おやこのひきだし
2019.11.20
子どもの集中力を高める方法。集中力はトレーニングで鍛えられる!
みなさんは、子どもの集中力が続かないと悩んでいませんか?好きなことなら集中して取り組むことができるのですが、苦手分野になると集中力が続かないのは子どもだけではなく、大人も同じですよね。まして心と体が未熟な子どもであれば、物事に集中し続けるのは簡単ではないでしょう。
しかし宿題や習い事、スポーツなどは高い集中力が結果に大きく影響します。いざというときに力を発揮するためにも、子どもの集中力を高めてあげたいものです。
そこで今回は、子どもの集中力を高めるトレーニング法をご紹介いたします。トレーニングすれば見違えるほど、集中力が身に付きます。
意外と短い子どもの集中力
「子どもの集中力が続かない」と悩む保護者は多くいます。実は、子どもが物事に集中できる時間は大人が思っている以上に短いのです。目安としては、年齢+1です。3歳の子どもなら4分、5歳の子どもなら6分が集中できる時間なのです。小学校低学年なら、15分が目安です。
成長するにつれて集中力の持続時間は長くなりますが、子どもの集中力はそこまで続かないことが分かります。幼児向けの番組が短いコーナーで編集されているのは、子どもの集中力に合わせたものになっているからでしょう。
集中力を高めるための方法
子どもが集中力を保てる時間は、年齢が1つの目安です。しかし、集中力は鍛えられるものです。ここからは、子どもの集中力を高めるための簡単な方法をご紹介いたします。
好きなことや楽しめることをやってもらう
好きなことや楽しいことに没頭したという経験は、集中力を高める効果があります。集中できたという経験が多いほど、集中力が養われるのです。なので、子どもが夢中になっているときは無理やり止めさせるのではなく、そのまま見守るといいでしょう。
ただし、子どもが夢中になるものがテレビゲームであれば、やりすぎると脳が疲れて集中力が低下するため、逆効果です。だからといって禁止する必要はありませんが、テレビゲームは時間を決めて適度に楽しむといいでしょう。
ジグソーパズル
子どもの集中力を高める遊びもあります。おすすめなのはジグソーパズルです。ジグソーパズルは脳を刺激し、活性化するので集中力を養うことができるのです。完成したときは達成感も得られます。
実は、ジグソーパズルは宇宙飛行士候補者の選抜試験にも使われています。この試験で使われるのは、絵柄がない白いジグソーパズルです。絵柄で合わせることができないので難易度はかなり高く、忍耐力や集中力を試すために使われました。能力を把握するだけではなく、ジグソーパズルには集中力や忍耐力などを鍛えるという意味もあります。
子どもが好きなキャラクターや絵のジグソーパズルを選ぶとより楽しめます。できるようになったらピースの数を増やして難易度を高めると、成長に合った楽しみ方ができます。
折り紙
折り紙も集中力を高める効果が期待できます。できあがりを想像しながら、正しく折らなければ作品は完成できません。作品をきれいに仕上げるには、集中し続ける必要があるのです。
また折り紙は指先を使う作業です。指を使った細かい作業は脳を刺激します。紙があればいつでもどこでも始められますし、自分のペースに合わせて難易度を設定できるのも魅力でしょう。
保護者の方も子どもと一緒に折り紙をすると、コミュニケーションがとれます。折り紙は色や質感が豊富にあるので、子どもと選ぶのも楽しいですね。
水泳
水泳も集中力を養うことができます。リズミカルで手と足の異なる動きが脳の活性化につながっています。
水泳は、ゴールを目指して泳ぐために集中力が必要です。水の中で何もしなければ溺れてしまうので、自然と集中力が鍛えられるのです。健康維持、心肺機能の向上の効果もあるので、習い事として人気があります。
適切な睡眠時間を取る
睡眠時間と集中力の関わりは大きいです。睡眠時間の減少は、脳の機能低下に影響します。人間は睡眠によって脳を休息し、回復させています。睡眠が足りないと脳の疲れが蓄積し、正常に機能しなくなるのです。
睡眠時間が適切にとれていないと注意力が散漫になり、集中できなくなります。眠気により、ぼんやりしてしまい思考が低下してしまうという問題もあります。
睡眠は子どもの健全な発育に重要な要素です。遅くても10時前には眠りにつき、睡眠時間を確保することが大切です。子どもの集中力が続かないなら、きちんと睡眠がとれているのか見直し、改善しましょう。
朝食をしっかりとる
集中力を高めるためにも、毎朝きちんと朝食をとりましょう。ブドウ糖が脳のエネルギー源です。朝食をとらないと脳の働きが低下しまうのです。他にも意欲が失われたり、注意力が低下したり、イライラしたりと、マイナスなことばかりです。
朝食と集中力の関連は、大阪医療福祉専門学校で調査されています。調査内容は、朝食をとった日ととらなかった日で簡単なテストを行い、結果に差が出るか調べるというものです。
調査対象の10人のデータを見ると、朝食をとった日の方が10人中8人のテストの結果があがっていました。つまり朝食をとると、脳が正常に機能するので集中して取り組むことができるということです。
朝食をとるためには早寝早起きをし、規則正しい生活をすることも必要です。不規則な生活は食欲不振を招くからです。朝食をとり、朝から脳を活性化させましょう。
【参考】大阪医療福祉専門学校「朝食を摂取することと集中力の関連性」
いざというとき集中力を引き出すポイント
さきほどお話をした通り、子どもは集中できる時間が短く、機嫌もムラがあります。
ここからは、いざというときに集中力を引き出すためのポイントをご紹介いたします。
目標を立てて取り組み達成感を積み重ねる
目標を立ててから取り組むことが大切です。目標を達成すると、満ち足りた気分になります。これがやる気につながり、集中力を引き出すことができるのです。「できた」という経験の積み重ねにより、自信が持てるようになるでしょう。
目標を立てるときのポイントは、少し頑張れば達成できるくらいのものを設定することです。あまりに大きな目標を立てると、途中で投げ出したくなってしまいます。「できなかった」という挫折も、やる気を失わせる要因となるでしょう。
人間は無限に集中し続けることはできないので、目標の立て方が大切なのです。例えば勉強をするなら「今日は○ページを終わらせる」「何分で○をする」など、明確な目標を立てます。これならできそうだという目標を立てると、集中して取り組むことができます。
時間を決めて計画的に取り組む
時間を決めて、計画的に取り組みましょう。集中力が続かない子どもの多くは、計画を立てるのが苦手です。苦手なことに取り組むとき、この状態が無限に続いてしまうような気になるのでやる気がなくなり、集中できなくなるのです。大人でも苦手分野に取り組むとき、終わりが見えないと途端にやる気がなくなることがあるのではないでしょうか。
集中して取り組むためにも、勉強をするときは何時までするのか計画を立てるといいでしょう。終わりの見通しが立てられるとやる気が出て、ゴールまで集中して頑張ることができるのです。
これを続けると、生活の中でも計画を立てることがうまくなっていきます。「何時から○○をして、何時からは○○をする」というように自分で物事を順序だてて、考えられるようになるのです。子どもが始めから計画を立てるのは難しいので、保護者の方も一緒に計画を立てるといいでしょう。
ウォーミングアップとして簡単な作業をする
苦手な分野や難しいことをする前、面倒になって後回しにしてしまうのは大人も同じです。やる気がでない状態で無理やり始めても、注意が散漫になってしまうでしょう。勉強の効果も期待できません。
ウォーミングアップとして簡単な作業をすることが集中力を引き出すポイントです。勉強なら、メインに取り掛かる前に漢字の書き取りをしたり、簡単な計算問題を数問解いたりしましょう。これだけで勉強をする気持ちを高めることができるのです。
面倒なことに取り組む前は、自分にあった簡単な作業をするとやる気が出て集中して取り組めます。
励ましながら子どもと一緒に取り組む
集中できずにダラダラと作業している子どもを見ると、つい叱りたくなってしまいます。
しかし、「早くしなさい」「ちゃんと集中してやりなさい」と一方的に叱るのは逆効果です。
子どもに集中させるには叱るのではなく、褒めることが大切です。子どもは褒められるのが好きです。褒められるとうれしくなり、もっと褒められたいと思うようになります。そして意欲的に物事に取り組めるようになるのです。
子どもの集中力を高めるなら子ども任せにせず、励ましたり褒めたりしながら一緒に取り組むことを心掛けましょう。保護者の方の心掛け1つで、子どものやる気を引き出すことができるのです。
集中できる環境づくり
集中できる環境づくりも大切なことです。例えば、部屋を掃除している最中、漫画本や昔のアルバムが出てきて、作業を中断して夢中になってしまったという経験があるのではないでしょうか。
そうならないためにも、物事に取り組むときは作業を妨げるものを排除する必要があります。子どもが勉強する場所に座り、集中できる環境なのか確認してみましょう。目の前に気になるものはないか、照明によって影ができてノートが見えづらくなっていないか、適度な室温設定なのかなど、子どもの目線になって集中できる快適な環境づくりをしてあげるといいでしょう。
まとめ
子どもが集中し続けられる時間はとても短いものです。しかし、トレーニングによって集中力は高められます。例えば、日常的にできることならジグソーパズルやブロックがおすすめです。習い事では水泳を始めると、集中力は鍛えられるでしょう。生活習慣で言えば、睡眠不足や朝食をとらない子どもは注意力や集中力は低下するので、規則正しい生活と食事を心がけましょう。
いざというときに集中力を発揮するためには、目標や作業計画を立てること、ウォーミングアップとして簡単な作業から始めることがポイントです。
生活習慣を見直し、子どもと一緒に集中できる環境作りをして、集中力を高めましょう。