちゃんにとって食事が楽しくなくなってしまう可能性があります。

お母さんやお父さんが負担に感じないことも大切

むやみに叱るのは避けたいですが、保護者の方が手づかみ食べをストレスに感じないようにするのも大切。少しでも片付けが楽に済むメニューを選ぶことはもちろん、赤ちゃんが食べる環境を整えることをおすすめします。たとえば、床に新聞紙を敷いておいたり机にラップを巻いておけば、食事が終わったら全部まとめて片付けられるので手間は大幅に短縮できます。

遊びだしたらキリをつけて終わりにする

手づかみ食べをする時期の悩みのひとつとして、遊び食べがあります。いつまでも食べずに触っているだけのときは、キリをつけて食事を終わりにしてしまって大丈夫です。たとえば、10分以上食べ物を口に運ぶ様子がなかったらやめるなど、ルールを決めておくと気が楽になります。終了するときは赤ちゃんへの声掛けも忘れずに。「もう食べないなら、ご飯終わりにしようね」としっかり目を見て伝えてあげてください。

手づかみ食べにおすすめのメニュー5選

最後に、手づかみ食べにおすすめのメニューを5つご紹介します。ポイントは、持ちやすさ・食べやすい大きさ・色彩・栄養です。

1.   ひと口サイズのおにぎり

離乳食後期の赤ちゃんが一度の食事で食べるご飯の量は、軟飯で80gほど。だいたい子ども茶碗で軽めの一杯の量で、栄養満点の一口サイズおにぎりをつくりましょう。軟飯に細かく刻んだ緑黄色野菜、肉や魚のほぐしたものを混ぜ込めば、おにぎりだけで栄養バランスの良い食事を食べさせられます。おにぎりの表面に青のりやすりごまをふってあげると赤ちゃんの指にお米がくっつきにくくなります。

2.   サンドウィッチ

参考レシピ:Cookpad「離乳食後期かぼちゃクリームサンドイッチ」

10枚切りなど薄めの食パンに野菜のペーストや卵をつぶしたものをはさめば、色彩の豊かなサンドウィッチができます。人参やかぼちゃなど甘みの強い野菜を使えば、調味料なしでもおいしいです。

いちごやキウイなどのフルーツも具になりますが、甘味の強い物に慣れてしまうと味の薄い離乳食の食べが落ちてしまうこともあるので気をつけましょう。

3.   お焼き

参考レシピ:Cookpad「離乳食後期 栄養満点おやき」

卵や肉などのタンパク質と野菜類や海藻類を混ぜ込んで、フライパンで焼くだけの簡単お焼き。火が通りにくい野菜は前もってしっかりと加熱しておくことがポイント。生のままでは長時間加熱する必要があるため、焦げたり硬くなってしまったりする可能性があります。赤ちゃんが口に入れた時に不快に感じる要素を減らすために、短時間の加熱で済むようにしましょう。

4.   バナナやイチゴなどカットフルーツ

デザートやおやつとして、バナナ・いちご・りんごなどのフルーツもおすすめ。手で握って食べられるように、1㎝角で5㎝ほどのスティック状にカットしてあげてください。とくにバナナは柔らかく、歯ぐきだけでもしっかりと潰せるので喉に詰まらせる心配も少ないです。バナナにはオリゴ糖や食物繊維が豊富に含まれているので、便の調子を整えたいときにもおすすめです。

果物の糖類が気になる場合は、人参や大根などスティック状に切りやすい野菜を柔らかくゆでてあげてもいいですね。じっくりゆでた野菜は甘みが増して食べやすくなりますよ。

5.   手作りのパンケーキや蒸しケーキ

参考レシピ:Cookpad「鉄分たっぷり蒸しパン」

さつまいもやじゃがいものほか、緑黄色野菜などを柔らかくつぶしたものを混ぜ込んでつくるパンケーキや蒸しパンも手づかみ食べにはぴったりのメニューです。見た目もきれいで、赤ちゃんの食欲を刺激します。

しらすやツナなどを入れれば、タンパク質がプラスされてさらに栄養がアップ!市販のホットケーキミックスを使って簡単につくれますので、ぜひチャレンジしてみてください。

手づかみ食べは赤ちゃんの意思を尊重しましょう

手づかみ食べは、必ずしなければいけないというわけではありません。赤ちゃんにも個性がありますので、手づかみ食べをせずとも上手にスプーンを使って食べられるようになる子もいます。また、衛生面がどうしても気になる場合、無理にやらせる必要はありません。赤ちゃんの意思とご家庭の考えも大切にしながら、手づかみ食べに取り組んでみてください。

まとめ

赤ちゃんは離乳食をすすめていくうちに「自分で食べたい」をいう意思が芽生えます。食べ物に手を伸ばす様子が見られたら、手づかみ食べをはじめるサインです。

手づかみ食べは五感を刺激し、食への関心を育んでいくためにも大切なことなので、できる限りやさしく見守ってあげましょう。食べやすいメニューや食事の環境を整えるなどの工夫をして、無理のない範囲でサポートしてあげましょう。


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