おやこのひきだし
2020.08.25
魔の2歳児はいつまで続く?イヤイヤ期の子どもに接するポイントや対処法を紹介
かわいい盛りの2歳児ですが、自己主張が強くなって言うことを聞いてくれなくなるため、「魔の2歳児」とも呼ばれています。言葉をどんどん覚えておしゃべりが上手になってくるため成長を実感できますが、すぐに「イヤ!」と言うので、対応に困っている方も多いのではないでしょうか。この記事では、魔の2歳児がいつまで続くのか、またイヤイヤ期の子どもに接するポイントやイヤイヤ期の行動への対処法などについて解説します。
魔の2歳児とは
先輩ママから「魔の2歳児は本当に大変」と聞かされたことがある方は多いのではないでしょうか。だんだん言うことを聞かなくなってくる2歳の時期は、「イヤイヤ期」「第一次反抗期」とも呼ばれます。英語では「Terrible Two」という言葉もありますので、2歳児の子育てが大変なのは、海外でも一緒のようです。
自我が芽生えてくる時期
この時期は自我が芽生えてくるため、自分の意思を主張するようになってきます。しかし、語彙が増えてくるといっても、まだ自分の気持ちを上手に言葉にするのが難しい年齢。泣いたり暴れたり頑固に拒否したりするため、親にとっては子供が反抗的になったように見えるのです。
魔の2歳児はいつまで続く?
魔の2歳児はいつ頃まで続くのか、気になる方も多いのではないでしょうか。魔の2歳児についてのアンケートを参考にすると、始まる時期は〜2歳が22.7%でもっとも多く、2位は〜2歳3ヵ月で18.5%、3位は〜2歳6ヵ月で14.3%です。2歳の誕生日前から2歳6ヵ月頃に魔の2歳児が始まったと感じる方が半数以上います。また、魔の2歳児といっても1歳の頃から始まる子どもも25%近くいます。一方、1割程度の方は魔の2歳児はなかったと感じているようです。
魔の2歳児が終わる時期は、3歳までが33.3%でもっとも多く、2位が3歳6ヵ月までで21.2%、3位が4歳以降で14.1%です。ほとんどは3歳のうちに終わるようですが、4歳まで続く子どももいます。
【参考】小学館HugKum「【魔の二歳児】はいつからいつまで? ママパパが「困った!」行動あるある&対処法を調査!」
イヤイヤ期が起こる理由
「魔の2歳児」という言葉の通り、2歳は何を言っても言うことを聞かないイヤイヤ期のピーク。イヤイヤ期がなかったらいいのに…と思う方もいるでしょうが、イヤイヤ期は大切な成長過程です。ただし、親の受け止め方によってもイヤイヤの度合いが変わってくるため、イヤイヤ期はなかったと感じる人もいます。イヤイヤ期はなぜ起こるのか、見ていきましょう。
自立心が芽生えてくるため
2歳頃になると「自分でやってみたい」という自立心が芽生えてきます。1歳の頃よりも手先が器用になってくるので、簡単なことなら自分でできることも増えてきます。たとえば着替えが簡単な衣類の着脱くらいなら自分でできるようになるでしょう。
しかし、ボタンを留めるのはまだ難しいため「ママがやってあげようとすると「イヤ!」という言葉が出てしまいます。まだ自分一人でできないようなことでも「自分でやる」という欲求が生まれるため、ママに「まだムリだよ」と言われても我慢できないのです。
脳の前頭前野が未発達なため
「やってみたい」という気持ちが抑えられなくてイヤイヤ行動が出てしまうのは、脳の前頭前野が未発達なことが関係しているといわれています。欲求を抑制する脳の働きがまだできていないため、「イヤ!」と言ったり泣いて暴れたりしてしまうと考えられています。3歳頃になれば、前頭前野も発達してきますので、欲求をコントロールできるようになっていきます。
言葉で表現できないため
2歳児は言葉の爆発期ともいわれ、語彙数は300程度に増えます。また、2語文も話せるようになってくるのが特徴です。しかし、まだ自分の思いを十分に言葉で表現できるほどではありません。「思っていることを伝えられない」「わかってもらえない」といういら立ちから、泣いたり暴れたりしてしまうのです。
イヤイヤ期の子どもに接するポイント
言うことを聞かなくなってくるイヤイヤ期。「大声を出す」「泣く」「物を投げる」といった魔の2歳児にありがちな行動に手を焼いている方も多いのではないでしょうか?イヤイヤ期の子どもに接するときのポイントについて挙げていきます。
気持ちを受け止める
まずは子どもの思いをしっかり受け止めることが大切です。 2歳頃は、まだどうしたいのか言葉で上手に説明できないので、「○○したかったんだね」と言葉にしてあげるとよいでしょう。気持ちを理解してもらえたら、子どもは安心します。
ダメなときは理由を伝える
子どもがやりたがっても、危険な行動や、他人に迷惑をかける行動は、「○○したかったんだね」で終わらせるわけにはいきません。しかし、「ダメ」と叱るだけでは、子どもは納得しないでしょう。「○○したかったんだね。でも○○したら転んで怪我するかもしれないからやめようね」というように、子どもにわかりやすい言葉できちんと理由を伝えましょう。
たとえ要求が叶えられなくても、気持ちを理解してもらえたことで、子どもは落ち着きます。
代替案を伝える
子どもの要求を叶えられないときは、「代わりに○○する?」と代替案を伝えて、子どもの興味を別のことに向けさせましょう。また、今はムリという場合は、先の見通しを伝えてあげることも大切です。「今はできないけど、お昼ご飯を食べた後にしようね」というように伝えると、子どもも納得するでしょう。
スキンシップする
子どもが落ち着かないときは、抱きしめたり、背中をトントンしたりしてスキンシップを図りましょう。ママとのスキンシップで興奮が静まり、落ち着きを取り戻すはずです。子どもが興奮しているときは、いくら話をしても伝わりません。まずはスキンシップで落ち着かせましょう。
子どもに選ばせる
自立心が芽生えてきて「自分でやりたい」という気持ちが強くなるこの時期。着替えるときや食事のときなどに「イヤ!」が多ければ、子どもに選ばせてみましょう。「今日はどっちの靴下にする?」「AのコップとBのコップ、どっちで飲む?」など、2択の中から選ばせることで、子どもも満足します。子どもに選ばせても問題ないようなことであれば、2択にして選ばせる機会を与えてはいかがでしょうか。
クールダウンさせる
公共の場で騒いだときは、クールダウンさせることを考えましょう。お店なら人があまりいない静かなところへ移動、電車の中なら次の駅で降りましょう。静かな場所に移動すれば、子どもも落ち着くので気持ちを切り替えられます。
冷静に対処する
子どもの態度に腹を立てて冷静さを失うと、お互いに疲れ果ててしまいます。ママやパパはストレスをためないためにも適度に息抜きをしておきましょう。子どもがイヤイヤ行動を取ったときは余裕を持って冷静に対処するのがポイントです。
イヤイヤ期の子どもへのNGな接し方
魔の2歳児は、1日に何度も「イヤ!」を繰り返しますので、イライラしてNGな接し方をしてしまう人もいるでしょう。とくに外で暴れたり、大きな声で泣いたりしたときは、早急に落ち着かせるためにNG行動を取りがちです。次のような対処法は、避けましょう。
一方的に叱るだけ
先ほども触れましたが、「ダメ!」と叱るだけでは解決になりません。子どもの気持ちを受け止めて、なぜダメなのか説明してあげる必要があります。頭ごなしに否定して叱るのは控えましょう。また、「何回言ったらわかるの?」「いい加減にしなさい」という表現は、子どもにとって理解しにくいため、子どもは何で怒られているのかわかりません。どういう行動がいけないのか、子どもにわかりやすい言葉で説明してあげてください。
物で釣る
公共の場で子どもが泣いたり暴れたりすると、すぐにやめさせたくなるものです。つい「○○を買ってあげるから」「お菓子をあげるから」など、物で釣ろうとすることもあるでしょう。しかし、このような対処方法を取ると、子どもは泣けば欲しいものが手に入ると覚えてしまいます。物で釣ることはその場しのぎでしかないため、できるだけ避けておきましょう。
約束を守らない
その場しのぎで、できない約束をするのもNGです。「明日買ってあげるから」「明日は公園に連れて行ってあげるから」とできない約束をして結局守らなければ、子どもとの信頼関係を築けません。
脅す
子どもが怖がるものといえば、お化けがあります。子どもがなかなか言うことを聞かなければ、「言うこと聞かない子のところにはお化けが出るよ」と脅して言うことを聞かせたくなるかもしれません。
しかし、脅して言うことを聞かせようとしても、子どもはなぜその行動がいけないことなのか理解できません。また、子どもが怖がることを言うことで、怖がりになってしまう可能性もあります。
イヤイヤ期の主な行動への対処法
イヤイヤ期によくある行動の中から代表的なものをピックアップし、対処法について解説します。
一人でできないことをやりたがる
「自分でやってみたい」という思いが強くなるこの時期。危険でないことなら、できるだけやらせてあげましょう。子どもが頼んでもないのに親が手を出すと、「自分でできた」と言う達成感を味わえません。お着替えであれば、まずは一人でやらせてみて、「ほとんど一人でできたね。少しだけお手伝いするね」と難しいボタンかけなどを手伝うとよいでしょう。
自分でできるのにやらない
2歳になると自分でできることも増えてきます。しかし、自分でできるのに「ママがやって」と甘えてくることもあります。そのようなときは突き放さずに手伝ってあげましょう。ただし全てをやってあげるのではなく、一部だけを手伝い、「あとは自分でできるよね」と自力でやるように促しましょう。
ご飯を食べない
「食べたくない」と言う、食べ物をぐちゃぐちゃにする、嫌いな食べ物を残すなど、イヤイヤ期は食事も大変です。食事の時間になっても遊ぶのをやめずに「ご飯はいらない」というときや、遊び食べをするときは、食事を終わりにしてしまいましょう。一貫して毅然とした態度を取ることで、「食事は決められた時間に食べるもの」「ご飯で遊んではいけない」ということを伝えます。
また、パパやママが美味しそうに食べることで、苦手な食べ物に挑戦しようとする子どももいるようです。少し演技力が必要ですが、試してみる価値はあるでしょう。
帰りたがらない
遊びに行くと、いつも帰るのを嫌がって、連れて帰るのが大変というママもいるのではないでしょうか?このような場合は、最初に「時計の短い針が5になったら帰ろうね」というように、目で見える方法で何時になったら帰るか伝えておきましょう。言葉だけで伝えるより、見せて伝えた方が理解しやすいのです。
まとめ
子どもが魔の2歳児を迎えるとママもパパも大変ですが、子どもが成長している証拠と思えばストレスも半減するのではないでしょうか。
魔の2歳児を迎える時期も終わる時期も個人差がありますが、いつまでも続くわけではありません。言うことを聞かなくなった我が子を感情的に叱るのではなく、子どもの気持ちに寄り添って、うまく表現できない苛立ちを理解してあげることが大切です。
今回ご紹介した対処法を参考にしていただいて、魔の2歳児を乗り切ってください。