保育士のひきだし
2020.07.20
保育園のおたより作りで悩むポイントと文例、コツを紹介
保育士の業務のうち、保護者の方への「おたより」作成に頭を悩ませている方は多いのではないでしょうか。園だよりや、行事のおたよりなど、毎月なにかしらのおたよりを作っていることになり、大変に感じるかと思います。
本記事ではおたよりを作る時に悩むポイントを、構成や書き出しといったテーマに合わせてご紹介いたします。例文も交えてよりわかりやすくご紹介しているので、おたより作りの参考にしてみてくださいね。
おたより作成で悩むポイントと文例
まずはおたよりの作成で悩むポイントを4点あげてみました。
- 構成
- 書き出し
- 内容
- イラスト
この4点を中心に例文を交えてご紹介いたします。
1.おたよりの「構成」
おたよりを作るうえで最初に考えるのが構成。 おたよりの読みやすさを決める重要な部分 です。保育園によっては構成があらかじめ決められている場合もあるので、 いままで発行された保育園のおたよりも参考にしましょう 。
構成案 ①
園児全員に配布される園だよりの構成案をご紹介いたします。
- 挨拶
- その月の行事予定
- 誕生日のお友達の紹介
- お知らせ、お願い
園だよりは園児全員に配布されるので月の行事予定やお知らせなどの簡単な構成が読みやすいです。 あまり盛り込みすぎると、一番読んでもらいたい「お知らせ」や「お願い」の印象が薄くなってしまう ので、重要な点だけに絞って構成しましょう。
構成案 ②
各クラスで配布するクラスだよりの構成案をご紹介いたします。
- あいさつ
- 先月の子どもの様子
- 最近はやっているものや製作
- お知らせ、お願い
クラスだよりには 子どもの様子を中心に書くようにしましょう。保護者の方が子どもの様子を知ることができるので、読んでうれしい気持ちになります。
写真を載せても良いのであれば、より見やすくなりますね。積極的に取り入れましょう。
構成案は一度作っておくと、その後のおたより作りが格段に楽になりますよ!
2.おたよりの「書き出し」
意外と悩んでしまうのが「書き出し」。季節のある情景が浮かぶようなあいさつをつづりましょう。文例をそれぞれご紹介いたします。
季節感のある文例
春
- 満開の桜のもと、暖かく気持ちの良い陽気と共に新しいクラスでの生活がはじまりました。
- 色とりどりの傘の花が咲き、雨の日の登園風景は微笑ましく感じます。
夏
- 青空に緑が映える季節になりました。子どもたちが育てているグリーンカーテンもぐんぐんと伸びて園庭を彩っています。
- 本格的な夏を迎え、プールの水がきらきらと反射しています。
秋
- 子どもたちが木々の色の移り変わりを教えてくれる季節になりました。
- 読書に芸術、そして食欲の秋。みなさんはどのような秋をお過ごしでしょうか。
冬
- 楽しかったクリスマスも終わり、お正月の準備へとあわただしい季節となりました。
- 真っ白に染まった園庭を見て大喜びの子どもたち。雪合戦や雪だるま作りと、元気いっぱいに楽しんでいます。
- 感染症が流行る季節となりました、手洗いやうがいで感染症予防を心がけて、健康に過ごしていきたいと思います。
情景が浮かぶ文例
- ドキドキ、わくわくしながら迎えた新クラス。少しお兄さんお姉さんになった子どもたちがたくましく思えます。
- 連休明けの子どもたちはお土産話に花が咲いています。いきいきとした表情の子どもたちを見ると私たちも元気になります。
- 雨続きの毎日ですが、各クラスから「あめふりくまのこ」の歌が元気に聞こえてきます。
- 子どもたちの大好きなプール遊びが始まりました。水がかかってもへっちゃら!暑さに負けずに元気に楽しんでいます。
- 秋の公園は子どもたちの宝箱、どんぐりや落ち葉を見つけると、目を輝かせて教えてくれます。
- 運動会を終え、また一段と成長した姿を見せてくれた子どもたち。練習の集大成を見届けることができ、私たちも感慨深いです。
- 子どもは風の子というように、白い息を吐きながらも園庭で元気いっぱいに遊ぶ子どもたち。
- 年度の初めは泣きながら登園してきた子どもたちも、今では笑顔で「おはよう」とあいさつをしてくれるようになりました。
3.おたよりの「内容」
そのおたよりで一番伝えたい「内容」を考えましょう。
運動会や発表会といった大きな行事のある月は書く内容にも困らず、むしろ書ききれないときもありますが、特に何もなかった月は内容を探すのが大変です。
日ごろから 子どもたちの様子を観察して、話題になりそうなエピソードは書き溜めておく とおたよりの内容に使えますよ。
何気ない日常の出来事はいざ書こうとすると忘れてしまいがちなので、お昼寝のときなどに自分のメモ帳に残しておくとよいですね。
面白かった、かわいいエピソード
子ども同士の何気ないやり取りのなかにもほほえましいエピソードはたくさんあります。かわいい言い間違いや、発見したこと、お友だちの手助けをしてくれたこと……。
そういった小さな出来事を記録しておくと、おたよりの空いたスペースに「おまけ」として載せる事もできます。
クラスではやっている遊びや歌
保護者の中には、子どもが歌っている歌の歌詞が知りたい!という方もいます。
クラスではやっている歌や、発表会などの行事で歌った思い出深い歌などは、歌詞を一緒に載せてあげると保護者の方も一緒に歌う事ができ、家庭で思い出を共有するきっかけにもなります。
特に「いただきますのあいさつの前の歌」「朝の会や帰りの会で歌っている歌」などは、保護者の方が知りたい歌の1つ。年度初めなどに載せると、1年を通して家庭と保育園とで連携をとることができます。
保護者の方に教えたい!という出来事
「クラス全員が○○できるようになりました!」「みんなで△△つくりに取り組んでいます!」といったクラスで挑戦している事を盛り込むのもよいですね。
野菜を育てている場合には、クラスだよりの一角に「今月のトマト」など成長記録を載せるのも面白いですよ。
子どもたちが頑張っていることを、ぜひ保護者の方と共有しましょう。
最近行った製作の様子
完成した製作物は保護者の方が送迎の時に見ることができますが、作っている過程はなかなか見ることができません。
子どもたちが最近行った製作の様子を記事にすれば、「こんなことしていたんだ!」「こうやって作るのね!」と、家庭で保護者の方と話題にできますね。
もし写真を一緒に載せられるのであれば、一生懸命に取り組んでいる様子が伝えられますね。
食事の様子
子どもたちが食事をする様子も、保護者の方が見ることが少ないので、おたよりなどで知らせるとうれしい内容の1つ。
特に野菜は好き嫌いも多く、家庭で食べずに困っている保護者の方も多いです。
「みんなきれいに完食しました!」という言葉だけでもうれしい気持ちになるでしょう。
栄養士と協力して、クラスで評判が良かったメニューのレシピを載せるのも、保護者の方が食事を作るときの参考になります。
病気の予防でやっていること
感染症が流行る時期に気になるのが、保育園の予防対策です。
手洗いやうがいをしている様子を載せたり、締めに「感染症予防のため換気や消毒を行いながら元気いっぱい過ごしたいと思います」という文章を添えたりしてもよいですね。
ほけんだよりとして 予防対策や流行っている感染症の内容などを載せると、家庭の注意喚起にもつながります。
4.おたよりの「イラスト」
おたよりのイラストは製作するツールによっても異なります。全部手書きでおたよりを書く場合は、手描きのイラストやカット集を使います。
パソコンで作る場合はカット集の画像を取り込んで挿入すると簡単です。パソコンでおたよりを作っていて手描きイラストを入れたい場合の方法もご紹介いたします。
イラスト集を活用する
保育雑誌にもイラスト素材が載っていますが、インターネットでイラスト素材を無料公開しているサイトもあります。
自分が使いたいイラスト素材が無かった場合には参考にしてください。
保育士や子どもといった人物のイラストがたくさんあります。
おたよりに使いやすい季節や行事に合わせたイラストが多くあります。カラーと白黒両方用意されています。
おたより用のイラストを無料ダウンロードできます。行事や月毎にカテゴリーわけされているので、素材を見つけやすいです。
手描きイラストを取り入れる
イラストが得意な人はぜひ自分で描いてみましょう。オリジナリティがあるおたよりに仕上がります。
手描きのイラストをパソコンで作ったおたよりに入れたい場合、 スマホアプリや複合コピー機でスキャンすることで、イラストをパソコンに画像として取り込むことができます 。イラストカットと同じように挿入することができるので、活用してみてくださいね!
おたよりを作るときの注意点
おたよりを読む相手が読みやすいように、おたよりを作るときには以下の点に注意しましょう。完成したおたよりは他の先生に一度確認してもらうと、自分では見落としていた事も気付いてもらえるかもしれません。
誤字脱字に注意する
文章中の誤字脱字には気をつけましょう。おたよりを手書きで書く場合は特に注意です。手書きの場合、字のうまさよりも誤字脱字の方が保護者の方は気になります。 自信のない漢字は辞書で調べるなどして、誤字脱字に気をつけましょう。 また、パソコンで作成する場合でも、思わぬ文字変換をしてしまう事があります。
おたよりに誤字脱字があると内容よりも「間違っていた」ということの方が保護者の方の印象に残ってしまいます。たびたび間違いがあるようでは、「雑にやっている」という印象を与えてしまうでしょう。
パソコンで書類を作るときには、誤字脱字をチェックしてくれるサイトもあるので活用してみてくださいね。
おたよりができあがったら他の先生にチェックしてもらうとよいでしょう。
見出しをつけてわかりやすく
見出しのない文章だけのおたよりは読みにくく、わかりにくいです。 おたよりには見出しをつけて、内容を整理しましょう。
見出しを大きくしたり、フォントを変えてみたり、もしカラーで作る場合には色を変えたりするとよりわかりやすくなります。各コーナーで面白い見出しがあると、読み手の意欲がそそられるので、積極的に取り入れてみてくださいね。
文字の間隔や長さを気にしてみる
行間が詰まっていると、息苦しい雰囲気になってしまいます。また、一文が長いと読みにくく、だらだらとした印象に。
行間に適度なゆとりをもたせ、文章をわかりやすく簡潔にしたりすると、より読みやすいおたよりになります。 文章の行間だけではなく、見出しの前後にも間をあけると、メリハリがでますよ。
伝えたいことは毎回同じ場所で紹介
「お知らせ」や「今後の行事」などは毎回決まってお伝えする内容です。毎回バラバラの場所になっていると、目に留まりにくく、なかなか読んでもらえなくなってしまいます。
たとえば、毎回定番の内容ならページの最後にまとめるなどにしておくと、保護者の方も見落としが少なくなります。
まとめ
今回は保育士の業務の中でも頭を悩ませることが多い、おたより作成についてご紹介いたしました。保育園によって手書きだったり、パソコンで作ったりと対応が違うので、まずは過去のおたよりを参考に、自分が作りやすいようにパターンを決めておくとぐっと作業が楽になりますよ。
保護者の方にとっては、毎月発行されるおたよりは、園でのわが子の様子がわかる楽しみの1つ。シンプルに簡潔にまとめつつも、クラスのエピソードや写真、イラストなどで装飾すると保護者の方に伝わりやすく、良い印象を与えてくれます。
保育園やクラスならではのおたよりを作成してみてくださいね。