おやこのひきだし
2019.04.19
友だちとのトラブルにはどう対処する?子どもの年代別に対処法などを紹介
子どもと友だちの間にトラブルが起きたとき、保護者としてはどのように対処すればいいか悩むものです。親の介入は必要なのか、トラブルが起きたときの子どもへのケアをどうすればいいのか、ケガをさせてしまったときの相手の親御さんへの謝り方など、気をもむことばかり。
子どもが友だちとのトラブルが多い場合や、保育園や幼稚園のトラブルへの対応に不満を持っているときはなおさら、気が気ではいられないものです。
そこで今回は、友だちとのトラブルにはどのように対処すればいいのかについて、年代別に詳しくご説明させていただきます。対応方法を知れば、感情的にならずに落ち着いて行動できるものです。
トラブルが起きたときの基本的な対応
まずは、トラブルが起きたときの基本的な対応について見ていきましょう。トラブルが起きたとき、複雑な感情がわき上がるものですが、冷静に対処することが大切です。
子どもが自分で解決できるように見守る
トラブルが起きたときは、子どもが自分で解決できるように見守りましょう。見守るといってもトラブルを見て見ぬふりをすることではありません。子どもから助けを求められたときは話を聞き、対応することが必要です。
しかし、子どもが話したくないのに根掘り葉掘り聞いてしまうのは逆効果になることもあります。介入してほしくないのに、保護者の方が積極的にトラブル対応するのもよくありません。
子どもの様子を気にかけながら、いつも通り接することが大切です。リラックスできる環境があることによって、思いつめていた心が軽くなることがあるからです。
大切な子どもがトラブルを抱えて悩んでいると、いてもたってもいられないものですが、子どもの力を信じることも必要です。トラブルを乗り越えた先に、成長があります。
幼いと思っていた子どもでも、自分で解決できる力を持っているものですよ。
子どもから話を聞く
子どもが友だちとのトラブルに悩んでいるときは、じっくり話を聞きましょう。トラブルを起こした側、傷つけられた側のどちらの立場であっても、最後まで話の腰を折らずに聞くことが大切です。叱ったり、励ましたりするなど、一方的に大人の考えを押し付けてしまうと、子どもは話すことを止めてしまいます。話を聞くときはトラブルの状況だけではなく、どんな気持ちでしてしまったのか、どんな気持ちになったのか、子どもの心に寄り添い、受け止めるのです。
こうすることで、子どもは保護者の方を信頼できる相手だと認識して安心感を持ちます。次第に、不安定な心が安定してくるでしょう。
ただし、都合の悪いことは言わないことがあります。もし自分が悪いことをした自覚があるから、なおさら、保護者の方としては子どもの話の全てを信じたいところですが、そこから真実を見極めることが必要です。友だちだけを悪者にしてしまい、子どもはおとがめなしの状態だと間違いを正すことができないからです。バレなければいいと考えてしまったら、間違いを繰り返してしまいます。
友だちやクラスメイトの親御さんから話を聞く
滞りなく会話ができるくらいの年齢の子どもなら、他のクラスメイトに話を聞いてもいいでしょう。同じ部屋でトラブルが起きているなら、友だちも見ているはず。話を聞くことで、客観的に状況が把握できます。
また、クラスメイトの親御さんから話を聞くこともおすすめです。保護者間でコミュニケーションをとることでトラブルの状況を把握できますし、助けてもらえることもあります。
担当の先生に話を聞く
友だちとトラブルが起きたときは、担当の先生に状況を聞きましょう。子どもの話だけを聞いてしまうと、都合のいいことだけを信じたくなるもの。状況はどうであれ、かばいたくなるのが親心です。しかし、感情が入ってしまうと冷静に判断できないので、トラブルを解決させることができません。
担当の先生に話を聞くと、どうしてトラブルが起きたのか、原因と状況を知ることができまるかもしれません。正しく対応するには、まずトラブルについて把握しなければなりません。
また、担当の先生に相談すると今後子どもを気にかけて、積極的に対応してくれるようになるので、1度相談してみるとよいでしょう。
必要に応じてお相手の親御さんに謝罪
もし、友だちにケガをさせてしまったら、子どもの前で相手の親御さんに謝りましょう。相手にも悪いところがあるのに…と、いろいろと思うところがあるかもしれません。言い訳をしたり、相手を責める気持ちもわき上がるはず。
しかし、どのような理由があってもケガをさせてしまったのが事実であれば、真摯(しんし)に受け止めて、謝らなければいけません。なあなあに解決させてしまうと、子どもの成長に悪影響を与える可能性があります。ケガをさせても許される、間違いを犯しても肯定してくれる親がいると勘違いをしてしまうのです。
親がトラブルに対しどのように向き合うのか、子どもは見ているもの。相手の親御さんに頭を下げ、謝る姿は子どもにとって衝撃的な姿です。そのため心に残りやすく、この先間違いが起きそうになったときのストッパーとなります。
守ることだけが正しいことではなく、間違いを正す為に厳しく接することが必要です。
年代別の友だちとのトラブルとその対応について
次に、年代別で起こりやすい子ども同士のトラブルと、対応について見ていきましょう。
保育園・幼稚園
保育園や幼稚園に通うようになった子どもが起こす友だちとのトラブルは、保護者の方が初めて経験するものではないでしょうか。焦る気持ちを抑え、落ち着いて対応したいところです。
おもちゃの取り合いでけんか
保育園や幼稚園に通う年代の子どもたちにとって、おもちゃの取り合いは日常茶飯事。分かっているつもりでも目の前でけんかが始まると、相手の親御さんのことも気になり、早く解決させなくてはと焦りますよね。多くの場合、自分の子どもを叱り、我慢させてしまうのではないでしょうか。
しかし、大人の感情を押し付けられても、子どもにとっては納得できることではないでしょう。1歳児までなら、ほかのおもちゃに気をそらすことでトラブルを回避することができます。2歳児以上になると自我が強くなるので、一筋縄ではいきません。
解決策としては、「○○ちゃんも遊びたかったよね」と、おもちゃで遊びたい気持ちを肯定します。そして、そのうえで順番を守ることの大切さを伝えましょう。頭ごなしに言うよりも、肯定してからの方が伝わりやすくなります。当然、1度で理解してもらうのは難しいのですが、繰り返すうちにルールが身につきますよ。
噛む、引っかく、叩くなど攻撃をした・された
保育園や幼稚園では噛む、引っかく、叩くなど攻撃性のあるトラブルも起こりやすいです。集団生活の中には自分の思い通りにいかないときに攻撃してしまう子、攻撃を受けやすい子などさまざまな子がいます。攻撃性があるトラブルは、言語が発達し、意思の疎通がとれるようになると次第に減っていくことが多いでしょう。
トラブル対応ですが、まず先生に状況を聞きましょう。どうしてケガにつながったのかを把握し、今後注意深く見てもらうようにお願いするのです。もしトラブルが絶えないようなら、子ども同士の距離を離してもらう対応も必要です。
攻撃を受けやすい子どもなら、嫌なことははっきりと伝えることの必要性を教えます。攻撃を受けやすい子は大人しく、何をしてもやり返してこないタイプが多いようです。攻撃を受けないためにも、「やめて」と大きな声で言えるように練習したり、トラブルが起きる前に暴力的な友だちから逃げることを提案します。間違っても、やられたら暴力で返すことを教えてはいけませんよ。
攻撃をしてしまう子どもには、人を傷つけることは絶対にしてはいけないことだと教えましょう。理由はどうあれ、噛むこと、引っかくこと、叩くことは間違いです。根気強く伝えましょうね。
友だちの輪に入れてもらえない
子どもは気分屋さんが多いです。そのため、仲間外れにされたり、次の日には仲良くしたりというのはよくあること。
しかし、この状態が続くようであれば先生に相談してフォローしてもらいましょう。また子どもに対し、グループ以外のお友だちと遊ぶことを提案してみます。グループに固執するのではなく、新しい関係を作ることも選択肢のひとつだと伝えるのです。
いじわるをしてくる子どもがいるなら、あえて保護者の方から「いつも遊んでくれてありがとう」と言ってみましょう。子どもは責められると反発心が生まれますが、感謝されると負い目を感じていじわるをしにくくなるのです。いじわるをしてくる子どもの親御さんと仲良くするのも牽制(けんせい)になります。
小学校低学年のトラブル
ついこの間まで保育園や幼稚園に通っていた子どもたち。大きなランドセルを背負った姿を見て成長を感じるものですよね。親御さんとしては、友だちとのトラブルが起きないことを願うものですが、小学校低学年になると保育園や幼稚園のような手厚い保育がありません。トラブルの状況によっては、学校だけに任せるのではなく、保護者の方が子どもと一緒になって解決させる必要性がでてきます。
仲間外れにされた
小学生になっても、仲間外れのトラブルは引き続き起こります。保護者の方としては、友だちとのトラブルに悩む子どもの姿を見て胸が痛くなるものですよね。
子どもが仲間外れにされたら、まずは本人から話を聞きましょう。悩みを吐き出すだけでも、心が軽くなることがあります。そして、仲間外れが続くようなら先生に相談したり、トラブルになっていない友だちの親御さんと話をして詳しい状況を把握するのです。周囲に味方を作り、子どもが孤立したり傷つけられることがあったらフォローしてくれるように頼むと心強いかもしれません。
もしくは、習い事を始めて新しい人間関係を作るのも効果的です。自分の居場所が見つかると気持ちが楽になるものです。
けんかをしてケガをさせてしまった
子どもは成長途中。加減が分からず、けんかをしてケガをさせてしまうことがあります。
原因は、思い通りにならないことでむしゃくしゃしてしまうのはもちろんのこと、自分の気持ちをうまく言葉で伝えられずに手が出てしまうことが考えられます。
しかし、暴力は間違いです。子どもが理解するまで、根気強く教えていかなければなりません。
また、暴力を振るう子どもはストレスを抱えている可能性もあります。イライラしているので、怒りの沸点が低くなり攻撃的になるのです。友だちに攻撃を加える子どもに悩むときは、保護者の方だけではなく、兄弟との関わり方、他にストレスの原因となることがないか考えましょう。そして、なるべく子どもと触れ合う時間を増やし、気持ちを満たしてあげるのです。子どもの精神状態が安定すると攻撃性が和らぎます。
日頃から子どもとコミュニケーションをとるとトラブルに気がつける
保護者の方に対し、自分からトラブルについて言える子どもばかりではありません。特に自分が起こしたトラブルなら、怒られるかもしれないと思い隠してしまいがち。もしくは、心配をかけたくないと子どもながらに思い、一人で悩んでしまうこともあるでしょう。
しかし、トラブルを抱えている子どもは、多少なりとも様子が異なる部分が出てくるはず。いじめの対象になっている場合は、子どもの私物が汚されたり無くなるなどの変化があります。
子どもの心境の変化、トラブルの有無に気付くためには日ごろからコミュニケーションをとることが大切です。会話をする機会を作ったり、一緒に過ごす時間を充実させることで大切なことに気付けるものです。
まとめ
子どもが友だちとトラブルになったとき、どう対処したらいいのか悩む保護者の方は多くいます。トラブルを起こしてしまった場合、トラブルによって傷ついた場合、どのような立場に置かれても保護者の方にとって穏やかな気持ちではいられないもの。
親の介入についても悩むところですが、トラブルが起きたときは子どもの力を信じて見守ること、話をじっくり聞くことを心がけましょう。状況によっては先生に相談したり、相手の親御さんに謝る必要性もでてきます。
また成長するにつれて子どもの心は複雑になり、トラブルを隠そうとするでしょう。ささいな変化に気づくためにも、日頃から子どもとコミュニケーションをとることが大切です。トラブルが起きてからではなく、保護者の方が子どもにとって安心できる居場所を用意しておくと悩みに押しつぶされることはなくなります。