保育士のひきだし
2020.08.21
保育士は性格が悪くなるという噂は本当?原因やそうならないための対策も紹介
世間的に見ると、保育士には「優しい」「子ども好き」「家庭的な雰囲気」という好意的なイメージを持つ方が多いかと思います。ですが、実際に働いている保育士からは「保育士は性格が悪い」「性格がきつい人が多い」「いじめがある」という声があがります。悪口が絶えない職場で働いていると、自分まで性格が悪くなるのではないか、と思うこともあるかもしれません。
せっかく保育士になれたのに、仕事以外の問題で保育士の仕事が嫌になってしまうのは避けたいですよね。今回は、保育の現場でよくある保育士間のトラブルや、性格が悪くならないために心がけたいことをご紹介いたします。
保育士は性格が悪い人が多い?よくある保育士間のトラブル
保育士だから性格が悪いということはありません。むしろ、少数の問題がある人のせいで職場にトラブルが発生してしまうことがほとんどです。特に女性が中心の職場では、1人でも「性格が悪い人」がいると、悪口やいじめといった保育士間のトラブルが多くなりがちです。
まずはよくある保育士間のトラブルをまとめてみました。
同じ職場の先生を無視する
朝あいさつをしたときに、無視される。仕事の話をしようとしたら、聞いてくれない。先輩保育士に無視をされるようになったという話を聞くこともあります。相手も忙しくて気付かなかったという可能性もありますが、毎回というとさすがにおかしいと感じますよね。
コミュニケーションがとれないと仕事に支障が出てしまい、子どもや保護者にまで迷惑が及びます。機嫌が悪いと相手を無視するという保育士も多く、よくあるトラブルの1つと言えます。
嫌味や悪口を言う
保育士の仕事をしていると、嫌味や悪口を言う保育士が多いと感じるときがあるかと思います。特に休憩室では気が緩み、同僚の悪口や嫌味だけでなく、保護者に対する愚痴も多いです。
中には子ども達の前でわざと本人に聞こえるように「○○先生聞こえませーん!」と言ったり、子どもに「○○先生って変だよね」と言ったりと、子どもを利用する保育士もいます。
噂話が多い
女性は噂話が好きな人も多く、話が面白おかしく誇張されてしまうことも多いです。また、陰口や悪口で気を引いて、自分に興味を持ってもらおうと考える人もいます。
「人の口に戸はたてられぬ」ということわざがあるように、噂話を止める手だてはありません。休憩室で噂話が盛り上がり、結果として職場全体の雰囲気が悪くなる。その場で聞いていただけなのに参加していると見られ、派閥やいじめに発展する。こんなトラブルも保育士に多くありがちです。
園内で派閥ができる
先輩保育士同士がライバル関係であったり、園長と主任の保育方針が違っていたりすると派閥ができることがあります。誰と誰が仲良い、誰と誰が一緒に食事に行った…という話題で持ちきりになってしまうでしょう。
厄介なのは園長や主任といった上に立つ人が派閥の対象になってしまう場合。できるだけ気にしないようにしたいものですが、園長の許可がおりにくくなったり、主任に保育のことで文句を言われるようになったりと保育の仕事にまで影響が出るようになり、かなり面倒なトラブルの1つです。
保育士の性格が悪くなる要因
陰口や噂話が多い環境にいると、周りに引きずられてしまい、自分もつい陰口に参加してしまうこともあるでしょう。保育士の性格が悪くなる要因をいくつか挙げていきます。
職場に女性が多い
保育園は女性が中心の職場です。園長や主任も含め、スタッフ全員が女性という職場も少なくありません。女性は噂話が大好き。また共感してほしいという思いも強いため、ついつい休憩室で会話が盛り上がり、職場の誰かの悪口に発展していたと気づくこともあるでしょう。1人男性がいるだけで、異性の目を気にするのか緩和されることもあるのですが、女性ばかりだとなかなかそうはいきません。
また、女性は生理周期によってホルモンバランスの影響もうけやすく、気分の浮き沈みがあるという特徴があります。なんとなく機嫌が悪そうに見える、いつもよりイライラしているといった様子が見られたらそのようなことが原因かもしれません。
忙しくて余裕がない
保育士が不足している園も多いです。ギリギリの保育士の人数で回していたり、急な体調不良のお休みがあると人手が足りなくなってしまう日もあります。忙しくなると余裕がなくなり、近くの人にイライラをぶつけてしまいがちです。
仕事によるストレスを抱えやすい
保育士の仕事は体力だけではなく神経も使います。仕事中、子どもの怪我やトラブルが起きないか気を配りながらも、抱っこしたり、重たい荷物を運んだり、子どもを見るだけではなく事務作業や清掃……とやることはたくさん。常に、身体を動かして仕事をしているので、気づかない間にストレスがたまってしまうのです。
ストレスを感じていると周囲の人を気遣うことができず、自分の気持ちを紛らわせるために相手にストレスをぶつけてしまいやすくなります。気持ちをスッキリさせたくて、つい愚痴や悪口を言ってしまうこともあるでしょう。
保育士をしながら良い性格でいるための対策
働いている保育園の職場環境が悪いと、影響されてあなたの気持ちまでギスギスしてしまうかもしれません。自分らしく働きつづけるために、できるだけストレスの原因になりそうなものとは距離をとるようにしましょう。
噂話や陰口には参加しない
先輩や同期から噂話や陰口を言われたときに、「そうですね」と同調してしまうと「この人には悪口を言って大丈夫だ」と思われてしまいます。何か言われても、「ちょっと私はわからないです」「そういう話苦手で」と言葉を濁しましょう。同じ空間にいることで、あの人も参加していたと見られないように、休憩室などで噂話や陰口が始まったらさりげなく席を立つことも有効です。
仕事とプライベートは線引きする
いくら仲の良い先輩や同期だとしても、プライベートの話は極力控えるのが無難です。
お互いに干渉せず、プライベートの話は最小限にしておくと噂話まで発展しません。保育士の仕事をお金のためと割り切って、付かず離れずの距離をとることで、人間関係のストレスを軽減できます。
地味なキャラクターになりきる
言動が目立つ人は噂話のネタにされがちです。とにかく目につかれないように、波風を立てないように、相手を立てることを意識すると、余計なトラブルに巻き込まれないで済みます。
自分のやりたいことや好きなことを前面に出せないのはつまらないですが、トラブルが多いと感じた職場では、あまり自分のことを前面に出すのは控えておくと無難です。
保育士同士のトラブルに巻き込まれたときの対処法
意識して過ごしていても、保育士同士のトラブルにいつの間にか巻き込まれてしまった!なんていうこともありますよね。万が一トラブルに巻き込まれてしまったときに、どう対処すればよいのかをご紹いたします。
メモを取って残しておく
何か自分に嫌なことをされたり言われたりしたときは、そのときのことをメモに取って残しておきましょう。頻繁であれば、スマホの録音機能を使って残すことも1つのやり方です。証拠を残しておけば、後々誰かに相談するときにもわかりやすくなり、万が一相手から「こう言っていたのに」と言われたときに誤解を解くカギにもなります。
園長や主任など信頼できる人に相談する
先輩からの愚痴や陰湿ないじめにあった場合、信頼できる園長や主任に相談するのも一つの解決策です。しかし園長や主任も噂話が好きな場合は、相談した内容を他の先生に話すことが容易に考えられます。
園長や主任に相談できないのであれば、運営している法人や株式会社の人事担当者や、外部に第三者委員を配置している保育園も多いので、そこに相談するのもいいですね。他にも外部の相談機関があるので、悩んでいる場合は活用してみてください。
- こころの耳 厚生労働省 メンタルヘルス不調の電話、メール相談
- 総合労働相談コーナー 厚生労働省 職場のいじめなどの電話相談
- 全国社会保険労務士会連合会 社会保険労務士との無料相談
総合労働相談コーナーではいじめの問題だけではなく、サービス残業や休日の強制出勤といった労働環境の相談もできます。
職場の愚痴は職場以外の人と話す
職場のストレスは愚痴を聞いてもらうだけで、ストレスが発散されたり心が軽くなったりするものです。ですが職場の愚痴は、職場の仲間ではなく職場とは全く関係ない人に聞いてもらうようにしましょう。職場で嫌なことがあると、とにかく誰かに聞いてもらいたいと思うかもしれませんが、職場内で愚痴をこぼすと誰が聞いているかわかりません。職場の愚痴は、できるだけ職場以外の信頼できる人に聞いてもらうようにしましょう。
保育園では守秘義務があるので、子どもの個人名などを出すのは控え、仮名を使うなどしておきましょう。またSNSで発散するのも、不特定多数の人が見ているのでやめておいた方が無難です。
まとめ
保育士は性格が悪いと言われる原因や対処法をご紹介いたしました。憧れていた保育士に就いたのに、子どものことではなく保育士の人間関係で悩むのは残念ですよね。保育士は性格が悪いと言われている理由の主な原因は、やはり保育園の環境にあります。
働いている環境が悪いと感じたら、自分からトラブルの原因に近づかないのが一番です。自分も悪口や噂話に参加してしまうと、人間関係に巻き込まれてしまいます。
しかしどんなに気をつけても職場の人間関係をストレスに感じてつらいなら、系列の保育園に異動をするか転職するのもよいでしょう。大切なのは嫌な気持ちを貯めこまないことです。
保育士という仕事を心から楽しめるように、悩んでいる方の手助けになれば幸いです。