おやこのひきだし
2019.10.25
卒乳はいつする?卒乳時期の目安と進め方を解説
授乳中の赤ちゃんは愛おしいものですが、卒乳はいつか必ず訪れます。卒乳とは、赤ちゃんが自然に母乳を必要としなくなること。母親からすると少し寂しさを感じるときかもしれません。
では、自然に母乳を必要としなくなるのはいつごろなのでしょうか?卒乳の時期に悩む親御さんは多いでしょう。また、「卒乳をしたいけれど、子どもが甘えてくるのでうまくできない」「どのように卒乳を進めていけばいいのか分からない」「そもそも卒乳はしなければいけないもの?」など、保護者の方の疑問は尽きないはず。
そこで今回は、卒乳の必要性や卒乳時期の目安、スムーズに卒乳するための進め方までまとめてご説明いたします。自然に卒乳できるように進めると、赤ちゃんと保護者の方の負担は少なくなるでしょう。
卒乳の必要性
卒乳とは無理やり子どもとおっぱいを引き離すのではなく、自然に卒業することを言います。卒乳は、いつか必ず訪れる子どもの成長の証。とはいえいつまでに卒乳しなければならないというものではありません。親御さんが行動を起こさなくても、ある程度子どもが成長すると自然に離れていくものだからです。それに授乳は、子どもの心を満たすという役割もあります。発育に問題がなければ、無理に卒乳する必要はないと言われているのです。実際、子どもから自然に卒乳するのを待つという保護者の方は多いものです。
しかし授乳期間が長くなると、親御さんによっては大きな負担を感じることがあるでしょう。授乳期間は夜中に何度も起きて体に負担がかかったり、薬の服用ができなかったり、乳首が切れて痛みをともなったり。乳腺炎にも気をつけなければなりません。
できれば卒乳をして負担を減らしたいという方は意外と多くいるものです。職場復帰するために、卒乳を考えている人もいるはずです。
卒乳の時期は、家庭によってさまざま。どの時期が正しいというわけではありませんし、卒乳するもしないも家庭によって自由に決めていいものなのです。
卒乳のタイミング
どのタイミングで卒乳する人が多いのでしょうか。卒乳の時期には個人差があるのですが、おおよその目安が分かると今後の見通しが立ちますよね。できる限り、親御さんにとっても子どもによってもいいタイミングで卒乳したいものです。
1歳から1歳半のタイミング
子どもが1歳から1歳半になったあたりで、卒乳をするケースが多いようです。この時期での卒乳は、離乳食と大きく関係します。
一般的に離乳食は、5~6カ月から始まり、1歳から1歳半くらいに完了すると言われています。離乳食が終わると、少しずつ大人の食事へと移行していくもの。大人の食事を食べ始める時期に合わせて卒乳すると、母乳から食事へとスムーズに切り替えができるようです。特に、食べることが好きな子どもであれば、親御さんが拍子抜けしてしまうほどあっさりと卒乳してくれることがあります。
食べる量が増えて卒乳
卒乳は3食きちんと食事がとれて、順調に体重が増えていることが前提です。母乳やミルクは、赤ちゃんの大切な栄養源。先述した通り、一般的に5~6カ月になると離乳食が始まり、母乳やミルク以外から栄養素を摂れるようにしていきます。そしていずれ食事だけで成長できるようになるのです。つまり発育状況を見て、母乳やミルクを必要としなくなったころが卒乳のタイミングと言えるでしょう。食べる量が少なく、栄養素を母乳やミルクから多く取り入れている段階は卒乳の時期ではありません。
子どもの成長には個人差があります。周囲が卒乳したからといって無理に卒乳をするのではなく、子どもの発育状況に合わせることが大切なのです。卒乳時期を焦る必要はありません。
ママの仕事復帰
ママの仕事復帰の時期に合わせて卒乳するケースもあります。仕事をしながら授乳を続けることはできますが、夜中の授乳で体力を消耗したり、日中搾乳することが難しかったり。胸の張りに悩まされることも、保育園によっては母乳を預けることができないところもあるでしょう。朝晩のみ授乳して仕事復帰するという選択肢もありますが、授乳しながら仕事をするとなると大変です。
妊娠を考え始めたとき
第二子、第三子が欲しいという場合に、卒乳を考えるケースもあります。一般的に、授乳中は妊娠しにくいと言われています。授乳中はホルモンの働きにより、排卵が抑制されるからです。
卒乳の進め方
次に、卒乳の進め方を見ていきましょう。
卒乳する日を決めてあらかじめ子どもに伝える
卒乳するときは、あらかじめ卒乳する日を子どもに伝えましょう。子どもにも、心の準備が必要です。いきなり卒乳をしてしまうと子どもは戸惑い、精神的に不安定になることがあります。
卒乳の時期を決めたら、2週間から1カ月前におっぱいから離れることを子どもに伝えます。ただし大人と違い、2週間前に言われても、どれくらいでおっぱいと離れなければならないのか分からないもの。子どもに伝えるときは、「あと○日でおわかれだよ」「あと○回寝たらおわかれだよ」など、カレンダーを見せるといいでしょう。こうすることで子どもは卒乳の時期について理解できますし、心の準備もできます。
まだ幼い子どもには話しても分からないはずだと、決めつけないようにしましょうね。大人が思っている以上に、子どもは親御さんの言葉を理解しているものです。
少しずつ授乳回数を減らして自然に卒乳する
段階的に少しずつ授乳回数を減らして、計画的に卒乳に導くという方法もあります。例えば、日中の授乳を減らしていき、自然に母乳から離していきます。その分たっぷりと食事を与えておなかを満たしたり、おっぱい以外のものに注意をそらして授乳のことを忘れさせたりしましょう。そして次に夜間授乳の回数を減らすのです。
寝かしつけに授乳している場合は、おっぱいを欲しがって泣くことがありますが、次第に慣れていきます。夜中におなかが空くようなら、寝る前にフォローアップミルクをあげるという人もいます。
授乳回数を減らす方法は、ゆっくりと時間をかけて卒乳していくので親御さんと子どもにかかる負担は少ないのではないでしょうか。
ぐずったときのあやし方を考えておく
みなさんは子どもがぐずったとき、おっぱいをあげてなだめていませんか?子どもにとっておっぱいが、精神安定剤としての役割が大きい場合は、卒乳後子どもをなだめることに苦戦することがあります。卒乳を考えるときは、授乳以外のあやし方を身に付けていくといざというとき楽ですよ。
卒乳時期の子どもとの関わり方
赤ちゃんにとって授乳は、単におなかを満たすためのものではありません。母親のぬくもりを感じることで、心を満たす効果もあるのです。そのため卒乳時期には、赤ちゃんの精神的なケアが大切です。
ここからは、卒乳時期の子どもとの関わり方について見ていきましょう。
日中は思いっきり遊ぶ
卒乳時期は、日中体を使って思いっきり遊びましょう。授乳しながら寝かしつけをしている人は多いもの。そのため、卒乳して大変になるのは寝かしつけです。授乳の代わりに絵本を読み聞かせて、静かに寝てくれる子どもはいますが、卒乳してからしばらくは夜に泣き続けるというケースは多いでしょう。あまりに大変で、親御さんの方の心が折れ、卒乳を断念することもあるようです。
スムーズに寝かしつけるためにも日中遊び、体力を消耗するようにすることがおすすめです。思いっきり遊ぶと、疲れて寝つきがよくなります。これを繰り返すと、授乳しなくても泣かずに寝てくれるようになるでしょう。
それに、日中体を動かして遊ぶとおなかが空くので食事量も増えます。ご飯を食べておなかが満たされると入眠がスムーズになりますし、朝までぐっすり寝てくれるようになるのです。
食事や水分に気をつける
母乳やミルクは、子どもの栄養源です。卒乳時期は食事や水分に気をつけなければなりません。規則正しく与えることや、栄養バランスを考えた食事を心掛けましょう。
また、水分には特に気をつけたいところ。子どもは大人よりも水分を必要としています。水分不足にならないよう、小まめに水分補給できるよう注意しましょう。
たくさん愛情を与える
卒乳時期は、子どもに対してたくさんの愛情を与えましょう。授乳は母親と子どもの大切なスキンシップの時間です。母親のぬくもりを感じて子どもは安心感を得られますし、親子間の絆も深まります。
そのため、授乳の時間が無くなることで子どもは不安感を持つことがあります。おっぱいが大好きな子どもは特に、精神的に不安定になることがあるもの。子どもが親御さんからの愛情不足を感じないように抱きしめてあげたり、言葉で愛情を伝えたりすることが大切です。甘えてきたら思いっきり受け止めてあげましょう。
心が満たされると、次第に卒乳を受け入れてくれるようになります。
子どもが精神的に不安定になり授乳再開するケースもある
卒乳したけれど、数日たっても精神的に不安定なまま、泣いて暴れて手がつけられないので授乳を再開したというケースもあります。卒乳が成功するかしないかは、個人差が大きいもの。
もし数日たっても子どもが泣いておっぱいを欲しがるなら、授乳を再開しても問題ないのではないでしょうか。人によってそのまま強行突破することがありますが、子どもに合わせて卒乳の時期をずらしてもかまいません。おっぱいと離れるのがつらい子どもにとっては、精神安定剤としての役割が大きかったのでしょう。
成長すると、子どもから自然に離れていくものです。その日はある日突然訪れることもあります。
卒乳時期に早いも遅いもありません。特別な理由がないなら焦らずゆっくり進めてみてはいかがでしょうか。
まとめ
卒乳の時期は家庭によって違いがあります。目安にするならば、子どもが1歳から1歳半になったときや食べる量が増えたとき、親御さんが仕事復帰するときに卒乳する人が多いようです。
卒乳するときは、あらかじめ子どもに対して卒乳を伝えることから始めましょう。授乳が精神安定剤となっている子どももいるため、卒乳時期はいつも以上に愛情を与えることが大切です。また、栄養不足、水分不足にならないように食事や水分にも気をつけましょう。
卒乳は、子どもの成長の証。とはいえ、必ずしもいつまでに卒乳をしなければいけないというものではありません。家庭の状況、そしてなにより子どもの発育や気持ちに合わせて卒乳に導いてあげましょう。