保育士のひきだし
2020.07.20
連絡帳の書き方がわからない!保育士必見のコツや例文を紹介
あなたは「連絡帳の書き方がわからない!」とお悩みではありませんか。連絡帳を書く目的、書き方のコツについてご紹介いたします。また、実際に使える例文も載せていますので、ぜひ参考にしてください。
連絡帳は子どもの成長を記録した「思い出のアルバム」。振り返って読んだときに、楽しい思い出がよみがえってくるとうれしいですね。
保育園で連絡帳を書くねらいとは?
そもそも、保育園で連絡帳を書く目的とは何でしょうか?ここでは、連絡帳の「ねらい」について解説します。
保育士と保護者が子どもの健康状態や成長を共有する
保育士と保護者の方が子どもの健康状態を共有することは非常に重要です。保育士は、子どもの保育園での様子を記入し、保護者の方は自宅での子どもの様子を記入し、互いに情報を共有します。その結果、子どもへの理解が深まり、さらに子どもの体調や成長度合いに合った対応ができるというわけです。
保護者とコミュニケーションを図る
記録を通じて保護者の方とコミュニケーションを図るのも連絡帳の目的です。保護者の方は保育士と連絡帳を通じて日中の子どもの様子を知ることができます。子どもの楽しい様子が伝わるような内容であれば、保護者の方は「よく見てもらえている」と安心を感じるでしょう。保育士への信頼につながり、よい「協力関係」が築けるでしょう。
思い出として子どもの様子を記録する
連絡帳に記録することは「思い出を残す」とも言えます。そのときにしか見られない子どもの様子や成長が書かれた連絡帳は、保護者の方が「思い出のアルバム」として後で見返すこともあるでしょう。数年後に見返しても内容がしっかりと分かるように、「わかりやすく書くこと」が重要になります。
連絡帳ってどんなことを書くの?4つの項目に分けて紹介
これから保育士になる人や、保育士になったばかりの人のために、連絡帳の具体的な内容を取り上げていきます。
① 子どもの体温・食事・排泄
保育園の連絡帳には、必ず子どもの「健康」に関する項目があります。
- 体温(自宅での朝、登園後、午睡後)
- 食事(自宅で食べたメニューや量、保育園のおやつ・給食のメニューと食べた量)
- 排泄(自宅での排泄の有無・回数、保育園での排泄の有無・回数)
自宅での様子は保護者の方が記入し、保育園での様子は保育士が記入します。子どもの健康を管理する上で特に重要な項目なので、必ずチェックしましょう。記載漏れにも注意が必要です。
② 自由欄(活動内容や子どもの1日の様子)
主に保育士が書き込む項目です。保育園によって書き方は若干異なりますが、基本的に散歩や製作、運動遊びなどの主活動とそのときの子どもの様子を記入します。そのほか、印象に残った子どものエピソードを書いてもいいでしょう。いずれにしても、子どもの表情や感情、会話などを具体的に書き込み、保護者の方に伝わりやすい文章を心がけましょう。
③ 保護者への連絡事項
保護者の方への連絡事項も記載します。
- 明日からプールが始まるのでプールセットを持ってきてほしい
- 風邪が流行っているので手洗いうがいを心がけてほしい
- 替えのオムツや着替えを持ってきてほしい
口頭で伝えるだけでは、保護者の方も忘れてしまうため、きちんとお便りや連絡帳に記載しておきましょう。
④ 保護者からの相談、保育士からのアドバイス
連絡帳には、保護者の方がコメントできる項目もあります。そこには、子どもの自宅での様子のほか、保護者の方からの相談や質問が記載されていることもあります。
- 子どもが夜になかなか寝付かない
- 保育園では座って食べるのに家では座れない
- 何をやっても「イヤ」と言ってやってくれない
こうした相談や質問に答えるのも保育士の役目です。保護者の方から相談や質問があったら、連絡帳にアドバイスを書いて不安を取り除くお手伝いをしましょう。
保護者の心に響く!保育士が連絡帳を書くときのポイント
保護者の方と信頼関係を築くためには、対面のコミュニケーションも大切ですが、連絡帳でのやりとりも重要です。ここでは、保護者の方の心に響く連絡帳を書くコツをご紹介いたします。以下5つのポイントを押さえて、実践してみましょう。
丁寧な字と正しい言葉遣いを心がける
連絡帳を書くときは、まず「文字」と「言葉遣い」に気を付けましょう。保育現場は忙しいため、連絡帳も短時間で書かなくてはなりません。だからといって雑な文字では、保護者の方にマイナスな印象を与えてしまいます。字に自信が無い方でも、筆圧と大きさを均等に、読みやすい文字になるよう心がけましょう。丁寧に書かれた文字は、誠実な人柄を印象づけます。また、「めちゃくちゃ」「マジで」など、くだけた言葉遣いもNGです。
トラブルは連絡帳だけでなく口頭でも伝える
事故や子ども同士のケンカなど、トラブルがあった際は連絡帳だけでなく、口頭でもしっかり伝えましょう。連絡帳の連絡だけでは意図が十分に伝わらず、誤解を招いてしまう可能性があります。お迎えの際に対面で保護者の方にトラブルの経緯を詳しく説明して、謝罪しましょう。トラブルの内容を正確に伝えること、直接謝罪することが大切です。
子どもが「新しくできたこと」をしっかり記入
子どもの成長も忘れずにしっかり記録しましょう。
- 保育園で初めて立った・歩いた
- 初めて絵本を指さして「ワンワン」「ニャンニャン」と言った
- 手を叩いて「ちょうだい」ができるようになった
- 「ありがとう」が言えるようになった
- 逆上がりができた
- 給食を完食した
特に、0~1歳児の成長のスピードは早いので、保育園の生活の中で、いくつもの「できた」を目にする機会があるでしょう。その成長を見逃さず、しっかり連絡帳に記入しましょう。また、3~5歳児は「苦手だったけど頑張って取り組んだこと」に注目してもよいでしょう。子どもの成長の喜びを保護者の方と共有することが、信頼関係を築く上で重要です。
ネガティブな内容はNG!ポジティブな内容を書く
連絡帳は保護者の方が読んで楽しく、気持ちが和むような内容を書きましょう。「○○ちゃん、今日はお友だちにおもちゃを貸してあげましたよ!」「今日は一人でトイレができました」など、ポジティブな内容が書かれていれば、保護者の方の喜びになり、子どもへの関心や愛着も深まります。
しかし、「今日○○ちゃんは給食中にふざけていました。家でも注意してください」「今日は○○ができませんでした」なんて書かれていると、保護者の方が子育ての自信を無くしてしまうかもしれません。連絡帳は大切な「思い出」です。見返したとき楽しい気持ちになれるよう、できるだけポジティブな内容を心がけましょう。
保護者からの相談や質問、コメントには必ず返答
保護者の方からのコメントには必ず返答しましょう。保護者の方からのコメント欄には相談や質問が書かれていることもあるため、見逃さずにきちんと答えることが大切です。空欄で返してしまうと保護者の方はがっかりしてしまいます。適切なアドバイスを返し、保護者の方が安心するような言葉や、ねぎらいの言葉も添えましょう。
また、「昨日○○(子ども)が~したんですよ」という自宅でのエピソードなどが書かれていた場合にも、「そうなんですか!○○ちゃんさすがですね」ときちんと反応するのが大切です。連絡帳は「コミュニケーションツール」です。文章が一方方向にならないよう、思いを伝え合うことが大切です。
新人保育士必見!連絡帳で使える例文
文章を書き慣れていない人は、書き出しやむすびの言葉に困ることがあるでしょう。ここでは、連絡帳で使える例文をピックアップしました。新人保育士さんや、連絡帳が苦手な保育士さんは必見です。
書き出しの文章
「いつもお世話になっております。今日は天気がよく…」
「今日は○○(製作・外遊びなど)をしました!」
書き出しはあいさつがあってもなくてもどちらでもOKですが、あいさつを添えた方が丁寧な印象になります。いきなり本題に入るのが不自然だと感じる場合は、天気のことや主活動のことを書き出すのがおすすめです。
子どもの1日の様子
今日はお外が晴れていたので、○○組さんと一緒に水遊びをしました。○○ちゃんはお友だちと一緒に「お魚ごっこ」をして、プールの中をぐるぐると回って、お魚さんになりきっていましたよ。途中でほかのお友だちを自分から誘うこともありました。恥ずかしがり屋さんの○○ちゃんが、「一緒に遊ぼう」と言えるようになったことに、○○ちゃんの成長を感じた瞬間でした!
具体的なエピソードや、子どものちょっとした成長を書くのがポイントです。
保護者のコメントへの返答
自宅での子どものほっこりエピソードに関する回答
- 「さすが○○ちゃん!お家でもしっかり者ですね」
- 「○○ちゃん、お母さま(お父さま)が大好きなんですね」
子どもを褒める言葉や、エピソードに共感する文章を書くとよいですね。
自宅での困ったエピソードに関する回答
- 「それは大変でしたね」
- 「○○ちゃん、おうちだから甘えたい気持ちが出てしまったみたいですね」
保護者の方をねぎらう言葉や、子どもの気持ちに寄り添う言葉を書くと好印象です。
書き終わりの文章
「今日もご機嫌な○○ちゃんなのでした」
「おうちでもたくさん褒めてあげてください」
ポジティブなエピソードをまとめるときに便利な例文です。
まとめ
連絡帳は子どもの健康や成長を記録するだけではなく、保護者の方と信頼関係を築く上で重要なツールです。丁寧な字とポジティブな文章になるよう心がけましょう。
具体的なエピソードの中で子どもの成長が伝わるような内容にするのがポイントです。他の子どもとの関わりや、どんな様子で遊んでいたかを思い浮かべると書きやすくなりますよ。連絡帳が子どもと保護者の方にとって、すてきな「思い出のアルバム」になるといいですね!