保育士のひきだし
2019.09.25
保育士が結婚を考えるときに押さえておくべきポイントとは
人生の節目である結婚。結婚を考えているけれど、タイミングや今後の働き方に迷い、なかなか踏み出せないという方も多いのではないでしょうか?特に保育士は、仕事量の多さから、結婚後に仕事を続けることに対して不安を抱く方も少なくありません。保育士ならではの、結婚に適したタイミングとはいつなのか。そして、結婚や妊娠、出産をへて、変化していく働き方に対応するための方法をご紹介いたします。
保育士が結婚するタイミング
まずは、保育士が結婚するタイミングについて見ていきましょう。
保育士3年目あたりが初めのタイミング
保育士3年目は、短大や専門学校卒業の場合は24歳、大学卒業の場合は26歳です。2015年の内閣府の調べによると、女性の平均初婚年齢は29.4歳。保育士3年目での結婚は、平均年齢よりも若いということになります。
【参考】内閣府 少子化対策の現状
では、なぜ3年目あたりを結婚のタイミングとする方が多いのでしょうか?その理由としては、3年目が保育士の1つの区切りとなるからです。
子どもとの関わり以外にも、多くの仕事を抱える保育士。1,2年目は仕事を覚えるのが精いっぱいで、毎日必死に仕事をこなしています。子どもとの関わり方にも悩み、常に仕事のことを考えている状態ですね。しかし、3年目になるとだんだんと周りが見えてきて、仕事にも少しずつ余裕が出てくる頃です。がむしゃらに仕事に向き合うだけではなく、手を抜く部分と丁寧に行うべき仕事の判断もできるようになる3年目は、保育士にとって1つの区切りです。
仕事に余裕が出てくると、プライベートにも目を向けられるようになります。そのため、気持ちに余裕が出てきた3年目のタイミングで結婚する方が多いのです。
保育士6,7年目あたりが次のタイミング
保育士6年目は、短大や専門学校卒業では27歳、大学卒業の場合は29歳です。大学卒業の場合は、平均初婚年齢と同じですね。
保育士6,7年目になると、クラスリーダーなど責任のある立場を任されることが多くなります。後輩も増え、周りからも頼られ、ベテラン保育士への道を歩み始める時期です。
しかし同時に、周囲に結婚している友人が増える時期でもあります。平均初婚年齢からも分かるように、30歳になる前のこの時期は、急激に結婚する人が増えます。後輩が増えることで、自分よりも若い後輩保育士が結婚することも少なくありません。結婚式に参列する機会が増えると、結婚願望が高まったり結婚に対して焦りを感じることもあるでしょう。
また、保育士6,7年目になると、卒園児のクラスを任されることも多くなります。結婚と同時に退職や転職などを考えている場合には、担当している子どもたちを送り出すことを1つの区切りとして、結婚のタイミングを決めることもあります。
年度が変わる時期や行事前後を避ける
保育士が結婚を考えることの多いタイミングについてご紹介いたしましたが、できれば結婚を避けたいタイミングもあります。
それは、年度が変わる時期や行事前後です。年度が変わる時期は、卒園児と新入園児への対応。行事前後は、行事の計画や準備、後片付けで、まさに目の回るような忙しさです。
結婚後は書類の名字変更など、さまざまな手続きが必要ですので、さらに仕事を増やしてしまうという結果に。また、結婚式に参列してもらいたいと考えているときには、休日である土日を割いて参列してもらうこととなります。平日の忙しさを補うために、休日はゆっくり休みたいと考える方の多いこの時期。結婚式へ気持ちよく参列してもらえない場合も考えられます。
同僚に気持ちよく祝福してもらい、その後も良い関係を築くためにも、年度が変わる時期や行事前後は避けた方が無難です。
結婚後の働き方と生活
結婚を決める前に考えておきたいのが、結婚後の働き方です。今まで通り仕事を続けるのか、それとも退職や転職を選ぶのか。また、結婚相手の仕事の都合などで転居する可能性もあります。状況によって違う選択を見ていきましょう。
継続/パート/退職、3つの選択肢
結婚後の働き方には、大きく分けて3つの選択肢があります。
- 今のまま仕事を継続する
- パート勤務に変更する
- 退職の道を選ぶ
それぞれの選択肢について、詳しく見ていきましょう。
今のまま仕事を継続する
保育士は仕事量が多く忙しい仕事ですが、保育士人数が豊富で残業や持ち帰り仕事が少ない園ならば、プライベートな時間の確保は十分可能です。また、旦那さんと家事を分担できれば、結婚前と変わらず働くことができますね。
現在働いている園が、結婚や妊娠、出産をへても働き続けている保育士が多い環境ならば、さらに理想です。産休、育休制度も事前に確認しておくと良いでしょう。
園の環境と結婚生活においての家事分担も考慮して、今のまま仕事を継続する働き方を選ぶことも選択肢の1つです。
パート勤務への変更
パート保育士は正規保育士と比べると、時間の融通が利きやすく、負担なく働ける働き方です。園によっては、1日に数時間、特定の曜日のみのパート保育士を求めている場合もあります。また、基本的には残業や持ち帰り仕事がありません。
時間に余裕ができることで、家事への時間に回せたり、プライベートを充実させられるというメリットも。
現在働いている職場で、正規保育士からパート保育士への移行を望む場合には、まずパート保育士求人の有無を確認しましょう。旦那さんの扶養範囲内で働くのか、それ以上働くのかによっても働き方は変わりますので、事前に決めておくと良いでしょう。
現在働いている保育園で、パート保育士の求人がない場合には、他の園でのパート保育士求人を探すという方法もあります。
退職の道を選ぶ
- 現在働いている保育園では、結婚後の家事との両立は難しいと感じる
- 結婚後は専業主婦になることを希望している
- 旦那さんの仕事が忙しく、全面的にサポートしてあげたい
この様な場合には、退職の道を選ぶこととなります。保育士は、資格を持っていれば一生涯働ける仕事です。結婚後数年たって、やはり保育士として働きたいと感じたとき。子育てがひと段落して、もう一度保育の仕事に携わりたいと感じたときにも、職場復帰を目指すことは十分可能です。
結婚と同時に一度保育の仕事から離れることも、1つの選択肢ですね。
転職を目指す
保育士が常に求められている現在、保育士には多くの転職先候補があります。現在働いている保育園で継続することは難しいけれど、正規保育士として働き続けたい。そう考えたときには、「転職を目指す」ことも1つの選択肢です。
最近では、残業や持ち帰り仕事ゼロを目指す保育園も増えてきましたし、産休、育休制度が整っている保育園も多くあります。新卒で働くときと、結婚を機に求人を探すときとでは、希望条件も変わってきますよね。
保育士として働いてきた経験は、結婚後も働き続けられる保育園への転職に必ず役立ちますよ。
転居が伴う場合
結婚相手の仕事の都合やどちらかの実家に同居をするなど、結婚を機に転居をすることは多くあります。現在働いている園での継続を希望しても、距離的に通勤が難しいことも。
無理をして通勤をすると、家事やプライベートの時間が確保できずに、身体を壊してしまう場合もあります。
転居によって通勤が困難になってしまうときには、無理をせずに退職や転職を視野に入れましょう。今まで築いてきたキャリアを捨てることに不安を覚える場合もありますが、積み上げてきた保育士経験は決して無駄にはなりません。新しい保育園が続々と設立されている中で、転職を機にキャリアアップを望めることも。
妊娠、出産をへても働き続けたいと考えている場合は特に、通勤時間の短縮は大きな課題です。
妊娠・子育ての両立の悩み
結婚以上に自分の生活が一変するのが、妊娠、出産。そして子育て期間です。結婚後は今まで通り働けていたけれど、妊娠、出産を機に働き方を変える方も少なくありません。それだけ、妊娠と子育ては、生活の中での主体となるのです。では、妊娠中や子育てと仕事を両立することには、どんな悩みがあるのでしょうか?対応方法も含めて見ていきましょう。
体力的な負担が大きい
妊娠中は、おなかの中で赤ちゃんを育てている状態です。つわりがあったり、おなかが重たくなってきたりと今までと同じようには動けません。同僚に事情を説明して協力してもらうことは可能ですが、それでも妊娠中の身体で保育をすることは、体力的な負担が大きいのです。
無理をしてしまうとおなかの赤ちゃんが危険な状態になることも。妊娠中は今まで通りには動けないということを、まずは自分自身が理解し、身体を動かす以外の部分で保育に貢献できるように工夫しましょう。
時間が拘束される
子育て中は、今まで持てていた自分の時間が持てなくなります。特に保育の仕事と両立していると、仕事では保育、帰宅後は育児・家事と常に動いているような状況です。出産前に行っていた残業や持ち帰り仕事も、我が子の保育園へのお迎えやその後の育児でできなくなります。子どもが寝てから仕事をしようと思ったのに、疲れて一緒に寝てしまったという失敗も、子育て中の保育士にはよくあることです。
そんな時間に追われる生活の中で、仕事にも子育てにも余裕がなくなり、体調を崩してしまうことも。そうならないためには、頑張りすぎない選択が必要です。
例えば、時短制度の活用。保育園でも時短制度を採用する園が増えてきています。また、自分1人で頑張ろうと思わずに、休みの日に旦那さんに子どもを任せて少しでも自分の時間を作ったり、祖父母の手を借りたりと、周囲に頼ることも必要です。
休みが合わない
保育士は、基本的にシフト制で働きます。土曜日の出勤があったら、平日に振休を取得するという形ですね。そのため、家族と休みが合わないという場合もあります。認可保育園であれば土曜日は開所していますが、認可外保育園の中には土曜日はお休みという園も少なくありません。シフト制で勤務をこなす場合には、保育園が休みの日の我が子の預け先を決めがなければならない可能性があるのです。
また、休みが合わないと我が子と触れ合う時間が減ってしまうという悩みも。保育園の乳児クラスでは特に、仕事が休みのときには子どもも休ませることが基本ですので、平日休みを利用して親子でじっくりと関わる時間を持つと良いでしょう。
ただ、幼児クラスになると、平日は体調不良でない限り登園をお願いされる場合もあります。カリキュラムや行事の練習などが遅れてしまうからです。そんなときには、家事の時間を調整して、思い切り自分の子どもと関わる日を作ってみてくださいね。
子どもの体調不良による早退や欠勤が増える
子どもは保育園に通い始めたばかりの頃は、とにかく体調を崩します。朝は元気だったのにお昼寝明けに発熱、お迎え要請ということも少なくありません。旦那さんと協力をしたり、祖父母に協力をしてもらえる場合もありますが、母親が迎えに行ったり休んで看病をするケースが多いのが現状です。
結果、早退や欠勤が増え、肩身の狭い思いをすることも。子育て中には、子どもの体調不良で早退や欠勤が増えることは、避けられません。しかし、それを当たり前と思ってしまうと、同僚との関係悪化につながりかねません。常に感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。そして、働けるときには人一倍貢献できるように、仕事に打ち込む姿勢が大切です。また、自分の体調不良で休むことがないように、睡眠をしっかりとり、体調管理を行いましょう。
まとめ
保育士が結婚を考えるときに押さえておくべきポイントをご紹介いたしました。結婚をするタイミングは人それぞれですが、避けるべき時期を知っておくことで、同僚により祝福してもらえる結婚へとつながります。
また、結婚を考えたときには、その後の生活をシミュレーションしてみると良いでしょう。その中で、今のまま仕事を継続できるのか、それとも働き方を変えるのか、という選択肢を用意すると分かりやすいですよ。
結婚はゴールではなくスタートです。今後の生活と人生の中で、保育の仕事とどう関わっていくかということを大切にしてくださいね。