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おやこのひきだし

2020.04.17

子どもとの会話が少ない?子どもとの会話を増やすポイント

子どもに対して「何を話せばいいの?」「会話がうまく成り立たない」などの悩みはありませんか?今回は、「子どもとの会話が少ない?」と心配する親御さんに向けて、子どもとの会話を増やすポイントをご紹介いたします。会話を楽しむポイントを押さえれば、今からすぐに実践できますよ!

子どもはいつから会話ができる?

はじめに、子どもの一般的な言葉の発達をみていきます。

子どもとの会話は何歳から?

個人差がありますが、子どもは1歳~1歳半くらいに「んまんま」「だーだー」などの「喃語(なんご)」を発します。1歳の終わりから2歳頃には自分の名前を覚え、大人が言う「(シールを)ペッタンしてごらん」などの簡単な内容を理解します。

この頃には、例えば(親)「これ、なあに?」(子)「ちったっち!(新幹線)」のように、発音がうまくできなくても会話が成立するようになります2歳を過ぎると単語をどんどん覚え、「ワンワン、ねんね」「てーび、みう(テレビ見る)」などの簡単な2語文を話し始めます。

3歳になるとさらに単語の数が増え、長い文章も流ちょうに話します。記憶力や表現力も豊かになり、自己アピールも上手になります。

会話が成立!感動を記録に

「言葉での交流」は、発育の大きなステップアップと言えますね。おしゃべりを始めた頃の会話は、ぜひ撮影をしたりメモに残しておきましょう

例えば、まだ発音がうまくできない頃の(子)「◇◇くん、おなかすいた」(親)「そろそろご飯食べる?」(子)「ぱえるー(食べる)」。(子)「ここ、いたい」(親)「どうしたの?」(子)「てーぶぶ(テーブル)、ぶちゃかった(ぶつかった)」など。

たどたどしさはあるものの、会話ができた感動は大切な思い出として記録を残しておきましょう。

子どもが会話できるようになると、どんな変化があるのか

会話によって子どもと意思の疎通ができると、楽しいですね。普段の生活の中で、子どもと会話できるようになると、どんな変化があるのでしょうか。

子どものボキャブラリーが増える

子どもは、単語の意味やイントネーション、表現や表情など、身近に接している人のまねをしながら吸収します。2歳くらいの子どもがおままごとをしているとき、「△△しなさい!」「あ~もう何やってるの」などの言葉を発して、苦笑いをした親御さんも多いのではないでしょうか。

「そんな言葉、どこで覚えたの?」とびっくりするくらい、子どもは大人の会話を聞き、表情を見ています。小さい頃から積極的に話しかければ、子どもはどんどん言葉を覚えて自分のものにしていきます。

家族の信頼関係を築ける

家族の会話が増えると、お互いの考え方や感じ方を理解して深く知り合えます。会話の中で、あいづちを打ったり楽しいことに反応して笑顔を見せれば、「話を聞いてくれる」という安心感や信頼感を子どもに与えます。

毎日の会話を積み重ねて家族の関係は一層深くなり、より固いきずなで結ばれるのです。

コミュニケーション力を養う

会話はキャッチボールに例えられるように、片方ばかりが投げたり、両方が同時に投げたりしては成り立ちません。また、方向も考えず力任せに投げると、相手を傷つけてしまうことになるでしょう。タイミングや強さ、方向も考えてボールを投げれば、楽しいキャッチボールが続きます。

人は会話を通して人間関係を築いていきます。コミュニケーション力は、毎日の会話の中でコツコツと培われていくのです

家庭以外の様子がわかる

幼稚園や保育園、祖父母の家など、親が知らないところの子どもの様子も気になりますね。子どもに1日の楽しかったことや大変だったこと、外の様子など聞いてみてください。おしゃべりが好きな子どもであれば、「早くパパやママに知らせたい!」とワクワクしているかもしれません。

親が焦って質問攻めにしたり失敗を責めたりせず、子どものペースでゆっくり話を聞く余裕を持ちましょう。ただし、子どもが集中して遊んでいるときや、話したがらないときには無理に聞き出す必要はありません。

子どもと会話をする際の3つのコツ

次に、子どもと楽しく会話するためのコツを3つご紹介いたします。

①     会話の時間を作ろう

忙しい毎日でも、散歩や買い物、食事や入浴、寝かしつけなどのタイミングで会話の時間を作れます

ただし、後にご紹介するNGの対応にも気を付けながら、子どもが「話したい」という気持ちに寄り添って聞きましょう。どうしても手が離せないときは忙しい理由を伝え、後で必ず聞くようにしてくださいね。

②     目を見てゆっくり

子どもと会話をするときは、目を見ながら話しましょう。特に立ったままでは、親が見下ろして子どもが見上げることになります。なるべく子どもの目線までしゃがみ、目線を合わせて会話をしましょう。

大人同士の会話でも、こちらが話しかけたときに目を合わせなかったり、体を背けたままでは不信感を抱いてしまうでしょう。楽しい会話を成立させるには、大人も子どもも違いはありません。さらに、子どもが理解できるようにゆっくり話すこともポイントです。

③     共感してほめよう

子どもと楽しい会話をするには、親が聞き上手になることです。子どもが話すときには、大げさなくらいのあいづちや驚き、子どもが言ったことを反復するなどして共感の気持ちをわかりやすく伝えるようにしましょう。「話を聞いてもらえた」「共感してほめてもらえた」と感じれば、子どもはどんどん会話をしたくなり、単語の数が増えて表現力も養われます。

また、聞き上手な親のまねをして、「へ~そうなんだ!」「すごいね!」「大変だったね」と共感の言葉も覚えます。子どもがほかの人の話を聞くときには、これらの言葉を活用し、楽しいコミュニケーションが広がるでしょう。

子どもとの会話~これはNG!

続いて紹介するのは、子どもと会話をするときに避けるべき対応の一部です。大人の会話でもよくあることなので注意しなければいけません。

ながら聞きや無関心

スマホやパソコンが欠かせない生活では、「フォロワーさんに返信しなきゃ!」「アップする画像を加工して……」とやりたいことがたくさん。最新のニュースや話題もチェックしたいですね。しかし、子どもが話しかけたときに親がスマホに気を取られ生返事では、子どもは会話をする意欲がなくなってしまいます。

さえぎる・結論を急ぐ

言葉を覚えたての子どもは、「えーっと、えーっと」「あのね、あのね、〇〇がね」などと話が進まないこともしばしば。このようなときに「もー何が言いたいの!」「結局は△△なんでしょ!」などの対応をしていないでしょうか。子どもが一生懸命に考えて話そうとしているときには、最後まで忍耐強く待ち、聞く姿勢を心がけましょう。

否定や命令

子どもの会話には、間違った言葉遣いや言い回しもあるでしょう。教育のつもりで、ついつい「ダメじゃないの」「どうしていつもそうなの」「〇〇しなさい!」などと言いたくなるかもしれません。しかし、威圧的な態度や命令が続くと、子どもが萎縮して会話を恐れてしまうかもしれないので注意してください。

質問する際の注意点

通園している子どもに、1日の出来事を聞きたいあまり「楽しかった?」「うまくできた?」などの問いかけをしがちです。しかし、これらはよい結果を求める質問のため、つまらなかったとき、失敗したときにはうまく答えられません。また、「どうだった?」という質問をされると、何から話してよいかわからないと困らせてしまうかもしれません。

子どもとの会話の具体例

普段の何気ない会話の中にも、気を付けたい点がありましたね。それでは、最後に子どもの楽しい会話を引き出す具体例をご紹介いたします。

遊びの中の会話

言葉を覚え始めた頃の子どもが大好きな「ごっこ遊び」。あこがれのヒーローになったり、優しいママになったり、自由な空想の中で遊びを展開します。親も空想の世界に入りながら、例えば「あそこに困っている人がいます!」「大変!雨が降ってきたから洗濯物を入れなきゃ!」など、次の状況がイメージできる声掛けをしましょう。

また、絵本も楽しい会話が広がるチャンスです。物語の途中でも、「これはなあに?」などと話かけてみましょう。反対に、子どもから「〇〇ちゃんも食べたことあるよ」と言う場面があるかもしれません。たとえそれが違っていても、「そう!どんな味がした?」と会話がふくらむ質問をしてみてくださいね。

外出したときの会話

外出は、家の中とはまた違った世界に触れられます。散歩のときは、外の世界に触れる子どもの感性を大切にし、会話につなげましょう。例えば、「この石は、おにぎりみたいだね!」「アリさんは、葉っぱを運んでどこに行くのかなぁ」など、大人もワクワクするような展開がよいですね。

花屋さんの前では「きれいなお花がいっぱいだね」「どの色が好き?」、乗り物の中では、「次は〇〇駅だって」「あ、ベビーカーの赤ちゃんが乗ってきたよ」など。また、外出はマナーを教えるチャンスです。公共の場での振る舞いやあいさつなど、少しずつ親が見本を示しながら伝えましょう。

質問をするとき

子どもに何かを尋ねるときには、「これはどうやるの?」「そのとき、どう思った?」など、答えやすいよう導くのもポイントです。ただし、1日の出来事を聞くときには「今日は疲れたでしょう?」「雨が降って大変だったね」「〇〇の歌、ずいぶん覚えたね」などに留めて、完ぺきな答えを期待しない方が無難です。

また、ときには子どもも話をしたくない日もあるでしょう。お友達とけんかをしたこと、給食をこぼしたことなどは、内緒にしたいかもしれません。いつもと様子が違うときには無理に聞き出さず、園の先生などに尋ねてみましょう。もし、子どもが言いにくい内容を素直に話してくれたときは、「教えてくれてありがとう」と伝えれば、子どもも安心します。

子どもと楽しく会話をしよう

今回は、子どもとの会話が少ないかも……と心配している親御さんのために、子どもとの会話のコツとNGの対応、楽しい会話を引き出す例などをご紹介いたしました。

子どもとの会話は、ゆっくり向き合い最後まで聞いて共感することがポイントです。楽しい会話を引き出すには、次の展開が期待できる声掛けができるとよいですね。子どもの感性を大切にしながら、たくさんの会話を楽しみましょう!


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