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保育士のひきだし

2019.11.07

「幼児教育・保育英語検定」とは?これからの保育士に注目の資格

子どもたちへの英語教育の重要性が再認識される中、英語教育を取り入れる保育園や幼稚園が増えてきました。また、多国籍化が進み、保育園や幼稚園に通う外国籍の子どもも少なくありません。そういった英語教育の未来をみすえ、保育士や幼稚園教諭に必要な英語力を養うために実施されているのが、幼児教育・保育英語検定です。

保育士としてスキルアップしたい、子どもや保護者の方と英語でコミュニケーションを取りたい、という方へ。気になる内容や難易度、実施日や受験料、取得できる資格、そして資格取得後の働き方も含めてご紹介いたします。

保育英語検定とは

保育英語検定とは、保育園や幼稚園でのグローバル化に対応できる保育士や幼稚園教諭の養成を目的に実施されている民間の検定試験です。運営元は、「一般社団法人 幼児教育•保育英語検定協会」。2018年の保育所保育指針の改定などを受け、2019年より保育英語検定から「幼児教育・保育英語検定」に名称が変更となりました。略称として「幼保英検」とも呼ばれています。

試験内容は、子どもとの会話や保護者対応など、保育の現場に焦点をあてたものであることが特徴の1つ。そのため、子どもや保護者の方とのコミュニケーションや、園での英語教育に活かすことができます。また、自分の英語力が検定により評価されることで、保育士としてのスキルアップや活躍の場を広げることにもつながります。

難易度と合格率

幼児教育・保育英語検定のレベルは、「入門レベル」である4級から「専門レベル」である1級まで、5段階で構成されています。難易度は級によって異なり、自分のレベルに合わせた試験を選べることも特徴の1つです。それぞれの級の特徴、合格率を見ていきましょう。

1級から4級まで5段階の構成

幼児教育・保育英語検定のレベルは、1級、準1級、2級、3級、4級の5段階に分かれています。1級が最も難しく、4級が最も易しい試験です。級によって、一次試験のみの級と一次試験合格後に二次試験に進む級があります。また、一次試験の中でも筆記試験だけの級、リスニングの出題もある級、筆記試験では、選択式のリーディングのみ出題される級と、英作文のライティングも出題される級など、難易度によって出題内容が異なります。リーディングの出題は、全ての級に共通して4肢選択のマークシート形式です。それぞれの級の特徴をご紹介いたします。

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幼児教育・保育英語のエキスパート。大学上級程度の問題が出題されます。試験内容は一次試験として筆記とリスニング、二次試験としてスピーキングパフォーマンスがあります。一次試験に合格した方のみ、二次試験に進むことが可能です。

筆記試験は、リーディングとライティングの2種類。リーディングは選択式や穴埋めの問題で、ライティングは指定された場面についての英作文の作成です。

スピーキングパフォーマンスでは、クラス担任という立場を想定して、指定された場面においての、プレゼンテーションを行います。指定される場面は、保護者会や個人面談、保護者の方へのお知らせなどさまざま。英語のスキルだけではなく、保育士として必要なコミュニケーションを想定したパフォーマンスができるか、という部分が重要です。

また、面接官からの質問に答えるという出題もあります。面接官とのやり取りは全て英語で行いますので、英語を聞き取る力と自分の意見を適切な英語で伝える力が求められる試験です。

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クラス担任の補助的立場である、アシスタントティーチャーへの指示ができる保育士としての英語力が求められます。試験の難易度は大学中級程度。1級の試験と同じく、一次試験に筆記試験とリスニング、二次試験にスピーキングパフォーマンスが用意されています。

一次試験の出題形式は1級の試験と同じですが、二次試験の場面想定が1級とは異なることが特徴です。準1級のスピーキングパフォーマンスでは、5歳児クラスのアシスタントティーチャーとして、園児に教えたり伝えたりする場面を想定してパフォーマンスを行います。担任とはまた違った立場を理解して、英語を扱うことが大切です。

1級の試験と同じく、面接官からの質問に答えるという出題もあります。

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英語を扱うアシスタントティーチャーへの第一歩を踏み出すことを、目的としています。試験の難易度は高校中級から卒業程度。試験内容は筆記試験とリスニングで、二次試験はありません。筆記試験はライティングはなくリーディングのみで、選択問題や穴埋め問題が出題されます。入園の相談への受け答えや病気やけがの対応など、普段の保育から一歩進んだ対応が求められる出題があることが特徴です。

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英語が必要とされる保育園や幼稚園に勤務することを目的としています。試験の難易度は中学卒業程度。2級と同じく、リーディングのみの筆記試験とリスニングが出題されます。出題形式も2級と同じですが、登園時や降園時の対応、室内遊びなど、通常の保育での場面を想定した出題であることが特徴です。試験勉強をしながら、実際に保育で使う英語を学ぶことができます。

                                                                              

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保育英語習得の第一歩として、挑戦したい試験です。試験の難易度は中学初級から中級程度。試験内容は、リーディングの筆記試験のみでリスニングはありません。出題形式は、2級や3級のリーディングと同じですが、初歩的な単語やフレーズを使ってコミュニケーションができることに重点をおいています。以前はインターネットで受験ができる5級の試験がありましたが、現在はなくなり4級が1番易しい試験です。

合格率は平均して40%~50%ほど

幼児教育・保育英語検定の合格率は公式には発表されていませんが、1番易しい4級は70%以上の方が合格するとも言われ、3級は45%ほどと言われています。

また、準1級、1級の試験は、二次試験が特に難易度が高く、合格率が低いことが特徴です。級によって難易度や合格率がかなり異なりますので、自分のレベルや目標に合わせて受験をすると良いでしょう。

保育英語検定の内容

幼児教育・保育英語検定を受験するためには、受験日や受験資格などの詳細を知っておきましょう。

実施日

幼児教育・保育英語検定は、7月に行われる春季検定と11月に行われる秋季検定、2月に行われる初春検定の3回設定されています。

2019年度を例にとると、秋季検定の一次試験が2019117日。二次試験が20191215日。申込日は、2019722日から20191028日までです。

初春検定は、一次試験が2020216日。二次試験が2020315日。申込日は、20191118日から2020127日までです。試験の実施日は全て日曜日なので、働きながらの受験にも助かりますね。ただ、1級は春季検定のみ受験可能で、秋季検定と初春検定では受けられませんので注意しましょう。

幼児検定・保育英語検定協会ホームページから、申し込みが可能です。

一般社団法人 幼児教育•保育英語検定協会

受験資格

受験資格は特にありません。保育士として働いている方でも、保育士を目指して勉強中の方でも、保育士を目指してはいないけれど資格取得に挑戦したいという方でも、受験が可能です。各級ごとに、幼児教育・保育英語検定協会が出版しているテキストもありますので、自分が受験をする級のテキストを活用しても良いでしょう。

受験料

受験料は級によって異なります。

  • 1級   7,000円(一次二次を含む)
  • 1級  6,000円(一次二次を含む)
  • 2級   4,500
  • 3級   4,000
  • 4級   3,500

支払いは、銀行・郵便局支払い、クレジットカード、コンビニ支払いから選択が可能です。

大学や専門学校、保育園や幼稚園など、団体で申し込みをする場合は割引があります。

資格取得後の働き方

幼児教育・保育英語検定を受験し合格すると、幼保英語士資格証が付与されます。保育英語の知識を持っている保育士であることが証明されるのです。では、資格取得後には、どんな働き方があるのでしょうか?資格取得で広がる職場の選択肢や、子どもとの関わり方を見ていきましょう。

プリスクールで働く

プリスクールとは、英語で保育を行う施設です。認可外保育施設として運営をする場合がほとんどですが、英語での保育という特徴を前面に打ち出すことで安定した運営を行い、保育士への待遇が良い施設が多いことも特徴の1つ。外国人スタッフもいますが、英語を話すことができる日本人スタッフも多く働いています。

基本的には、保育時間の全てを英語で過ごすため、子どもだけではなく働く保育士も英語力向上を目指すことが可能です。英語を武器としてさらにスキルアップしたい、外国人スタッフとも積極的に関わりたいという方には、おすすめの環境ですね。

外国人の子どもたちとコミュニケーション

保育園にも外国籍の子どもたちを見かけることが多くなってきました。英語のコミュニケーションができることは、外国籍の子どもたちと信頼関係が築きやすいというメリットもあるのです。

また、子どもだけではなく日本語を話すことができない保護者の方とも、密にコミュニケーションをとることができます。幼児教育・保育英語検定の出題には、実際の保育の現場を想定した問題が多くありますので、子どもや保護者の方との交流に活かすことができるでしょう。

子どもたちと英語で歌やダンス

英語教育を取り入れる保育園が増え、英語の歌をうたったり、音楽に合わせてダンスをするなどの、保育カリキュラムもメジャーになってきました。英語に自信がない場合には、CDで英語の歌を流す方法も、もちろん可能です。しかし、保育英語を身に付けていれば、自分でうたいながら、子どもたちと英語を楽しむことができますよ。

外国人講師のサポートをする

英語教育を取り入れている園の中には、専任の外国人講師を招いている園もあります。その場合は、英語教育は外国人講師の担当ですが、子どもたちが慣れるまでスムーズに保育が進まないことも。

そんなときに、保育英語を身に付けていれば、外国人講師と子どもたちとの橋渡しができるのです。また、外国人講師は日本語を話せない場合もありますので、他の保育士と外国人講師との仲介役としても活躍できます。英語を話せる保育士として、一目置かれるでしょう。

まとめ

2019年度より幼児教育・保育英語検定と名称を変えた、保育英語検定についてご紹介いたしました。英語教育を取り入れる保育園が増える中で、保育士の英語力は今後さらに重要視されることが予測されます。

 

保育英語検定では、自分のレベルに合わせた級の受験を通して、保育の現場で実際に使える英語力を身に付けることが可能です。

働き方の選択肢を広げ、保育士としてのスキルアップを目指すためにも、受験を検討してみてはいかがでしょうか?


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