おやこのひきだし
2019.04.19
子どもを伸ばす「褒め方」を紹介。正しく褒めて子どもを伸ばす!
子どもの褒め方は難しいですよね。「褒めようと思っていたのに叱ってしまう」「褒められたことで子どもが満足してしまい、手を抜いてしまうのではないか」「そもそも褒めることが本当に子どもの成長につながるのか分からない」など、子どもを褒めることに対して悩む保護者の方が多いのではないでしょうか。
褒めることは子どもの成長に良い影響を与えると考えられています。しかし、褒め方次第では逆効果となってしまうこともあるからです。
そこで今回は、子どもを伸ばすにはどのような褒め方をすればいいのか、褒めるときの注意点は何かについて詳しくご紹介いたします。褒め方を知り、子どもの可能性をひろげましょう。
正しい褒め方をすれば子どもは伸びる
正しい褒め方をすれば、子どもは伸びると考えられています。そうとはいえ、「子どもが褒められたことに満足して、やるべきことをやらなくなるのではないか」「生活するうえで当たり前のことなのに、褒められるためにやろうとするのではないか」など、子どもを褒めることに疑問を感じる人もいるはず。
また、過去には褒める育児は間違いだと言われたことがありました。たしかに褒める育児を行ってきたことにより、今現在子育てに悩む保護者の方がいるのは事実。
こうなると、褒めることは悪いことのように思えるかもしれませんが、褒めることは子育てに必要なことです。問題があるのは褒めることではなく、褒め方なのです。
子どもを正しく褒めれば、子どもにとってメリットばかりですよ。
褒めることは子どもを認めること
褒めるということは、子どもを認めるということです。
子どもは、褒められることが好き。褒められるとうれしくなってやる気を出したり、素直に親の言葉に耳を傾けるようになります。親としては、子どもに小言を言う機会が減ればお互いにストレスが無くなるものですよね。
しかし間違ってはいけないのは、褒めることは褒め殺しをすることではないということです。のちほど詳しくご説明しますが、ただ単に褒めてばかりではデメリットとなるでしょう。
褒めるとは子どもを信じて認め、心身ともにサポートしていくこと。その結果、自主性が育ち能力を高まるのです。つまりたくさん子どもを褒めたほうが、健全な育成に繋がるのですね。成長に悪影響があるのでは…と考えず、正しい方法で積極的に褒めてあげましょう。
褒めて伸ばす子育ての効果
まずは、褒めることが子どもにどのような効果をもたらすのかについて見ていきましょう。
子どもが自信を持つ
子どもは親から褒められることで、認められたと感じるもの。それによって、自己肯定感が養われます。自分自身の存在価値を認識して、自分を大切に思うことができるのです。他人に対しても、思いやりを持って接するようになるでしょう。
また、褒められることで自信を持てるようになるとポジティブ思考になるので、物事を前向きに捉えることができます。自分の気持ちをしっかり主張することもできるようになりますよ。前向きな考えや、自己主張ができることは将来仕事をするうえでも必要なことです。
親が正しい褒め方をすると、子どもの心の成長を促し、将来にも役立つということです。
失敗を恐れないチャレンジ精神が育つ
褒められて自信がつくと、積極性が生まれます。失敗しても、また次にチャレンジすることができるのです。
その反対に、褒められずに育った子どもは失敗すると自分を卑下して、やる気がでないもの。いつまでもクヨクヨしてしまい前に進めないことが多いでしょう。
失敗を恐れないチャレンジ精神を育むためにも、褒めることは大切です。褒められてうれしいという気持ちが、やる気につながりますよ。
子どもを伸ばすための具体的な褒め方とは?
それでは、具体的にどのように褒めればいいのでしょうか。子どもへの正しい褒め方について見ていきましょう。
子どもに関心を持つ
まずは、子ども関心を持つことが大切です。なぜなら、正しく褒めるにはタイミングが重要だからです。昔のことを引っ張り出して褒めても、子どもはどうして褒められたのか理解しにくいもの。
できたときに褒めることができるように、日々子どもに関心を持ちましょう。できること、できなかったこと、今どのようなことにチャレンジしようとしているのか、子どものささいな変化に気付くことで、ベストなタイミングで褒めることができますよ。
また、子どもは親から関心を持たれていることを知るので、親子の仲も深まるといったメリットもあります。
子どもと一緒に喜ぶ
親子関係は上下関係ではなく対等で、お互いに認め合う関係です。うれしいこと、楽しいことなど、一緒に分かちあうと良い関係を築けます。
褒めるときも、子どもが「できた」ことに対して一緒に喜びましょう。うれしいという気持ちを共有すると、子どもの心に残りやすくなります。つまり褒める効果が得られやすいということです。親にとってはささいなことかもしれませんが、子どもにとってはこの経験が今後の糧になるものです。
どこがよかったのか具体的に褒める
「すごいね」「えらいね」と褒めるより、どういうところが良いと感じたのか、子どもがどれくらい頑張ったからできるようになったのかなど、具体的に褒めるようにしましょう。ひと言で伝えるよりも、具体的に褒めた方が子どもに伝わりやすいからです。
ただし、具体的に褒めようとして誰かと比べてしまうのは控えましょう。「~ちゃんよりも○○ができてえらいね」と、誰かの評価を下げて子どもを褒めてはいけません。褒めて競争心を煽り、やる気を出させたいという意図があるのかもしれませんが、これは逆効果です。他人を見下し、優越感に浸る癖がついてしまう可能性があります。
比べるなら「できなかった」ときの子どもと比べましょう。「前はできなかったけど、○○ちゃんが頑張ったからできるようになったんだね。すごいね。」というように、過去と比べて褒めるのがポイントです。
行動やチャレンジした過程を褒める
できなかったことができるようになったときは、誰でもうれしいもの。ぜひ、子どもが「できた」ときは、たくさん褒めましょう。
しかし、結果だけに注目するのではなく過程を見て褒めることも大切ですよ。子どもはそこに至るまで「できない」という葛藤を乗り越えて努力してきたはずです。大人にとっては容易いことだとしても、子どもにとってはチャレンジの連続。
「一生懸命頑張っていたね。」というように、過程を認めることで子どもはさらにのびます。
感謝の気持ちを伝える
褒めることは「えらいね」という言葉だけではありません。「ありがとう」と、感謝の言葉を伝えたり、「○○ちゃんが手伝ってくれたから助かったよ」という言葉も子どもからすると褒められていると感じます。
誰かのために何かをしてあげて、感謝されるという経験は大切なこと。子どもは一人の人間として頼られて感謝されると誇らしく、自信を持つようになります。
どうやって褒めようと考えるよりも、子どもにしてもらったことに対して素直に感謝の気持ちを伝えましょう。親の姿を見て、子どもも人に対し、素直な心で感謝できるようになりますよ。
褒めるときに注意すること
褒めることは子どもを伸ばす効果があるのですが、褒め方を間違うとデメリットになることがあります。褒めるときはどのようなことに注意しなければならないのか、気をつけるポイントをご紹介いたします。
なんでも手放しに褒めない
褒めることは、叱らないことではありません。なんでも手放しに褒めてしまい、ダメなことを叱らずにいると子どもを伸ばすことができないのです。
叱ることは、子どもにとって必要なことです。親が悪い言動を肯定してしまうと、子どもは間違ったことに気付けないまま成長してしまいます。
また、過度に褒め過ぎてしまうと現状で満足してしまい、子どもの向上心が育まれないというデメリットもあります。特に学力やスポーツで結果が求められるシーンで、過程ばかりに注目してしまうと、失敗しても次に頑張ろうという意欲が湧かないことがあるのです。
かわいい子どもには、ストレスがない環境で育ってほしいと願う気持ちは分かりますが、適度なストレスは精神面を鍛えます。叱られることで、メンタルが強くなることがあるのです。
大切なのは叱るポイント、褒めるポイントを見極め、メリハリをつけることです。いざというときに力を発揮できる、本番に強い子どもは精神的に強い部分を持っているもの。
褒めることと甘やかすことの違いについて考えてみましょう。褒め殺しは、子どもの成長にいい影響を与えませんよ。
子どもの結果だけにこだわらない
チャレンジしたことが、必ずしもいい結果になるわけではありませんよね。失敗することは多いはず。
親としては、結果が出たときのほうが褒めやすいものですが、結果だけを褒めてしまうと子どもは自分の得意分野だけをしようとしてしまいます。これではチャレンジ精神が養われませんよね。それに、子どもが「結果が全て」だと思い込んでしまうと、失敗したことに対して思いつめてしまうことがあるのです。
先述したとおり、たとえ失敗しても結果に至るまでの過程を褒め、次に続くようにサポートしていきましょう。もしくはチャレンジしたという事実も成長の証。失敗は成功のもとと言われるように、失敗から学ぶことが多いことを子どもに伝えていきたいものです。
「できた」という結果だけではなく「できなかったけど努力した」という過程も見てあげてくださいね。ただし、過程も結果も、褒めすぎると逆効果になるので適度な言葉かけを心掛けましょう。
子どもの個性に合わせて褒めることが大切
褒めることは、子どもの健全な心と体を育てるうえで大切なことです。正しく褒めると、子どもが得られる効果は大きくなります。
しかし、褒めようと思っても褒めることができないと悩む親は意外と多いもの。子どもの性格は十人十色です。誰一人として同じ性格の子どもはいないので、褒めるポイントが多い子ばかりではありません。手がかからない子であれば、親は叱ることよりも自然と褒める言葉が多くなります。その反対に、手がかかる子であれば褒めるポイントを探す方が難しいという場合があるはず。
後者の場合、褒めることにこだわりすぎると間違った褒め方をしてしまうことがあります。子どもにとって、叱られるべきところで放っておかれるのは成長に悪影響を与えます。褒めることだけにこだわるのではなく、子どもの個性に合った褒め方をすることが大切ですよ。
手がかかる子ほど、将来の可能性がひろがるとも言われます。褒めることができなくても、悲観しないようにしましょう。
まとめ
子どもの褒め方は、親にとって難しい問題です。正しく褒めれば、子どもの可能性を伸ばすこと、健全な育成を図ることにつながります。しかし、子どもが間違った行動をしたときに叱らなかったり、褒めすぎてしまったり、褒めるタイミングを誤ったりすると、逆効果となるのです。
褒めるときは日頃から子どもに関心を持ち、褒めるポイントを見極めましょう。そして「できた」ことを一緒に喜んだり、結果に至るまでの過程を褒めたりすることが大切です。感謝の気持ちを伝えることも効果的ですよ。
褒め上手になって、子どもの無限の可能性をひろげましょう。