保育士のひきだし
2019.05.28
保育園で楽しめる「室内遊び」を年齢別に紹介
35度を超える猛暑日。風の強い日、雨の日や雪の日。外で思い切り体を動かすことが大好きな子どもたちも、このような日は外で遊べません。
「室内でも楽しく過ごさせてあげたい!」とは言え、外に行けない日が続いてしまうとちょっと困りもの。いつも同じ遊びでは子どもたちも飽きてしまうし、室内で毎日どのように過ごしていけばよいのか悩んでしまいますよね。
そこで、外で遊べない日も楽しくなる、さまざまな室内遊びを年齢別にご紹介いたします。
次の暑い日、雨の日、雪の日に実践してみてくださいね!
室内遊びに向いてる遊び
室内遊びに向いているのは、
- 歌や踊り、手遊び
- 新聞紙やペットボトルなど身の回りのものを使った遊び
- ゲーム性のある遊びなど
工夫次第で思い切り楽しめる室内遊びはがたくさんありますよ。
早速、年齢別に詳しくみていきましょう。
0歳児におすすめの室内遊び
0歳児は、寝返り・お座り・はいはい・つかまり立ち・伝い歩きと、運動機能の発達が著しく、好奇心が旺盛になってくる時期。一人ひとりの発達に応じて、十分に体を動かせる室内遊びをおこない、自ら体を動かそうとする意欲を高めてあげましょう。
また、特定の大人との関わりを通じて、情緒的な絆が芽生えてくる時期でもあります。保育士のあやし遊びに機嫌よく応じたり、歌やリズムに合わせて手足や体を動かして楽しむようになるので、手遊びなどもおすすめです。
マット遊び
床にマットを敷き、その上をはいはいしたり、転がったりして遊びます。マットの下にクッションややわらかめのブロックを入れて高低差を作ると、上ったり下りたりととてもよい運動になりますよ。
段ボール遊び
段ボールは室内遊びを広げる万能選手。大きな段ボールにキレイな布を貼ってお風呂にすると、子どもたちは喜んで中に入ってくれます。子どもたちが中に入ったまま、「ブッブ~!」とゆっくり動かせば大型バスに早変わり。
みかん箱くらいの段ボールには、しっかりとヒモを付けて一人乗りの車にします。ヒモをひっぱって子どもたちを順番に乗せてあげましょう。
手遊びやわらべうた遊び
一緒に手指を使うことで五感が刺激され、脳の発達にも効果的と言われている手遊びやわらべ歌遊び。心の安定にもつながるおすすめの室内遊びです。
- あたまかたひざぽん
- うまはとしとし
- げんこつやまのたぬきさん
1歳児におすすめの室内遊び
1歳児は、一人歩き・手を使う・言葉を話すなどさらに自発的に働きかけるようになる時期。押す・つまむ・めくる・投げるといった細かい動作もできるようになるので、体を動かす遊びの他、手先を使った室内遊びを取り入れていきましょう。
積み木遊び
バランスをとりながら高く積んだり、積み上げた積み木を崩したりして遊びます。
積み木が倒れたときに当たってケガをしないよう、スポンジなどの柔らかい素材ででできた積み木がおすすめです。
新聞紙遊び
1歳児になると、物を口に入れたり舐めたりすることが少なくなってくるので、新聞紙を使うのもおすすめです。
新聞紙をくしゃくしゃに丸めたり、びりびりにちぎったり、ちぎった新聞紙をふわっと投げたり、新聞紙一つで遊び方は無限大。破れる音を楽しんだり、指先を使って細かく破いたりと、五感を刺激する楽しい室内遊びです。
バスケットボール遊び
大きめの箱やフラフープを持ち、「この中に入れてね」と子どもたちにボールを投げさせます。シンプルで分かりやすいので、ボールを転がしたり、ポイっと投げたりしながら喜んで遊んでくれますよ。
2歳児におすすめの室内遊び
2歳児は、基本的な運動機能や指先の機能が発達し、自分の意思や欲求を言葉で表現できるようになる時期。
行動範囲が一気に広がるので、体を使った室内遊びを取り入れていきましょう。
また、盛んに大人のマネをして物事の共通性を見つけられるようになるので、遊具などを実物に見立てる見立て遊びもおすすめ。まねっこ遊び、簡単なごっこ遊びなどもできるようになります。
動物まねっこ遊び
体全体を使って、絵本や歌に出てくるさまざまな動物のマネをする室内遊び。ピアノや音楽のリズムに合わせてまねっこすると、より楽しく遊べます。
風船遊び
ふわふわと不思議な動きをする風船は、子どもたちの五感を刺激するおすすめの玩具。軽くて安全なので、風船を蹴ったり投げたり、たくさんの風船を子どもの頭の上から降らせたりと、いろいろな遊び方ができますよ。
楽器遊び
タンバリンやカスタネットなどを使った楽器遊びもおすすめです。さまざまな形、さまざまな音色がする楽器に子どもたちは興味津々。楽器に触れて音を楽しんだり、簡単な歌に合わせてみんなで叩いたり鳴らしたりしてみましょう。
3歳児におすすめの室内遊び
3歳児は、基本的な運動機能が伸びるとともに、話し言葉の基礎ができてきて、さまざまなことに興味・関心が高まる時期。
個人差はあるものの、生まれたころに比べて身長は約2倍、体重は約4倍にもなり、体全体を上手に使えるようになるので遊びの幅も広がります。
友だちへ関心を持つようになり、集団で遊べるようになってくるので、みんなで楽しめるゲーム遊びなどもおすすめです。
しっぽ取りゲーム
タオルやハンカチなどを子どものお尻にくっつけてしっぽにし、お互いに取りあうゲームです。自分のしっぽが取られないようにしながら、友だちのしっぽを多く取った人の勝ち。みんなで競争するほか、チーム対抗戦などでも遊べます。
色探しゲーム
「このお部屋の中で、黄色いものはどーこだ?」と、教室にある物の中から1つの色を指定して、子どもたちに探させるゲーム。指定した色に一番早くタッチした人の勝ち、色にタッチして一番早く保育士の元に戻ってきた人の勝ちなど、ゲーム形式にしても楽しめます。
4歳児におすすめの室内遊び
4歳児は、全身のバランスをとる能力が発達し、体の動きが巧みになる時期。手先もかなり器用になるので、ハサミやのりも上手に使えるようになります。
また、決まりの大切さを知って守ることができるようになったり、想像力も豊かになってくるので、ルールのある遊びやごっこ遊びもおすすめです。
だるまさんが○○した
定番の「だるまさんがころんだ」をアレンジした楽しいゲーム遊び。
- オニを一人決める。
- オニは他の子どもに背を向けて教室の壁に立ち、「だるまさんが…、○○した!」と言ってみんなの方へ振り向く。
例.「だるまさんが寝た!」⇒オニ以外は寝たふり
「だるまさんがご飯を食べた!」⇒オニ以外は食べるふり
- オニ以外の子どもは、オニが背を向けている間に近づく。オニに振り向かれる前にタッチできたら今度はその子がオニになって②~③を繰り返す。
まずは保育士がオニになり、慣れてきたら子どもたちにオニ役を挑戦してもらいましょう。
参照 保育のひきだし「No.216 だるまさんが○○した!!」
フルーツバスケット
- 子どもたちを3~5人程度のグループに分け、それぞれのグループにフルーツの名前(りんご・ばなな・みかん・ぶどうなど)をつける。
⇒子どもの首にフルーツの絵を描いたプラカードを付けてあげるなどわかりやすくしてあげましょう。
- 人数より一つ少ない椅子を準備し、円形に並べる。
- オニを決め、オニ以外の子どもたちは椅子に座る。
- オニは円形の真ん中に立ち、「りんご!」など、グループに付けたフルーツの名前を一つ言う。
- フルーツの名前が呼ばれたグループは、座っていた椅子とは別の椅子に座る。このとき、オニも空いている椅子を探して座る。
- 椅子に座れなかった子どもが今度のオニ。
⇒④~⑤を繰り返して遊びます。
オニは「フルーツバスケット!」と言うこともでき、この場合は全員が席を移動しなければなりません。
3回オニになったら罰ゲーム、フルーツを他のものに変える(野菜・動物・花など)など、さまざまなアレンジをして楽しみましょう。
5歳児におすすめの室内遊び
5歳児は、運動機能がさらに伸び、細かい作業や複雑なこともできるようになる時期。
マナーやルールを理解しながら友だちと共に活発に遊ぶようになるので、ルールがある遊びやグループワークなどがおすすめです。
ルールがある遊びができるようになると、その分喧嘩などのトラブルも生じやすくなりますが、自分たちで解決しようとしたり、お互いに相手を許したり、異なる考えを認めたりと、遊びを通して社会性を身につけていくことができます。
伝言ゲーム
- 子どもたちを一列に並べる。
- 先頭の子どもに、「きりん」などのキーワードをひそひそ声で伝える。
- 先頭の子から順に後ろの子へとキーワードを伝え、言葉のリレーをしていく。
- 先頭の子どもと最後尾の子どもが同時にキーワードを言い、合っていればOK。
チーム対抗戦にしたり、キーワードをどんどん難しくしたりなど、さまざまな遊び方ができますよ。
ジェスチャーゲーム
- 保育士がお題を出す係り。回答する子どもの後ろに立って、ジェスチャーする子どもへスケッチブックに書いたお題を見せる。
- ジェスチャーする子どもは、お題を体の動きだけで表現する。
- ジェスチャーをみて回答者席の子どもが答える。
- 当たったら次の子どもが①~③を繰り返す。
グループ分けして、リレー形式で競うと盛り上がります。グループ全員がジェスチャーし、早く正解できた方の勝ち。分からないときは、「パス!」と言って次のお題にするなど、事前のルールをしっかり決めておくことがスムーズにゲームを進めるポイントです。
かるた
楽しく遊びながら、ひらがなやカタカナに慣れ親しむことができるかるた。文字の読み書きに慣れてきたら、子どもたちでオリジナルのカルタを作って楽しむのもおすすめです。
異年齢混合で遊ぶ場合のコツ
年上・年下という立場の違いを体験し、そこから社会性・コミュニケーション力など、生きていくために必要な力を、子どもたち自ら育んでいけることが魅力の異年齢混合保育。
異年齢混合で遊ぶコツは、年上の子にハンデを付けるなど異なる年齢でも楽しめる工夫や、お互いに協力し合えるルール設定などをすることです。
風船渡しゲーム
- いくつかのチームを作り、一列に並ぶ。
- 「よ~いどん!」の掛け声で、先頭の子どもから最後尾の子どもまで風船を渡していく。
- 最後尾の子どもまで、一番早く風船の届いたチームの勝ち。
異年齢同士で協力して楽しめる室内遊びです。「風船を頭の上から渡す」「風船を足の下をくぐらせて渡す」など、渡し方を変えれば飽きずに楽しめますよ。
フラフープで椅子取りゲーム
- 年長と年少のように、異年齢同士で二人一組や三人一組のチームを作る。
- チームの数より一つ少ないフラフープを円形に並べる。
- 音楽が流れている間は、フラフープの周りをチームで手をつないで歩く。
- 音楽が止まったらチームみんなでフラフープの中に入る。
- フラフープの数を少しずつ減らし、最後のフラフープに入れたチームの勝ち。
風船渡しゲーム同様、異年齢同士で力を合わせて楽しめますよ。
制作遊び
異年齢でいくつかのグループを作り、制作活動を楽しむのもおすすめ。
紙をちぎる、折るといった簡単な作業から、ハサミやのりを使った複雑な作業まで、みんなで分担して進めていきます。
年齢によってできることの差が生じてしまいますが、年上の子が年下の子を手伝ってあげたり、保育士がフォローしたりと、みんなで協力して作っていくことで一体感が生まれますよ。
制作物は、作った後にみんなで一緒に遊べるよう、お店屋さんに使う品物・魚釣りの魚と竿・凧揚げのたこ、手作り楽器などがおすすめです。
まとめ
ゲームをしたり工作をしたり、子どもたちが夢中になれる室内遊びはたくさんあります。
ここでご紹介した室内遊びも、工夫次第で違った楽しみ方ができますよ!
年齢や発達段階に合わせた室内遊びで、外で遊べない日でも子どもたちを思いっきり楽しませてあげましょう!