おやこのひきだし
2020.07.15
「初めての自転車」の選び方と練習方法
小さな子どもがいるパパやママは、「何歳から自転車に乗る練習をさせたらよいのだろう」と悩む人も多いことでしょう。早く補助輪なしの自転車に乗りたがる子どももいますが、年齢に合った自転車の選び方や、練習方法がわからないことも多いのではないでしょうか。
この記事では、初めての自転車の選び方や、年齢別のサイズ選び、練習方法をご紹介いたします。
子ども用自転車の種類
まずは子ども用自転車の種類を確認しておきましょう。子ども用自転車には、主に次の3種類があります。
ペダルがない自転車
ペダルがついておらず、足で地面を蹴って走らせるタイプの自転車は、「キックバイク」と呼ばれています。キックバイクの代表的なメーカーが「ストライダー」です。キックバイクの対象年齢は、1歳半〜2歳くらいから5〜6歳くらいまで乗れるものが多いです。対象年齢は商品によって異なりますので、購入前に確認しておきましょう。
【参考】ストライダー公式サイト
昔に比べると、最近の子どもは自転車に乗れるようになる年齢が早くなっているそうです。その理由はいくつか考えられるのですが、大きな理由としてキックバイクの普及が関係あるのではないかといわれています。
キックバイクにはベダルがないため、またがって自分の足で地面を蹴って進ませます。このことによってバランス感覚が養われるのが大きなメリットです。キックバイクを乗りこなしていると、補助輪なしの自転車への移行がスムーズで、早い時期に自転車に乗れるようになる子どもが多いといわれています。
補助輪付きの自転車
補助輪付きの自転車は、基本的に倒れないという安心感があります。ペダルがない自転車は転倒する恐れがありますが、補助輪付きの自転車ならよほどのことがない限り倒れる心配はありません。また、進むときはペダルを踏み、止まるときはブレーキをかけるので、補助輪なしの自転車のイメージがつきやすいというメリットもあります。
補助輪なしの自転車
最終的には大人と同じように補助輪なしの自転車に乗る練習をします。補助輪なしの自転車に乗る練習はいつ頃から始めたらよいかと悩むものですが、日本トイザらスが20代~50代の男女1638名を対象に実施したアンケート「自転車に関する調査」によると、子どもの自転車デビューの平均年齢は4.9歳だそうです。最も多い年齢が5歳(28.3%)、次に4歳(24.6%)、その次が6歳(23.6%)です。
昔に比べるとインチの幅が広がって小さな子どもが乗りやすい幼児車が増えたこと、サドルを低くできる自転車が増えて小さな子どもでも足が地面につく自転車が増えたことなどによって、子どもの自転車デビュー年齢が下がっているようです。また、先ほども触れましたが、キックバイクが普及したことも子どもが早く自転車を乗りこなせるようになったことに関係しているといわれています。
【参考】【自転車に関する調査結果ご報告】子どもの自転車デビューの年齢が平均年齢5.7歳→4.9歳に
初めての自転車の選び方
子ども用の自転車を選ぶときは、いくつかのポイントがあります。初めての自転車を選ぶときは、次のことをポイントにしましょう。
子どもの身長に合わせたサイズを選ぶ
自転車は安全性を考えて、子どもの身長に合ったものを使わせることが大切です。身長に対して自転車のサイズが大きすぎると、地面に足が着きません。自転車にまたがったまま固定させることが難しいため、子どもが恐怖心を抱く可能性があります。恐怖心を克服できなければ自転車に乗るのは難しいため、乗りこなすまでに時間がかかるかもしれません。
何より一人で自転車を支えて乗り降りできなければ、転倒する危険性があります。安全性を考えて、サドルを一番低く下げたときに、両足が地面に着くサイズを選びましょう。
安全性が高い自転車
低価格の自転車の中には、品質が低く、故障しやすいものもあります。安全な自転車を一目で見分けるには、「BAAマーク」を確認しましょう。一般社団法人自転車協会は、「自転車安全基準」を制定し、合格した自転車にはBAAマークのシールを貼付しています。BAAマークが貼られているものは、安全性が保証されていますので、必ず確認しておきましょう。
子どもが気に入ったデザイン
自転車に乗ることが楽しくなるように、子どもが気に入った色やデザインを選ぶこともポイントです。自分で選んだデザインの自転車なら、乗ることが楽しくなるでしょう。候補を決めて、「どれがいい?」と選ばせてはいかがでしょうか。
ヘルメットも用意する
子どもが自転車に乗るときはヘルメットを着用させなくてはいけません。道路交通法で幼児と児童のヘルメット着用が努力義務と定められています。ヘルメットをかぶっていれば、自転車が転倒したときに頭を守ってくれます。子どもをパパやママの自転車に乗せるときもヘルメットは必要なので、すでに持っているかもしれませんが、これから購入する場合は「SGマーク」がついていることや、サイズが合っていることを確認して選びましょう。
また、手のひらや肘、膝などのプロテクターも販売されているので、ヘルメットと合わせて使用することで練習中の怪我を防げます。
年齢別の自転車のサイズ・練習方法
子どもの自転車は、安全のためにも身長に合ったものを選びましょう。長く乗れるように大きすぎるサイズを購入すると、足が届かず危険です。身長に合ったものを選び、数年おきに買い替えましょう。ハンドルに膝が当たって窮屈になってきたときや、サドルを上げても地面に着いた足の膝が曲がるようであれば、買い替えの時期です。
自転車のサイズは「インチ」で表されます。年齢別のサイズの目安や練習方法についてご紹介します。自転車のサイズに対応する身長や目安年齢はメーカーによって多少異なりますので、購入するときは必ず確認しておきましょう。
2〜6歳
キックバイク(ペダルなし自転車)や補助輪付きの自転車で自転車の練習を始めたり、補助輪なしの自転車をマスターしたりするこの時期。幼児におすすめのサイズと練習方法をご紹介します。
サイズは12〜16インチ
2〜6歳の幼児には、12〜16インチが目安です。
- 12インチ…目安身長85〜105cm前後、目安年齢2〜4歳くらい
- 14インチ…目安身長95〜110cm前後、目安年齢3〜5歳くらい
- 16インチ…目安身長105〜120cm前後、目安年齢3〜6歳くらい
自転車に慣れることが目標
まずは自転車に慣れることを目標にして練習を始めましょう。子どもは大人のような体力がありませんし、集中力も続きません。自転車は怖いと思うと練習も進まないでしょう。まずは楽しみながら自転車に慣れていきましょう。
足で蹴る練習
足で地面を蹴って走らせることで、バランス感覚を養えます。キックバイクがあれば、両足で蹴って乗る練習がしやすいでしょう。また、自転車で練習させる場合は、補助輪やペダルを取り外すと足で蹴る練習がしやすいです。サドルを下げ、両足が完全に地面に着く高さにしておきましょう。
4歳〜11歳
幼稚園から小学校高学年のこの時期は、ほとんどの子どもが自転車を乗りこなせるようになります。
18〜24インチ
4歳〜11歳の目安サイズは18〜24インチです。それぞれのサイズの目安身長や年齢は次のようになっています。
- 18インチ…目安身長110〜125cm前後、目安年齢4〜8歳
- 20インチ…目安身長115〜130cm、目安年齢5〜9歳
- 22インチ…目安身長120〜140cm、目安年齢6〜11歳
- 24インチ…目安身長125〜155cm、目安年齢7歳以上
補助輪を外してバランス感覚を養う
自転車に乗れるようになる年齢は4〜6歳が多いです。補助輪がない自転車を乗りこなすために、バランス感覚を養いましょう。早くバランス感覚を身につけるためには、ペダルを外して練習するのがおすすめです。地面を足で蹴ったら足を上げてバランスを取って進む練習を繰り返しましょう。バランスを取りながらカーブを曲がれるようになれたら、自転車をコントロールできるようになったと判断できます。ペダルをつけて、漕ぐ練習に進みましょう。
また、ペダルをつける前にブレーキを使う練習もしておいてください。ブレーキを使えず、足を地面につけて止まろうとすると、けがにつながる恐れがあります。とくにキックバイクしか乗ったことがない子どもは、足で止まる習慣がついていますので注意しておきましょう。
ペダルを漕ぐ練習
自転車のバランスが取れるようになれば、いよいよペダルを漕ぐ練習です。まずはスタンドを立てた状態で漕ぐ練習をしましょう。慣れたらスタンドを外して練習してください。ペダルには重みがあるので、最初はスムーズに漕げないかもしれません。その場合はパパやママがサポートしてあげましょう。
また、ペダルを漕げるようになるだけでなく、一人でスタートできるようになるための練習も必要です。自分でスタートするには、次の2通りの方法があります。
- 右のペダルを1番高い位置にし、右足を乗せて力強く踏み込む
- 右のペダルを1番低い位置にして右足を乗せ、左足で地面を蹴って勢いをつけてから両足で漕ぐ
1の方法はパワーとバランスが必要なので、子どもにとってまだ難しいようであれば、2の方法で練習しましょう。
7歳以上
7歳以上になると自転車に乗れる子どもが増えます。一人で自転車に乗って出かける機会もあるでしょう。親の目の届かないところでも安全に乗れるように、しっかり練習をしておいてください。
24インチ
7歳以上になると、自転車の買い替えを考える時期が訪れるでしょう。7歳以上であれば、目安身長が125〜155cmで、子ども用の自転車としては最も大きいサイズの24インチも選べます。24インチといっても子ども用と大人用が存在しますので注意して選びましょう。
自転車の操作性を高める
小学生になると行動範囲も広がり、一人で自転車に乗って出かける機会も増えてきます。安全に乗れるように、自転車の操作性を高める練習をしておきましょう。公道を安全に走るためには、「バランス感覚」「ハンドル操作」「ブレーキ」の3点がポイントです。目印を置いてまっすぐ走る練習やS字に曲がる練習、目印の手前で止まる練習などをしておきましょう。
子どもに自転車の練習をさせるときのポイント
短時間の練習で、すぐに補助輪なしの自転車に乗れる子どももいれば、練習に時間がかかる子どももいます。子どもに自転車の練習をさせるときに気をつけておきたいポイントを2つご紹介いたします。
まずは親が見本を見せる
口で説明するよりも、まずは見本を見せることが大切です。「これくらいわかるだろう」と思わずに、パパやママが自転車のまたがり方から丁寧に見本を見せてください。
上達したらほめる
子どもはパパやママに褒められると嬉しくて、やる気が出てきます。少しでも上達したらほめることで、自転車が大好きになり、上手に乗れるようになるでしょう。転倒への恐怖で、最初はスムーズに乗れない子どももいます。子どもにプレッシャーを与えると自転車嫌いになる可能性もあるので、焦らずゆったりした気持ちで練習させましょう。
まとめ
子どもの年齢や身長に合った自転車を選び、段階を踏んだ練習方法を取ることが、スムーズに自転車の乗り方をマスターするコツです。まずはバランス感覚を身につけることから始めてみましょう。
また、自転車に乗れるようになる年齢には個人差があります。練習に時間がかかっても親が根気よく見守ることが大切です。少しでも上達したら褒めてあげることが子どものモチベーションを高めますので、親子で楽しく練習してください。