保育士のひきだし
2019.05.28
【雨の日の遊び方】保育園で子どもを飽きさせない室内遊びや戸外遊びを紹介
保育士をしていると、雨の日は少し残念という方も多いのではないでしょうか?子どもは戸外遊びが大好きです。外の空気を感じながら園庭を走り回るだけでも、子どもたちの気持ちは晴れやかになります。だからこそ雨が降って戸外遊びができないと、子どもたちはストレスがたまってしまいます。
しかし、雨の日だからこそ室内で思いきり遊んだり、雨の日ならではのお散歩を楽しめたりと悪い事ばかりではありません。まずは保育士が雨の日の楽しさを再認識しましょう。
子どもに「雨の日って楽しい」と感じてもらえる、室内遊びや戸外遊びをご紹介いたします。
雨の日の室内遊び
雨の日の保育は、室内遊びが中心です。充実した室内遊びは子どものストレスも吹き飛ばしてくれますよ。道具を伝った遊びや用意をしなくてもすぐに取り入れられる遊びなど、おすすめの室内遊びをご紹介いたします。
テーマを決めたしりとり遊び
しりとり遊びができるようになる、3歳以上児におすすめの遊びです。普通のしりとりとの違いはテーマを決めること。
例えば、「食べ物」というテーマを決めたら、食べ物の名前だけでしりとりをします。3歳児では難しい場合もあるので、初めは普通のしりとりから始めて徐々に難易度を上げていくと良いですね。
他にも「乗り物」「動物」「野菜」など、いろいろなテーマで楽しむことができます。どんなテーマが良いかということも、子どもたちにアイデアを出してもらうとさらに盛り上がりますよ。用意する物がないので、今すぐに遊びたいというときにおすすめです。
みんなで歌をうたおう
子どもたちは歌が大好きです。歌をうたっているとイライラした気持ちも吹き飛んでしまいますよ。雨の日におすすめなのが、雨にちなんだ童謡。
- あめふり
- あめふりくまのこ
- かたつむり
- かえるのうた
- てるてる坊主
雨にちなんだ童謡はたくさんあります。「てるてる坊主」の歌を導入として皆でてるてる坊主作りをしたり、かえるの歌やかたつむりを歌ったら、製作に発展させたりと他の活動の導入としてもピッタリです。
雨の楽しさを感じられる歌を選んでくださいね。
風船遊び
風船遊びは、手軽に室内でからだを動かすことのできる遊びです。風船を投げたり弾いたり思いきり身体を動かして遊びましょう。また、工夫次第ではさらに遊びを広げることができます。
- 箱の中に風船を入れて楽しむ、風船玉入れ
- フラフープを用意して風船の輪くぐり
- 好きな色の風船に顔を書いておばけづくり
- ビニール袋をふくらましてちょっと変わった風船づくり
風船遊びと一言で言っても、さまざまな遊び方があります。4,5歳児クラスになったら、子どもから遊び方のアイデアを募集しても楽しいですよ。
段ボールで秘密基地を作る
保育室全体を使ってダイナミックな遊びがしたい!と思ったときには、段ボールを使った遊びが最適です。段ボールをたくさんつなげて部屋を作ったり、広げてトンネルを作ったり…。アイデア満載の秘密基地のできあがりです。
3歳以上児クラスでしたら、基本的には子どもたちに任せましょう。保育士は難しい部分だけを手伝います。自然と友達と協力することも学んでいきますよ。夢中になって作ること間違いなしなので、じっくりと遊び込めるように時間を設けてくださいね。
0,1歳児クラスでは、保育士が段ボールのおうちを作って遊びましょう。窓から顔を出したりボールを入れたりするのが好きなので、窓は必須です。2歳児クラスでしたら、保育士が組み立てた基地に、子どもたちが色を塗ったりシールを貼るなど、共同で作れると良いですね。いつもとは違うダイナミックなお絵描きに、子どもたちは大喜びです。
粘土を使っての工作
指先を使って遊び込める粘土遊びは、幼児期にぜひ取り入れたい室内遊びです。集中して遊ぶことができるので、雨の日でなんだか落ち着かないというときにもおすすめ。年齢によって材料や遊び方を変えることで、どの年齢でも楽しむことができますよ。
3歳以上児では油粘土も楽しめますが、雨の日には特別感を演出するためにも紙粘土に挑戦してみましょう。紙粘土で形を作るだけではなく、紙コップに張り付けたりビーズで飾ってみたりと、他の材料も使うことで遊びがどんどん広がります。5歳児クラスでは、箱に紙粘土で作った食べ物をつめてお弁当作りもおすすめ。色の付いた紙粘土を使う方法もありますし、紙粘土は1週間ほどするとほぼ乾きますので絵具で色を塗ることもできます。遊びを通して作品を作る楽しさも感じることができますよ。
1,2歳児クラスでおすすめなのが、小麦粉粘土です。材料が食材なので、小さな子どもでも安心して遊ぶことができます。
材料は小麦粉・水・塩のみ。作り方もとても簡単です。
小麦粉と水を3対1の割合、小さじ1の塩をボールに入れてよく混ぜ合わせます。これで小麦粉粘土の出来上がり。
小麦粉粘土ならではのフワフワとした柔らかな感触に子どもが夢中になること間違いなしです。なんだかぼそぼそするという場合には、サラダ油をひとたらしすると滑らかな感触になりますよ。食紅で色を付けるとカラフルな粘土になり、さらに遊びが広がります。
食材でできていますが、誤飲には十分注意してください。また、小麦粉アレルギーの子どもがいるクラスでは控えましょう。口に入れる恐れがある場合には、ビニール袋に入れた小麦粉粘土を触って感触を楽しむ方法もありますよ。
ルールのある遊びが楽しめる椅子とりゲーム
椅子とりゲームは室内でできるポピュラーな遊びです。
【遊び方】
- 子どもの人数よりも1つ少ない数の椅子を円にして並べる(座席を外側に向ける)
- 子どもが椅子の周りに立つ
- 音楽が流れたら椅子の周りを歩く
- 音楽が止まったら椅子に座る
- 座れなかった子どもは輪から外れて応援係
- 1つずつ椅子を減らしていき、最後の1つの椅子に座った子が優勝
ルールを理解する必要がありますが、実際に見本を見せれば2歳児でも十分に楽しむことができます。勝ち負けが決まることで悔しがったり涙する子どもも…。しかし、それも良い経験です。子どもたちは喜んだり悔しがったり、友達を応援したりと大いに盛り上がります。音をよく聞くことや瞬発力も身に付きますよ。
雨の日の戸外遊び
雨の日だからと言って、室内遊びだけと決まっているわけではありません。雨の日だからこそ楽しめる、戸外遊びを見ていきましょう。
あえて雨の日に散歩をする
雨の日が続く時期にぜひ取り入れたいのが、雨の日のお散歩です。
用意する物は、長靴と雨がっぱ。事前に保護者の方に伝えて、持参してもらいましょう。
おすすめの天気は、しとしとと弱い雨が降っているときです。大雨や風が強い日は、危険ですのでおすすめできません。
お散歩に行ける状態の雨であることを確認したら、雨がっぱを着ていよいよ雨のお散歩です。雨の日は滑りやすいので距離は短く設定しましょう。初めは園の周りを一周するだけでも十分です。ゆっくりと歩きながら雨の音を聞いたり、水たまりに入ってみたり…。いつもとは違う外の雰囲気に、子どもたちは興味津々。いつも通っている散歩道も何だか違って見えます。「また行きたい」と子どもから声が上がるほど、人気の活動です。
雨音を楽しむ容器遊び
雨の楽しみ方の1つが音です。雨は当たる場所によって全く違う音を聞かせてくれます。そんな雨音を楽しむ戸外遊びが、容器を使った遊び。園庭にさまざまな容器を置いて、音の違いを楽しんでみましょう。
【おすすめの容器】
- お鍋
- フライパン
- お弁当箱
- プラスチックの紙皿
- 紙コップ
- プラスチックのコップ
- 陶器
- ガラスのお皿
子どもたちにもどんな容器で試してみたいか、アイデアを出してもらってくださいね。同じ材質でも大きさや深さでも音が変わります。子どもの興味を引き出す活動となりますよ。
雨の日のどろんこ遊び
晴れた日でも子どもたちが大好きなどろんこ遊び。雨の日は全てが水を含んだ泥ですので楽しさは倍増!握って泥が手から流れる感触を楽しんだり、地面に手形や足型をたくさんつけてみたり…。泥の中に石を隠して宝探しも盛り上がります。
ただ、洋服も雨がっぱも泥だらけになりますので、保護者の方に汚れても良い洋服を用意してもらってくださいね。
雨の日遊びの注意点
雨の日は楽しい遊びをたくさん取り入れることができますが、雨の日だからこその注意点もあります。雨の日の遊びで気を付けたいことを見ていきましょう。
体調管理や風邪対策
雨にぬれるとからだが冷えますの、風邪をひいてしまうことも。雨の日の戸外遊びをしたときには、必ずタオルを持参しこまめに拭くように配慮しましょう。また、どんなに楽しんでいても戸外遊びは短い時間が基本です。室内に戻ってきたら、ぬれた服を着替え温かくして過ごしてくださいね。
もう1つ気を付けたいのが登園時です。登園時にも雨にぬれてしまった場合には、服を着替えさせてあげてくださいね。保護者の方も使えるように、玄関や保育室にタオルを用意しておくと親切です。雨の日は気温が下がることも多いので、ぬれたらすぐに拭くこと。温かくして過ごすことを心掛けましょう。
子どものストレス対策
雨で戸外に出られないと子どものストレスがたまり、トラブルも多くなります。
まずは、ストレスを発散できる活動を取り入れましょう。室内でも思いきりからだを動かしたり、ダイナミックな遊びがおすすめです。少し外に出るだけでも気持ちが晴れますので、戸外遊びも検討してみてくださいね。
また、室内でも雰囲気が変わると気分が変わることも。クラスでの活動だけではなく、他クラスとの交流を持って遊ぶことで遊びが広がります。保育園探検で、いつもは入らない職員室や給食室などをのぞかせてもらうのも良いですね。
もう1つ注意したい点が、子ども同士のトラブルによるけがを防ぐことです。ストレスがたまると攻撃的になったりとトラブルが増えます。けがにつながりそうなときには仲裁に入り、安全に過ごせるようにしましょう。あまりにもトラブルが多いときには、クラスを半分に分けて遊んだり、一人ひとりがじっくりと遊び込める遊びを取り入れることも効果的です。
遊びのレパートリーを増やしておく
朝は降っていなかったのに、お散歩に行こうとしたら雲行きが怪しい…ということも少なくありません。そんなときに、「今日は雨の日用の遊びを用意していないからやることがない」では困ってしまいますよね。そうならないためには、日頃から遊びのレパートリーを増やしておくことが大切です。
今度雨が降ったらこの室内遊びをやってみようと考えておけば、雨の日も楽しみになりますよ。雨の多い時期には、雨にちなんだ絵本や紙芝居などをあらかじめ選んでおくこともおすすめです。
雨の日だから仕方なくではなく、雨の日だからこそ楽しい遊びをたくさん子どもたちに提供してあげてくださいね。
まとめ
雨の日こそ保育士の腕の見せどころです。工作やゲーム、からだを使った遊びなど、子どもたちが飽きずに楽しめる特別な活動を取り入れて、「雨の日って楽しい」と感じてもらいましょう。ポイントは保育士自身が楽しむこと。室内でのゲームも見守るだけではなく、一緒に参加してしまって良いのです。戸外遊びでは、保育士もレインコートを着て思い雨の日のお散歩を楽しみましょう。保育士が楽しんでいると、子どもたちにも楽しさが伝わりますよ。
注意点に配慮しながら、雨の日ならではの特別な1日を子どもと一緒に過ごしてみてくださいね。