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保育士のひきだし

2020.02.20

子どもと楽しむ保育園のひな祭り!ひな人形の由来や事前準備、当日の出し物を紹介

女の子の健やかな成長と幸せを願うひな祭り。女の子が主役のお祭りではありますが、多くの保育園では男の子も一緒に参加し、皆でひな祭りを祝います。

ひな祭りをより楽しい行事にするためには、ひな祭りの由来を保育士自身が理解しておくこと。そして、それを子どもたちにわかりやすく伝え、事前準備や当日の計画を立てることが大切です。

保育園のひな祭りの行事のために知っておきたい由来や事前準備、当日の出し物や気を付けるポイントをご紹介いたします。

ひな祭りのねらい

まずは、ひな祭りの由来について見ていきましょう。

女の子の成長と幸せを願う日

毎年33日のひな祭りは、女の子の成長と幸せを願う日です。「桃の節句」とも呼ばれ、ひな人形や桃の花を飾り、ちらし寿司やはまぐりのお吸い物などの祝い膳を食べてお祝いをする方法が一般的です。保育園では、ひなあられをおやつに用意することも多いでしょう。ひなあられは、四季を表す色が使われており、一年中幸せであるようにとの願いが込められています。

ひな祭りが女の子のお祝いであるのに対して、男の子のお祝いは55日の端午の節句です。家庭では、女の子がいる場合はひな祭りを、男の子がいる場合には端午の節句を祝います。しかし、保育園ではどちらも女の子、男の子の両方が参加する行事です。子どもたちが日本の伝統行事に親しみを感じ、季節を楽しむ行事として、女の子も男の子も楽しめる工夫をしましょう。

ひな人形の由来は平安時代から

ひな人形の由来にはいくつか説があります。その1つが、平安時代に貴族の子どもたちの間で親しまれていた「ひな遊び(ひいなあそび)」です。ひなとは紙や布で作った人形で、その人形を使って子どもたちはままごと遊びを楽しんでいました。その人形が時代とともに立派なひな人形となり、ままごと遊びではなく飾り物として楽しむようになったのです。

また、もう1つの説が、中国から伝わった「上巳(じょうし)の節句」。中国では33日に災厄を払うために、水辺で身を清めるという風習がありました。これが日本に伝わり、人形(ひとがた)に厄を移し水に流す「流しびな」が行われるように。上巳の節句とひな遊びの両方が合わさって、現在のひな人形の原形となったと言われています。

ひな祭りに向けての事前準備

ひな祭りを子どもたちにとって有意義な行事にするためには事前準備が欠かせません。当日を迎えるまでの準備をみていきましょう。

子どもたちと製作

製作をとおして、子どもたちには行事を楽しみに待つ気持ちが芽生えます。子どもが楽しめる製作アイデアをご紹介いたします。

紙皿でひな人形作り

紙皿は、気軽に製作に使えるアイテムです。材料は、紙皿、ひな人形の顔や飾りを作る画用紙、着物や紙皿の装飾に使う千代紙です。ポイントは、着物に千代紙を使うこと。千代紙はさまざまな色や模様があり、華やかなひな人形ができあがります。紙皿にも千代紙で装飾をほどこしたり、桃の花を作って貼ってもいいですね。

01歳児クラスでは、保育士が作った千代紙の着物とひな人形の顔を紙皿に貼ってもらいましょう。のりを使うのは難しいので、両面テープがおすすめです。

23歳児になると、自分でひな人形の顔を描くことができます。個性豊かなひな人形ができ上がりますよ。のり付けにも挑戦しましょう。

45歳児になったら、千代紙で着物を折る、ひな人形の顔づくり、はさみで装飾を作る、など全て子どもに挑戦してもらいます。千代紙もたくさんの種類を用意すれば、自分で選ぶ楽しさもありますよ。

完成した紙皿ひな人形はリボンでつるし、壁に飾ってひな祭り当日まで楽しんでくださいね。

紙コップを使った立体ひな人形

もう1つは、紙コップで立体的に作るひな人形です。材料は、紙コップと千代紙、ひな人形の顔やパーツを作る画用紙と台座となる箱です。台座にはティッシュの箱がぴったりです。まずは、千代紙をちぎって紙コップに貼り付けます。そこにひな人形の顔やおひなさまが手に持っている檜扇(ひおうぎ)、お内裏さまが持っている笏(しゃく)などのアイテムを付ければひな人形の完成です。完成したひな人形は、赤い画用紙を巻いた台座に取り付けましょう。金の屏風(びょうぶ)を作ってもいいですね。

01歳児クラスでは、千代紙をちぎったり、保育士が作ったひな人形の顔の貼り付けをしましょう。

23歳児クラスでは、ひな人形の顔を描くことに取り組んでみましょう。

45歳児クラスでは、台座の貼り付けや屏風折りにも挑戦してみましょう。

年齢や発達によってできることは異なりますので、どの部分を子どもが行い、どの部分を保育士が手助けをするのかを考えて配分しましょう。立体的なひな人形は、作り終えたときの達成感もあり、ひな祭りをより身近に感じられますよ。

園内の飾りつけ

園内の飾りつけは、子どもたちの気持ちを盛り上げます。保護者の方にも見てもらえれば、家庭でひな祭りを楽しむきっかけにもなりますね。

一番ポピュラーな飾りは、ひな人形です。7段、5段、3段の飾りが一般的ですが、最近ではおひなさまとお内裏さま男女一対の親王飾りも人気です。段数によって飾りの内容は異なりますが、伝統の行事なので、人形や飾りは正しく並べるようにしましょう

子どもが触れると誤飲やけが、破損につながる場合もあるので、直接触れないように柵で囲う、ケース入りの飾りを使用するといった配慮も必要です。

一般的なひな人形の他にも、つるしびなや手作りの飾りもいいですね。子どもの製作を飾った室内装飾やかわいらしい壁飾りは、保育室をひな祭りらしい華やかな雰囲気にしてくれます。

出し物の準備

ひな祭り当日には、子どもが楽しめる出し物を取り入れましょう。ひな祭りにちなんだ紙芝居やペープサート、パネルシアターなどは、楽しみながらひな祭りの由来を学べます。

また、ひな祭りにちなんだゲームを用意すれば、ひな祭り会がさらに楽しくなりますよ。年齢によって楽しめる教材やゲームは異なるので、乳児クラスと幼児クラスに分かれて会を行うことも1つの方法です。

慌てることがないように、当日の流れを職員間で共有すること、必要な教材やアイテムを事前に準備することを心がけましょう。

ひな祭りの導入

当日を迎えるまでに、ひな祭りの歌や、子どもが興味を持てる絵本の読み聞かせなどを通して、ひな祭りの気分を盛り上げていきましょう。

ひな祭り当日に気を付けるポイント

ひな祭りは女の子のお祭りですが、保育園の行事としては男の子も女の子も楽しめることが大切です。季節のイベントや日本の伝統をみんなで感じられるような行事にしましょう。また、年齢や興味に合わせた内容にする必要もあります。例えば、ひな祭りの由来を伝えるときには、子どもが好きな紙芝居や絵本を取り入れる。ゲームでは、乳児クラスと幼児クラスに分けるなど、子どもの様子に合わせた計画をたてましょう。

子どもたちは保育士の期待通りの反応をしてくれるとは限りません。ときにはその場で活動を変え、柔軟に対応できるようにしましょう。そのためには事前準備はきちんと計画しておくことが大切です

ひな祭りを盛り上げる出し物やアイデア

ひな祭り当日を盛り上げるためには、子どもが興味を持てる教材やゲームなどの出し物が効果的です。子どもの興味をひきつけるアイデアをご紹介いたします。

童謡「うれしいひな祭り」

ひな祭りの歌として最もポピュラーなのが、「うれしいひな祭り」。子どもの頃からなじみがある方も多いと思います。少し難しい歌詞もありますが、ゆったりとしたメロディーは子どもでも覚えやすく、ひな祭りの導入にぴったりです。今では一般的である、「お内裏さま」と「おひなさま」という呼び方は、この歌から広まったとも言われています。ひな祭りの会には、ぜひ皆で歌いましょう。

ひな祭りフルーツバスケット

子どもたちに人気のゲーム、フルーツバスケットのひな祭りバージョンです。普通のフルーツバスケットではフルーツの名前を使いますが、ひな祭りフルーツバスケットで使うのは

「おひなさま・お内裏さま・ひな祭り」の3つ。ルールは普通のフルーツバスケットと同様です。

【ルール】

  1. 子どもの人数よりも1つ少ない数の椅子を丸く並べる
  2. 鬼役を一人決める
  3. 鬼役以外の子どもは椅子に座る
  4. 鬼役は「おひなさま・お内裏さま・ひな祭り」のどれかの言葉を言う
  5. おひなさまと言われたら女の子、お内裏さまと言われたら男の子、ひな祭りと言われたら全員が椅子から立ち上がって他の椅子に移動する
  6. 鬼役の子どもも椅子に座るので、一人が椅子に座れない
  7. 座れなかった子どもが次の鬼役になる

初めは保育士が鬼役になると、ルールが伝わりやすいです。ゆっくりと説明すれば、2歳児クラスでも楽しむことができますよ。

ひな祭りクイズ

ひな祭りに関するクイズを用意してはいかがでしょうか。保育士がクイズを出題し、子どもたちに答えてもらいましょう。大人数で楽しむ場合には、〇×形式すると混乱がなく分かりやすいです。出題するクイズ案をいくつかご紹介いたします。

  • ひな祭りは何月何日でしょうか?答え:33
  • うれしいひな祭りの歌では、あかりを何に点けるでしょうか?答え:ぼんぼり
  • ひな人形にはお姫様と王子様がいる。〇か×か?答え:×・おひなさまとお内裏さま
  • ひな祭りは桜の節句とも呼ばれる。〇か×か?答え:×・桃の節句
  • ひな人形には3人の官女がいる。○か×か?答え:〇

簡単なクイズから出題し、徐々に難易度を上げていくと、より楽しめます。クイズは多めに用意しておき、子どもたちの様子に合わせて出題数を決めるといいでしょう

各クラスの製作発表

各クラスで異なるひな人形製作を行っている場合には、当日のひな祭り会で発表し合ってみましょう。子どもたちに製作物を持って前に出てもらい、工夫したところや頑張ったところをインタビューして答えてもらうのもいいですね。他のお友だちの製作を見ることも、子どもたちにとっていい経験です

まとめ

保育園の行事としてひな祭りを取り入れるときには、まずは保育士がひな祭りの由来を理解することが大切です。当日慌てることなく、どんな状況でも対応できるよう準備は入念に。

日本の伝統行事に親しみ、季節を感じることは、子どもにとっていい思い出になるでしょう。子どもが楽しめる製作や出し物、教材を取り入れ、行事を身近に感じられるような工夫をしていきたいですね。


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