保育士のひきだし
2020.08.11
保育士必見!パネルシアターの作り方とは?初めてでも簡単にできる方法や材料も紹介
子どもたちに大人気のパネルシアター。パネルシアターはパネル布を貼った舞台に絵などを貼ったり外したりする表現方法です。本記事はそんなパネルシアターを取り入れようと考えている保育士に向けた記事です。パネルシアターを作るときに必要になる材料を紹介し、具体的なパネルシアターの作り方についても分かりやすくご紹介いたします。
なぜ人気?パネルシアターの魅力やメリット
パネルシアターとは、パネル布を被せた「パネル板」に、絵を施して切り取った「Pペーパー(不織布)」を貼ったり外したりして、物語を展開する人形劇のことです。 1973年にお寺の住職である古宇田亮順さんによって発案され、その後たくさんの保育現場で実践されるようになりました。
現在も子どもから大人までに愛され続けているパネルシアター。それでは、パネルシアターの魅力やメリットをチェックしていきましょう。
【参考】カラーパネルシアター アイ企画
歌やかけ声などで一体感を演出できる
多くのパネルシアターでは、歌やかけ声が取り入れられています。たとえばパネルシアターでよく題材として使われている「おおきなかぶ」では、「うんとこしょ、どっこいしょ」などのかけ声が、子どもたちから人気です。
みんなで一緒に歌ったり、かけ声をかけたりすることで、その場の一体感を演出できます。 その結果、子どもがより物語の世界に入り込みやすくなるでしょう。
子どもの想像力や集中力を引き出せる
パネルシアターではパネルの上だけで物語が展開されます。その中で、背景の色彩やペーパー人形の動き、そして“しかけ”から、子どもの想像力が刺激されます。ペーパー人形は表面と裏面の両方に絵が描いてあるため、方向転換や表情の切り替えも可能です。付け外しもできるため、 「何が出てくるんだろう?」「次はどんな動きをするのかな?」という期待感が生まれ、集中力も高まるでしょう。
大量生産しやすく一度作れば長く使える
パネルシアターは材料さえ集めれば、大量に作ることも可能です。パネル人形は素材も同じのため、余ったPペーパーで別の物語のペーパー人形も作れます。また、Pペーパーは画用紙と比べて柔らかく、切りやすいのも特徴です。万が一、Pペーパーが折れてもアイロンをかければすぐに修復できるため、長く使えます。 保育士の中には、学生時代に作ったものを現在も使用している人も少なくありません。
パネルシアターを作るのに必要な材料
パネルシアターの作り方に移る前に、まずは材料を確認しましょう。パネルシアターに必要な材料は3つに分類されます。それぞれの詳しい材料や、活用方法について確認していきましょう。
① パネル人形
パネルシアターで登場キャラクターやアイテム、文字を書き写す「パネル人形」。パネル人形を作る際は次の材料が必要です。
型紙のコピーやペープサートキット
絵や製作が得意な人は、そのまま自分でパネル人形を作ってもOKです。しかし、絵や製作が苦手な人は、パネル人形を作る際はあらかじめ壁紙をコピーしておくのがおすすめです。保育雑誌に付属している壁紙もちろん使えますが、 本格的に作る場合はペープサートキットを購入して、付属している壁紙の型をコピーした方がキレイに作れるでしょう。 パネルシアターのキットは通販で簡単に購入できるため、好きな題材を選んでみてください。
Pペーパー
パネルシアターの主な素材であるPペーパーは通販のほか、大型書店にて販売しています。 ただ、通販の方が種類豊富で入手しやすいため、確実に入手するなら通販での購入がおすすめです。ちなみに、Pペーパーは「並口」と「厚口」の2種類があり、それぞれ厚みが異なります。並口がおよそ0.4mmで、厚口がおよそ0.5mmの厚さです。2つに大きな差はありませんが、厚口の方が重いため、はがれやすいと言われています。初心者の方は並口を選びましょう。
② パネル板
パネル人形を貼り付ける「パネル板」。パネル板を作る際に必要な材料をご紹介いたします。
パネル布
パネル板を作る際に欠かせないのが「パネル布」です。 パネル布は、Pペーパーによく付着するパネルシアター専用の布です。 色は白と黒があります。こちらもPペーパーと同様に、通販や大型書店にて販売しています。ただ、パネル布は摩擦に弱く、毛玉ができやすいため、購入する際はあらかじめ多めに買っておきましょう。
段ボール
段ボールにパネル布を貼り付ければ、パネル板は完成です。段ボールと言っても、大きさはさまざまのため、作りたいパネル板の大きさに合った段ボールを選びましょう。 通常の段ボールのほかにも、発泡スチロールやプラスチック段ボールでもパネル板は作れます。
既製品を使うのもあり
「パネル板を作る時間がない!」「製作が苦手」という人は、 既製品のパネル板を購入するという方法もあります。 パネル板は保育系の通販サイトのほか、フリマアプリで販売している方もいます。値段は大きさによって異なりますが、安いものなら3,000~4,000円で入手できるため、そこまで費用はかかりません。
③ そのほか必要な文房具
パネルシアターを作る上で必要な文房具をご紹介いたします。
- はさみ
- 布テープ
- 絵具
- 油性マジック
布テープは、パネル板を固定する際に使います。パネル人形に色を塗る際は、絵具や油性マジックを使うのが一般的です。 絵具の方が一度にたくさん色が塗れるため、面積が大きいパネル人形を仕上げるときにおすすめです。
実践!パネルシアターの作り方と手順
パネルシアターの作り方と手順を解説します。基本的な作り方のほか、楽しい「しかけ」の作り方もまとめてご紹介いたします。
パネルシアターの材料をそろえる!通販や100円ショップがおすすめ
まずはパネルシアターの材料をそろえましょう。 Pペーパーやパネル布は、通販や大型書店で入手できます。 通販の方が種類豊富で在庫もあるため、急いでない場合は通販で購入するのがおすすめです。
そのほか、はさみや布テープなどの文房具はほとんど100円ショップで買いそろえられます。また、パネル板の土台となる発泡スチロールやコルクボードなども100円ショップで販売しているため、ぜひチェックしてみてください。
パネル人形の簡単な作り方
パネルシアターを初めて作る場合、パネル人形は型紙に沿って製作するのがポイントです。ここでは、壁紙を使った場合のパネル人形の作り方を解説します。
① 型紙をコピーしてカット
まずは型紙を拡大コピーして、はさみで切ります。 雑誌や説明書に倍率の指定が書かれているため、その通りの倍率に設定してコピーしてください。
② 型紙に沿ってPペーパーで縁を書く
切り取った型紙の上にPペーパーを乗せると、型紙がうっすら透けて見えます。 透けて見える型紙に沿って、チャコペンや細い油性ペンなどで縁を書いていきましょう。 縁を太めに書くことで、はさみでキレイに切り取りやすくなります。
③ Pペーパーに絵具や油性ペンで本書き
縁を書いたら、次は色を塗っていきます。 絵具を使う際は、水は少なめがベター。 水が多すぎると、滲んだり発色が悪くなったりします。油性ペンの場合は、下にペンの跡が付かないように、下敷きや新聞紙などを敷いておきましょう。
④ はさみで切り取る
表面用のPペーパーと、裏面用のPペーパー、計2枚のPペーパーに色を塗ったら、はさみで切り取ります。 色が滲まないように、Pペーパーが完全に乾いてから切りましょう。
⑤ 表面と裏面を貼り付ける
表面と裏面のPペーパーを切り取ったら、次は接着剤で貼り付けます。しっかり貼り付けたい場合は、不織布用のりを使うのがおすすめです。 Pペーパーが薄いと、表面と裏面が空けて見えてしまうケースもあります。 そのときは、Pペーパーを間に挟んだり、あらかじめ厚口のPペーパーを使用したりしましょう。
パネルシアターの動くしかけの作り方
パネルシアターで人形が動いたり、人形やアイテムのポケットから何かが飛び出したりする「しかけ」を施すと、もっと子どもたちの気分を盛り上げられます。ここでは、パネルシアターのしかけの作り方を簡単に解説します。
帽子やキャップなどのアイテムは「袋張り」
「袋張り」はPペーパーで作った帽子や容器のキャップ、バックなどのアイテムの一部分の口が開くようにするしかけです。口の部分だけ開いた状態のため、シーンによって付け外しできます。 ポケットのように、中にアイテムをしまったり、外へ出したりすることも可能です。
手足を動かすなら「糸で固定」
キャラクターの手足を動くようにしたいなら、胴体と手足の境目を糸で固定しましょう。 多方向に動くため、走る・踊るなどの動きを演出したいときにぴったりです。
パネル人形を重ねるなら「裏打ち」
「裏打ち」はパネル人形の表面にPペーパー、裏面にパネル布を裏打ちするしかけです。 裏面にパネル布を張ることで、パネル人形同士を重ねられます。 ただ、そのままだとパネル板に貼り付かないため、裏打ちするなら人形と重ねる人形もしくはアイテムだけにしましょう。
簡単!パネルシアターのパネル板の作り方
パネル板の作り方を手順ごとに解説します。
① パネル布をはさみでカットする
パネル布を題材や人数に合った大きさにカットします。
<パネル板の大きさと人数の目安>
少人数(5人程度)…B3サイズ(縦36.4cm×横51.5cm)
1クラス分(15~20人程度)…B3サイズ(縦36.4cm×横51.5cm)を2枚分
② パネル布をアイロンで伸ばす
パネル布にシワがあると、パネル人形が上手く貼り付かない場合もあります。土台に張り付ける前に、 まずパネル布をアイロンできれいに伸ばしましょう。
③ テープや接着剤で土台に張り付ける
パネル布を広げ、その上に段ボールや発泡スチロールなどの土台を置きます。シワが寄らないように、パネル布を引っ張りながら折り返し、テープで固定します。 接着剤を使うと、より強度が増すのでおすすめです。
まとめ
パネルシアターは、子どもの想像力や集中力を引き出す有意義な人形劇です。袋張りや裏打ちなどのしかけを作ると、より子どもたちが楽しんでくれるでしょう。一度作れば、長く使えますし、 就職や転職の実技試験でも使えます。
まだ作ったことがない人は、今回の記事を参考にして、ぜひ作ってみてください。