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おやこのひきだし

2020.07.15

子どもが習字を習うメリット・デメリット。習字教室の月謝や選ぶポイントなどをまとめて紹介

習字は今でも人気の習い事ですが、子どもを習字教室に通わせるか悩んでいる方は多いのではないでしょうか。英語教室やパソコン教室に比べると地味な印象があるかもしれません。しかし習字を習っていると大人になってから役に立つ機会がたくさんあります

本記事では、習字教室に通うメリット・デメリットや、習字教室の月謝の相場、習字教室を選ぶポイントをご紹介いたします。

 

習字を習うメリット・デメリット

【メリット1】集中力がつく

習字教室はやはり教室がとにかく静か。みんな一画一画に集中して、丁寧に書こうとしています。入学前や低学年のうちはひらがなや簡単な漢字をのびのびと元気に書こう!という指導のもと、子どもに文字を書く楽しみを感じてもらうことが大きな目的です。年齢が上がるにつれて、筆圧を調整できるようになり、お手本にならい、画数の多い漢字にも取り組みます。

高学年から中学生以上になると、熟語や短冊を使うようになり、習字というよりも「書道」という分野に入っていきます。この領域になると、筆や硯を上手に使い、自ら集中力を高めることができるようになります。

 

【メリット2】礼儀を学ぶ

近年の習字教室では畳に正座をして書く事は少なくなっています。しかし、たとえ椅子であっても腰骨を立て、姿勢正しく座ることから習字は始まっています。大人にとっては、言われたとおりに姿勢よく座ればいいだけなので、難しくはないと思うかもしれません。しかし、入学前後の子どもたちにはこの姿勢を保つことがなかなか難しいのです。

習字教室では、正しい姿勢で座ることが礼儀であると学び、周りのお兄さん、お姉さんの様子を見ながら自然と身につくようになるでしょう。

教えてもらう立場として、背筋を伸ばす。このことは、習字だけでなく、今後のあらゆる学びの中できっと役に立ちます。習字では、大人も忘れかけていた礼儀や忍耐を学ぶことができるでしょう。

 

【メリット3】きれいな文字の習得

大人になると文字を手書きする機会はかなり減ってしまいます。パソコンやスマホに慣れすぎて漢字がなかなか浮かんでこない、ということもよくあります。しかし、たまに目にする直筆のメモやお便りに、はっとすることはないでしょうか。

また、印字された書類でも氏名は直筆という場合がほとんどです。意外と文字の印象は心に残るので、「この筆跡は〇〇さん」と覚えられていることもありますね。「字は体を表す」「書は人なり」と言われるように、美しい文字が書けると、相手の気持ちに響き、好印象を与えるきっかけになります。

大人向けのペン字練習帳が大ヒットしています。今も昔も美しい文字を書くことができる大人は一目置かれるでしょう。

 

【デメリット1】服についた汚れが取れにくい

墨汁が服についてしまうと、洗ってもなかなかきれいには落ちません。高学年になると服を汚すことは少なくなりますが、それでも思わぬ墨汁のはねがまったくなくなるわけではありません。

まして習字を習い始めたばかりの子どもは、教室の雰囲気や慣れない道具に囲まれて、姿勢の維持や集中など気にする事がたくさんあります。そこに加えて服を汚して怒られるのはなかなかかわいそうですね。

習字を習い始めたら、お稽古には黒い服を着ていく、スモックなどの羽織り物を持参する、習字用に汚れても構わない服を用意するなど、習字に思い切り臨めるような服装を用意してあげると良いでしょう。

 

【デメリット2】今さら習字は不要と考える方もいる

字をきれいに書くことより、英語に触れる時間を増やした方がいいのではないか、と考える方もいることでしょう。確かに英語ができると将来ビジネスの幅が広がります。

しかしながら、書道は外国で人気の文化の一つです。文字や言葉の意味が伝わらなくても、書道には芸術的な表現力があるので、コミュニケーションのツールとして役に立つかもしれません。

 

習字教室ではどんなことをする?月謝や必要なものは?

習字教室のカリキュラム(硬筆・毛筆、昇級・昇段について)

習字教室と一言に言っても、硬筆(鉛筆やペン字)と毛筆どちらかしかやらない教室と、一度のお稽古でどちらも教えてくれる教室があります。子どもがやりたいことを選択するのが一番ですが、硬筆と毛筆の両方を教えてくれる教室を選ぶのも良いでしょう。

硬筆を続けていると、ノートの字もうまくなり、学校の先生や周りの友達に褒めてもらえる機会も増えてきます。「習っていて良かったな」「これからもがんばろう」という自信につながりやすいので、ぜひ候補に入れてみてください。

また、習字教室では級や段で自分の到達度がわかります。ピアノやダンスなどの習い事の場合、長く続けていてもどれだけ上手になっているのかが分かりにくいのですが、習字やスイミングのように昇級制度がある習い事は子ども自身も上達が分かりやすく、励みになるものです

書道は目標が立てやすく、学校生活の中でも人の目に留まりやすいので、子どもも夢中になるのではないでしょうか。

習字教室の月謝や、通うためにそろえるもの。

習字教室の月謝は3,000円台(週1回)が平均的です。プールや体操教室などは7,0008,000円台、ピアノは6,000円台からが多い中、非常に続けやすい金額といえます。

先生の自宅で行われているようなお教室の場合はもう少し安価(月謝2,000円台や、1回数百円など)で習えることもあります。そのような場合は昇級制度を取り入れていなかったり、作品展などの機会は少なかったりするので確認しましょう。

一般的な習字教室は公民館などで開かれていることが多く、習字教室のために割り当てられている時間の間で都合のよい時刻に部屋に入り、その日の課題を書き始めます。課題が書けたら挙手をし、先生が巡回して手直しをしていただく、または教卓へ持参して添削をしていただく、というのを何回か行うことが主な内容です。

習字教室に通う際は、はじめに道具一式を購入する必要があります。大手の教室の場合は入会の際に購入の案内があり、キャンペーン時や見学の際に申し込むと道具一式をプレゼントしてもらえる場合もあります。今はバッグのデザインがさまざまなので、好きなものを選ぶことでお子さんもやる気が一気にアップしますね。

小学校3年生になると学校で毛筆の授業があるので、習字セットが既に手元にあるお子さんもいるでしょう。先生もそのことは把握していますので、教室で必要な物品だけを購入することもできます。

いつから通うのがベスト?

習字を始める時期は、音楽やスポーツのように早い方が良いという訳ではありません。第一に自分の名前も読めないようでは文字を書くに至りません。まずは良い姿勢で座れること、ひらがなであれば五十音の読み書きができるくらいであれば、子どもに負担も少なく、楽しく通い始められるでしょう。何より子ども自身の興味関心が大切です。

近年は公文や音楽教室など、就学前の子ども向けの教室で習字を教えている場合もあります。そういった教室では講師も子どもに慣れているので、安心して通わせることができます。

また、一般の習字教室で大人も受け入れている場合は、親子で通うこともできます。親子で一緒の習い事をするのも新鮮でおすすめです。

 

習字教室を選ぶポイント

通いやすさ、教室規模、先生の人数、相性

子どもの習い事はどんなものでもまずは「通いやすさ」です。電車や車を使うのは負担になってしまうかもしれません。徒歩や自転車で通うことのできる場所がよいでしょう。特に兄弟姉妹がいる場合は、習い事の送迎の際、お留守番をさせたり一緒に連れ歩いたりするなどの調整も必要になります。放課後の習い事なら夕食の時間にも関わってくるでしょう。お子さんがある程度成長したら一人でも通えるような距離で合う教室がないか探すのが一番です。

習字教室によってばらつきが大きいのが教室の規模です。一度にどのくらいの人数を受け入れていて、先生は何人いるのか、見学の際に必ず確認しましょう。教室が大きい割に先生が一人二人の場合、指導を受けるのに順番待ちになってしまって、時間ばかりがかかってしまいます。しかし、ひとつの教室に先生の数が多いのも、指導にばらつきが出ることもあるためおすすめしません。

先生の話し方や雰囲気が子どもに合っているかどうか、そこに通う子どもたちがいきいきと習字に取り組んでいるか、そして何より見学をした子どもが「通ってみたい!」と思っているかで教室を選ぶと良いでしょう。

長く習うなら会派(流派)にも気を付けよう

先に述べた通り、習字はやがて書道にもつながり、それは茶道、華道などにも似ているところがあります。芸術を求めて自由でありながらも、ある程度の型や作法があり、会派(流派)も存在します。

会派はそれぞれ美しい文字を目指していることに変わりはありませんが、普及や指導の歴史が異なり、また規模も違います。小学生の習い事のうちは通いやすさ、先生との相性で決めても構いませんが、高学年や中学生になって段位や師範を目指したいという気持ちが出てきたら、どのような会派があり、自分に合っているのはどの会派か見極めることも大切です。

まとめ 

近年では、パソコンやスマホなどを使ってメールを打つのが当たり前になっていますが、どんなにテクノロジーが進んでも、気持ちを伝えたい時に筆やペンで書き留めるというのは、日本の文化と言えます。

「文字なんて書いてあることが分かればよい」と思わず、大切な文化として子どもたちに習わせてあげたいものですね。


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