おやこのひきだし
2019.10.16
チャイルドシートはいつまで必要?ジュニアシートへの切り替えや卒業時期も解説
子どもを車に乗せるときは、チャイルドシートを使用しなければならないと法律で定められています。では、チャイルドシートは何歳まで必要なのでしょうか。また、他にも「チャイルドシートを前向きにするタイミングが知りたい」「ジュニアシートへの切り替えの時期はいつ?」など、子どもの成長とともにチャイルドシートへの疑問が増えていきます。
そこで今回は、チャイルドシートはいつまで必要なのか、そしてジュニアシートへの切り替えや卒業時期についても詳しくご説明いたします。すでにチャイルドシートを使っている人だけではなく、これからチャイルドシートを購入する予定だという保護者の方にとっても、必見の内容です。
6歳未満の子どもはチャイルドシート着用が必須
6歳未満の子どもは、チャイルドシートを着用しなければならないことが法律で定められています。たとえ短い距離でも、チャイルドシートの着用は必須です。
赤ちゃんを寝かせるベビーバスケットなどは、チャイルドシートの代用にはなりません。また、座布団やクッションに子どもを乗せて、車両に搭載されているシートベルトを着用するのも違反対象になります。
自分の子どもではなく友だちの子どもを乗せたときもチャイルドシートは必要です。この場合の着用義務は運転者にあります。違反すると、幼児用補助装置使用義務違反として1点が課せられるので注意しましょう。
のちほど詳しく説明しますが、チャイルドシートの必要性は子どもの身長にも関わりがあります。例えば6歳未満でも「適切に座席ベルトを装着させるに足りる座高を有する幼児」は、チャイルドシートの使用は免除されます。大人と同じようにシートベルトを使用しましょう。
チャイルドシートの種類
チャイルドシートには、大きく分けて三つの種類があります。チャイルドシートは子どもの年齢や成長に合わせたものを使用することが大切です。正しく使用するためにも、まずはチャイルドシートの種類から見ていきましょう。ただしチャイルドシートの製品によって適用身長や体格など細かい部分は異なるため、あくまでも目安です。そのため使用するときは、取扱説明書を必ず確認しましょう。
新生児用(0歳〜10カ月くらいまでが目安)
新生児用は、ベビーシートと呼ばれるものです。首がすわっていない乳児を寝かせて使います。後ろ向きに使用するものが多いでしょう。
ベビーシートは、新生児から10カ月くらいの乳児までが対象です。身長は70cm以下、体重は10kg未満が目安です。
10カ月になっていなくても身長や体重がオーバーした場合は、安全のためにもベビーシートの使用は控え、チャイルドシートに乗せましょう。
幼児用(1歳〜4歳前後)
一般的にチャイルドシートと呼ばれるのは、幼児用のものです。チャイルドシートによって、前向きと後ろ向き兼用タイプや、前向きのみのタイプがあります。兼用タイプの場合、前向きに使い始める時期は首や腰がすわり1人座りが安定するころが目安です。
チャイルドシートの対象年齢は1歳から4歳くらいです。身長は100cm以下、体重は9kgから18kg程度が目安となります。
学童用(4歳〜10歳前後)
ジュニアシートは学童用のタイプです。ジュニアシートを使用する場合、シートベルトは車両に搭載されているものを使用します。
4歳から10歳くらいまでの子どもが対象で、身長は135cm以下、体重は15kg以上が目安です。
学童用(ジュニアシート)の種類
ジュニアシートにもいくつかの種類があります。家庭状況や子どもの発育に合わせて選びましょう。
ジュニアシート
ジュニアシートと呼ばれるのはこのタイプです。座席に背もたれがついていて、見た目は頭まですっぽりと覆うようなかたちです。背もたれは取り外し可能。成長に応じて座席のみ(ブースター)としても使えます。
ブースター
ブースターは座席のみのタイプです。車両に搭載されているシートベルトは、身長が140cm以上に対応しています。ブースターは身長が140cmに満たない子どもが、大人用のシートベルトに適合するために使うもの。
ブースターは他のジュニアシートに比べても、低価格で購入できます。
5点式ハーネスベルト
ジュニアシートは3,4歳から使えるものが多いのですが、5点式ハーネスタイプは1歳から使用可能です。1歳児を乗せるときはチャイルドシートとして、ジュニアシートの本体をシートベルトで固定して使います。そして子どもの成長に合わせてジュニアシートへ移行し、最後に座席のみ(ブースター)として使うのです。5点ハーネスタイプは、長い期間使うことができます。
インパクトシールド式
インパクトシールド式は、インパクトシールド(サポートクッション)と呼ばれるクッションのようなものを膝の上に乗せて使用するタイプです。5点式ハーネスベルトと同じく、1歳から3歳くらいの子どもから使用可能です。
3歳までの子ども使用するときは、車両に搭載されているシートベルトをインパクトシールドに通して使います。子どもが成長すると、肩ベルトを自分で外してしまうことが多いですよね。インパクトシールド式は肩ベルトを使用しないので、子どもがチャイルドシートから抜け出すことは防げます。
価格は5点式ハーネスベルトよりも低価格。子どもが多くなったときはサポートクッションを外したり、座席のみ(ブースター)として使います。
チャイルドシートの対象年齢や体重は製品によって異なる
チャイルドシートは製品によって、対象年齢や体重が大きく変わります。長く使えるものなら、年齢は0カ月から、体重は36kgになるまで使えるタイプがあります。子どもの成長にもよりますが、長く使えるものであれば買い替える必要はないかもしれません。
一方、年齢は0カ月から、体重は13kgまで使えるタイプもあります。限られた期間のみ使えるタイプなら、買い替える前提として購入することになるでしょう。
このようにチャイルドシートは製品によって、使える期間が変わります。上記の二つを比べると、長い期間使えるタイプを購入した方が経済的に思えるかもしれません。
しかし、子どもの成長は予測不可能。36kgまで使えるタイプを購入した場合、成長によっては途中で使えなくなることがあるのです。もしかすると、途中で買い替えることになるかもしれません。短い期間使うタイプなら、買い替える前提なので子どもの成長に合わせて買い替えることができます。2人目を考えている場合には、チャイルドシートをおさがりとして使えるメリットもあります。
チャイルドシート卒業のタイミング
続いて、チャイルドシート卒業のタイミングについてご紹介いたします。
チャイルドシートの使用年齢と身長や体重をチェック
卒業時期を決めるうえで必要なのは、使用年齢と身長・体重をチェックすることです。チャイルドシートの使用年齢や体重は製品によって異なります。卒業時期を考え始めたら、現在使っているチャイルドシートの基準を確認することから始めましょう。
取扱説明書を確認し、子どもの成長が基準を越えていたら卒業時期の目安。チャイルドシートではなくジュニアシートへの切り替えるときがきたと言うことです。
また、チャイルドシートの着用義務は6歳未満ですが、年齢に達したからといってすぐにチャイルドシートを卒業するのは控えましょう。子どもの成長には個人差があります。6歳でチャイルドシートを卒業しても年齢的には法律違反になりませんが、身長が140cm以下の場合は安全のためにも継続して使い続けた方が良いでしょう。車両に搭載されているシートベルトは、身長が約140cm以上の人を対象としています。つまりシートベルトは、身長が140cmに満たないと効果を発揮されない可能性があるということです。
それだけではなく、幼い子どもが大人用のシートベルトを使用してしまうと、シートベルトをすり抜けたり、万一の事故のとき首や胸部を圧迫して命にかかわる事態になりかねません。チャイルドシートは使用年齢だけではなく、子どもの身長や体重を考慮し、正しく使いましょう。
3歳から4歳にジュニアシートに切り替える人が多い
3歳までの子どもはチャイルドシートを使用し、3、4歳くらいでジュニアシートに切り替える人が多いようです。製品にもよりますが、成長とともにチャイルドシートが狭くなることが理由でしょう。
ただし、子どもの成長には個人差があるので必ずしも3歳から4歳で切り替える必要はありません。子どもの成長がチャイルドシートの基準に合っていれば、継続して使っても問題ありません。
また3歳から4歳の間にチャイルドシートのサブとして、ジュニアシートを購入するケースもあります。例えば車を2台以上所有している場合、メインで使用する車にチャイルドシートを取り付け、2台目にジュニアシートを取り付けるのです。ジュニアシートは持ち運びに便利ですし、取り付けるのも簡単。それに、チャイルドシートと比べて安価です。2台目の車で移動するときだけではなく、祖父母や友達の車に子どもを乗せるときにもおすすめです。兄妹が生まれたときも、所有しているチャイルドシートに赤ちゃんを乗せ、ジュニアシートに子どもを乗せることもできます。
チャイルドシートは、子どもの体格だけではなく家庭状況、生活状況に合った選び方をすることも大切です。
助手席でのチャイルドシートの使用は問題ないの?
道路交通法では、チャイルドシートを助手席に使用してはいけないとは定められていません。つまり助手席に使用しても、法律的には問題ないのです。
しかし万一事故が起きたときのことを考えると、助手席にチャイルドシートを取り付けるのはおすすめできません。エアバックが作動したことで、子どもが窒息する危険性があるからです。エアバックの衝撃は、大人よりも子どもの方が大きいでしょう。場合によっては、命にかかわる重大な傷害を受ける可能性も考えられるのです。
たしかに、チャイルドシートを助手席に取り付けると子どもの状況が分かりますし、お世話もしやすいのですが、大切な子どもの命を守るためにも後部座席に取り付けるようにしましょう。
チャイルドシートは子どもの命を守るためのもの
チャイルドシートの正式名称は、幼児用補助装置です。単なる子ども用の座席ではありません。
子どもがイヤイヤ期になると、チャイルドシートを嫌がることが多いもの。泣いて暴れたり、肩ベルトから腕を抜いてしまうこともあります。保護者の方の中には、この状況をどうにかしようと、チャイルドシートを外してしまうことがあるのではないでしょうか。抱っこして落ち着かせ、そのままチャイルドシートに乗せずに膝の上に座らせる方は少なくありません。
しかし、かわいそうだからといってチャイルドシートを外してしまうと、万一事故が起きたとき命にかかわる危険な状態になります。どれだけ大切な子どもであっても、事故の衝撃を受けたとき、抱っこし続けるのは不可能だからです。
チャイルドシートは、子どもを守る大切なもの。泣いても暴れても、成長するとおとなしく座ってくれるようになるので、6歳未満、そして身長が140cm以上になるまではチャイルドシートを使用し続けましょう。イヤイヤ期は、保護者の方も子どもも耐えるときかもしれません。
まとめ
6歳未満の子どもを車に乗せるときは、チャイルドシート着用が義務となります。
チャイルドシートには大きく分けて三つの種類がありますが、子どもの年齢や成長に合わせて選ぶことが大切です。一般的には3歳から4歳でチャイルドシートを卒業するケースが多いようでしょう。とはいえ、子どもの成長には個人差があります。子どもの身長や体重が今持っているチャイルドシートの基準を越えるときが、ジュニアシートへと切り替えどきでしょう。
チャイルドシートは子どもの命を守る大切なもの。子どもの成長に合ったものを選び、正しく使いましょう。