おやこのひきだし
2020.08.07
赤ちゃんは指しゃぶりをいつまでする?卒業させる方法や歯並びへの心配も紹介
赤ちゃんが指しゃぶりをしている姿を見て、いつまで続くのだろうと心配になる保護者の方も多いのではないでしょうか。また、指しゃぶりを続けていると歯並びに影響するのでは、と気になる方も多いですね。
この記事では指しゃぶりにはどのような影響があるのか、また無理なく卒業させるにはどういった方法があるのか、年齢別にご紹介いたします。
どうして指しゃぶりをするの?小さい時と成長してからでは目的が違う!
生まれてすぐの指しゃぶり
生まれてすぐの赤ちゃんが指しゃぶりをしている姿は本当にかわいらしいものですよね。しかし、「誰も教えていないのに指しゃぶりをするのはどうしてだろう」と思いませんか?実は、赤ちゃんはお母さんのお腹の中にいるときから指しゃぶりをしているのです。健診の際、超音波検査で見られることもあります。
これは自分の意識とは別の、生きるための力「原始反射」の一種です。赤ちゃんはまだ状況を判断して身を守る力やお乳を探す力が備わっていないため、いくつかの特定の条件で、体が反応して身を守る行動や母乳をのむ行動を取るのです。
原始反射の中で、指しゃぶりと関係があるのは吸てつ反射という、お母さんのお乳を吸うための力で、口の周りにあるものにひとまずなんでも吸いつくという反射です。この反射は成長につれて薄れ、生後4ヵ月頃になると次第に見られなくなっていきます。
この頃の赤ちゃんの指しゃぶりは自然に任せていて大丈夫ですが、なんでも口に入れてしまうため、おもちゃは清潔に保ちましょう。また、ブランケットやタオルなどが顔の近くにあると、ふとしたことで顔を覆って呼吸を妨げてしまう可能性があるので危険です。周囲の環境にも配慮しましょう。
大きくなってからの指しゃぶり
吸てつ反射が見られなくなるのは生後4ヵ月を過ぎたころですが、1歳を過ぎ、歩けるようになっても指しゃぶりをしている子どもを見かけます。1歳前後の場合は、まだ母乳を飲んでいる子もいますので、指を吸うことでお乳を吸っているような安心感を得ようとする子もいます。
また、はじめのうちは精神的な安定のために指しゃぶりしていた子も、そのうちに手持無沙汰ゆえに何となく指しゃぶりをしている、という場合もあります。そのままにしておくと、就学前の年齢で親指に吸いだこができるくらい指しゃぶりをしている子もいますので、成長とともに自然に卒業できるよう、家族が働きかけてあげましょう。
指しゃぶりの影響はどんなところに出る?
歯並びへの影響
「おしゃぶりや指しゃぶりをしていると出っ歯になる」とよく言われます。確かに、指しゃぶりの頻度が高いと歯にも力がかかって生え方に影響が出る場合も多くあります。乳歯の時期に指しゃぶりを卒業できるのが理想ですが、歯並びへの影響を考えると、遅くとも前歯が永久歯に生え変わる5~6歳頃には卒業するのがよいでしょう。
あごの発達、発音への影響
歯並びのこととも関係しますが、大きくなってからの指しゃぶりは、かみ合わせやあごの発達にも影響を及ぼします。具体的には奥歯をかみしめた状態でも上と下の前歯に隙間が開いてしまう状態の「開咬」や、上あごと下あごのかみ合わせが合わない「交叉咬合(こうさこうごう)」が多くみられます。
これらの症状がある場合、見た目が気になるばかりでなく、普段から口が閉じにくくなり、口呼吸になることで感染症にかかりやすくなったり、音を立てて食事をすることもあります。また、言葉の発音にも影響があるので、そのような症状がみられる場合は、矯正歯科での治療をおすすめします。
歯やあごの矯正治療について
指しゃぶりが原因の上顎前突(出っ歯)に限らず、歯の矯正治療を行っている子どもは、親世代よりも格段に増えています。これは、食生活や生活習慣の変化が一因ではあるものの、歯並びに対する意識の変化や、口腔衛生への関心の高まりに起因しているものと言われています。それに伴い、子どもに負担の少ない検査法や治療法も増えてきています。
小学校の歯科検診で歯並びを指摘されることもありますが、気になるようであれば、前歯が生え変わるころに矯正歯科で検査してもらうのもよいでしょう。大人になってから歯列矯正することも可能ですが、永久歯の生え変わりの時期に行うとあごの成長を利用した矯正が可能であるため、体の負担も経済的な負担も軽減できます。
症状によっては、一般的なブラケットの矯正だけではなく、寝る前にだけ装着するマウスピースを選択できる場合もあります。専門の先生と相談の上、適切な時期に適切な治療を受けることをおすすめします。
指しゃぶりは親が働きかけてやめさせるべき?
2歳頃までは様子を見て
1歳半~2歳頃までは指しゃぶりをしていても大きく心配する必要はありません。寝る前だけ指しゃぶりをしている、ということであれば、自然になくなっていくと思ってよいでしょう。
しかし、1歳を過ぎるころには公園や児童館など、公共の施設で遊ぶことも増えてきますね。遊具やおもちゃを共有する施設で遊びながら指しゃぶりをしてしまうようなら、こまめに手を綺麗にしてあげることも大切です。感染症が増える時期は特に気を付けましょう。
日中、頻繁に指しゃぶりをしている様子が気になるようであれば、1歳半検診で歯科検診がありますので、衛生士さんや保健師さんに相談してみるのもひとつの方法です。
3~4歳になったら、おもちゃや遊びで気をそらせてみて
3~4歳になっても日中の指しゃぶりがやめられないようなら、手持無沙汰になってついつい指を口に入れているのかもしれません。あまり厳しく叱らず、「これで遊ぼうか」「絵本を持っておいで」など、おもちゃや遊びで気を引くのも効果的です。この頃は下にきょうだいが生まれて赤ちゃん返りをしているケースも少なくありません。赤ちゃんが寝ている間、時間を作ってじっくり遊んであげるのもよい方法です。
また、幼稚園に入園する子も多い年齢です。「幼稚園に行くのは、お兄さん(お姉さん)だから、指をお口に入れるのはやめようね」と声をかけておくと、同年代のお友達の前ではしなくなることもありますので、入園のタイミングを有効に使うとよいでしょう。
5~6歳になったら言葉で伝えるのも効果的
就学を控える年齢になると、いよいよ指しゃぶりを卒業させたいと焦る親御さんも多いと思います。周りの人に指摘をされることも増えてくるでしょう。しかし、あまり強く叱ると親の見えないところで隠れて指しゃぶりをするようになってきます。より執着してしまう場合もあるので、おすすめできません。
それよりは、大人の歯が生えてくる時期だから、歯の向きがおかしくなってしまうと治すのが大変であること、手はいろいろなものを触るから決してきれいではないことを言葉でしっかり伝えるようにしましょう。
ついつい無意識に指を口に持っていく子も多いですから、「指、お口に入ってるよ」と教えてあげると子ども自身も気づくことでしょう。3~4歳の入園のタイミングを利用するように、入学のタイミングを逃さないことも大切です。「学校は勉強するところだから指を口に入れないよ」としっかり話しておくようにしましょう。
「学校で笑われちゃうよ」「そんなことしてる子いないよ」など、否定するような言葉を繰り返すと「学校に行きたくない」となってしまうので、言いすぎには注意が必要です。
まとめ
大きくなってからの指しゃぶりは、「心が満たされていないから」「寂しいから」と言われることが多いので、親としては非常に気になるところですが、子どもにしてみると、何となく癖になってしまっていることも多いものです。焦らず、強く叱りすぎないことが肝要です。
子どもに毎日「指しゃぶりをするな」と強く言い聞かせるよりは、ついつい指しゃぶりをしているときに教えてあげたり、気を逸らすような声かけを根気強く続けることで自然と卒業できるよう向き合っていきましょう。
ついつい叱りすぎてしまうという方は、指しゃぶり卒業のためのグッズが多数市販されていますので、それらを併用して子どもを見守るのもおすすめです。具体的には、苦い味だけど体には無害のマニキュアや、指しゃぶり対策用の手袋などがあります。お子さんの様子に応じて試してみるのもよいでしょう。
子育ては、それぞれの段階でそれぞれの心配が出てくるものです。母乳やミルクを飲む時期は体重の増え方が気になり、食事をするようになると食べムラが気になってきます。就学前には指しゃぶりやおむつ外し、お友だちとの関係、学校に入れば体力や学力が心配です。
子どもひとりについて次から次へと心配事が尽きませんが、深刻に考えすぎず、保健師や保育士、友人に気兼ねなく相談してみましょう。今あなたが抱えている悩みは、子育てを経験した人なら誰でも通る道なのです。
また、お母さん自身が生活の中に楽しみを持つことも大切です。子どもを中心に毎日を過ごすことも素晴らしいのですが、たまには趣味や息抜きの時間を取ってリフレッシュしましょう。周りの目を気にしすぎることなく、子どもと向き合うことで、一緒の時間を楽しめるようにもなってきますよ。