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おやこのひきだし

2019.03.11

外遊びのメリットと、知育効果が期待できる外遊びを紹介

外遊びは、体力向上以外にも子どもの健全な成長につながる効果がいくつもあります。子どもたちの運動能力や体力の低下、心の発達が問題視されている現状において、外遊びへの関心が高まっているのです。

 

それなら積極的に子どもと外で遊ぶ時間を作りたいところですが、どうやって遊べばいいのか分からない人が多くいるようです。遊び場が減っていることや、安全面を考慮して家で遊ぶ機会が増えていることが原因かもしれません。

 

そこで今回は、外遊びのメリットとおすすめの外遊びの種類についてご紹介いたします。保護者の方から声をかけ、子どもと一緒に外遊びを楽しみませんか?

 

外遊びのメリットって?

外遊びには、どのようなメリットがあるのでしょうか。それぞれ見ていきましょう。

 

基礎的な体力、運動能力の向上

外遊びをすると、基礎体力や運動能力が鍛えられます。運動能力が低下すると、体をうまく使えずにケガをしやすくなります。

 

外遊びは、単純な動きばかりではありませんよね。決められたルールを守りながら、走ったり止まったり、手指を動かしたりといった複雑な動作が求められます。これらが脳の発達を促し、運動能力を高める効果があると言われているのです。

 

つまり外遊びによる運動能力向上は安全に、そして健康的に生きていくためにも必要なこと。ぜひ、外遊びを通じて運動能力を高めていきたいところです。

 

健康的な体づくり

外遊びは健康的な体づくりに効果があります。

外遊びが体や心に与える影響を下記にまとめました。

 

  • 太陽の光を浴びることで基礎代謝があがる
  • 体を動かすことで心肺機能が高まる
  • 空腹感を感じることで食欲がわく
  • 睡眠の質があがる
  • 生活のリズムが整う
  • 運動することでストレス発散となりポジティブ思考につながる

 

これらを見ても、外遊びと健康との関係が深いことが分かりますよね。事実、生活習慣病は大人だけの病気だと思われがちですが、体を動かす機会が減っている現代の子どもたちも病気にかかるリスクが高くなっているようです。また、気だるさや睡眠不足、精神面での問題を抱える子どもたちが増えていることも危惧されています。

 

心身ともに健康で過ごすためにも、積極的に外遊びをすることが推奨されているのです。一緒に遊ぶ大人も適度な運動をすることで健康でいられますし、積極的に外遊びを取り入れましょうね。

コミュニケーション能力を高めることができる

子どもは、外遊びを通じて協調性の大切さを学びます。幼い子どもほど保護者に甘えてしまい、イヤイヤになってしまいがち。保護者の方が妥協してしまうことも多いのではないでしょうか。けれども、子どもはこのままずっと自我を通して生きていくことはできませんよね。

 

子どもは友だちと外遊びをすることで、楽しく遊ぶためにはルールを守らなければならないこと、周囲と協力し合う必要があること、我慢しなければならないことなど協調性を学びます。例えば、公園の遊具も順番を守る必要がありますよね。自分だけが使っていると、友だちと衝突する原因となってしまいます。

 

このように外遊びは、子どもの社会性を育てることにも役立つのです。

 

積極性が身につく

外遊びをすることで、子どもは積極性が身につきます。友だちの行動が刺激となり、自分もやってみたいと気持ちになるもの。子どもは、子ども同士で刺激し合い、成長していきます。もし失敗しても、うまくやるためには次はどうすればいいんだろう…と、自分で考えて行動するようになるのです。

 

自分で考える力、積極的に行動する力は生きていくうえで大切な要素です。外遊びから学べることは、とても多いことが分かります。

 

自然を感じることは人格形成にいい影響を与える

自然を感じることは、子どもの人格形成にいい影響を与えるとされています。

 

自然は変化します。暖かい季節には色とりどりの花が咲き誇り、風が心地いいもの。次第に空気が冷たく変化したことによって、冬の訪れを感じます。

 

外遊びをすると、自然の変化を肌で感じることができるでしょう。これらは五感を刺激し、子どもの心を豊かにしていくのです。

 

道具を使わないおすすめの外遊び

それではまず、道具を使わないおすすめの外遊びをご紹介します。用意するものがないので、すぐに遊び始めることができますよ。

 

鬼ごっこ

鬼ごっこは子どもに人気の遊びのひとつ。遊び方は、鬼を決めたら、鬼役になった人は誰かを捕まえるためにみんなを追いかけます。鬼に捕まった子どもは次の鬼役になり、また追いかけるという単純なルールです。鬼から逃げるスリルで、盛り上がること間違いなし。幼児から、小学生までみんなが一緒になって遊ぶことができますよ。

 

また、鬼ごっこには下記のようにさまざまな種類があります。

・色鬼

鬼が指定した色がついた物を触っていれば、鬼役につかまらないというルールです。

・氷鬼

鬼にタッチされると、氷になって動けなくなるというルール。仲間にタッチされるとまた自由になります。

・手つなぎ鬼

鬼にタッチされたら、鬼と手をつないで仲間になります。鬼は交代制ではないので、捕まえるたびに次々と鬼が増えていくのです。手をつないだ鬼が4人になったら分裂し、2組に分かれて、逃げる人を追いかけます。

 

定番の鬼ごっこに慣れたら、新しいルールにもチャレンジしてみましょう。どれもスリル満点なので、子どもたちは喜んでくれるはずです。

 

 

だるまさんがころんだ

“だるまさんがころんだ”という外遊びのルールは簡単ですが、スリルを味わうことができる子どもが好きな遊びです。

 

詳しい遊び方を見ていきましょう。

  1. 鬼を決めたら鬼役の人は木や遊具などに向かい、目をつむって立ちます。
  2. 残りの人は、背を向けた鬼から離れて一列に並びましょう。
  3. 鬼が「だるまさんがころんだ」と言うので、並んだ子どもたちは言い終わるまでに、できるだけ鬼の側まで移動し、「ころんだ」という掛け声を聞いたら体を動かしてはいけません。
  4. 鬼は言い終わったら、すぐに後ろにいる子どもたちを確認し、体が動いた人の名前を言います。
  5. 名前を呼ばれた人は鬼と小指をつないで、待機します。
  6. 鬼が全員を捕まえることができたら鬼役の勝ちとなり、はじめに捕まえた人と鬼役を交換します。もしも、誰も捕まえることができないまま他の子どもに体をタッチされたら鬼役の負けです。

 

また、鬼に捕まっても、他の子どもたちがこっそり鬼に近づいたときにつないだ薬指を「切った」と言いながら切るまねをすると自由になれます。鬼は、捕まえた人に逃げられたらすぐに「だるまさんがころんだ」と3回繰り返し、「ストップ」と叫んでみんなの動きを止めます。そして、切るまねをした子どもから何歩進んでいいのか指示をもらい、その分だけ進んでタッチすることができた子どもが次の鬼となるのです。

 

はないちもんめ

“はないちもんめ”は、昔から親しまれている伝承遊びのひとつです。

 

下記のような流れで遊びます。

  1. 2組に分かれ、それぞれのチームの代表者がじゃんけんをします。
  2. じゃんけんに勝ったチームから、わらべうたを歌いはじめます。
  3. 歌い終わったら相手のチームの中で仲間にしたい子どもの名前を言いましょう。
  4. 名前を呼ばれた子ども同士がじゃんけんをして、負けた方は相手チームの仲間になります。
  5. 相手チームに誰もいなくなるまでゲームが続くのです。

 

わらべうたは地域によって細かい部分が変わります。

引用:花いちもんめ(香川の子守唄) 『 子守唄さん こんにちは 』 NPO法人日本子守唄協会 編著より

 

公園内を散策して木の実や石を集める

これまではある程度の人数が必要な遊びでしたが、公園内の散策は少人数でも遊ぶことができます。決められた遊び方はないので、探検隊となって木の実やきれいな石を集めたり、石や草花の影に隠れている虫を観察してみるなど、子どもがしたいように自由に遊びましょう。目を凝らしてみると、意外な宝物を見つけることができるかもしれませんよ。

 

道具を使うおすすめの外遊び

次に、道具を使う外遊びをいくつか見ていきましょう。道具を使うと、少人数でも遊べるものが増えますね。

 

缶けり

缶を用意して、みんなで缶けりをして遊びましょう。

 

缶けりの遊び方は、下記の通りです。

  1. 鬼を決めたら、鬼役は缶を置く場所を決めます。
  2. 鬼以外の子どもが缶を蹴ったらゲームスタート。
  3. 鬼は缶を拾いに行き、さきほど決めた場所に置きます。
  4. 他の子どもたちは、鬼が缶を拾って戻ってくるまでに周囲に隠れます。
  5. 鬼は子どもたちを探し、見つけたらすばやく缶を置いている場所まで戻って缶を踏み、見つけた子どもの名前を呼びます。
  6. 鬼に見つかるよりも早く缶を蹴ることができたら、子どもたちの勝ち。鬼が全員を捕まえることができたら鬼役の勝ちとなります。

 

かくれんぼに似ていますが、それよりも少しレベルアップした外遊びです。

 

縄跳び

縄跳びは、少人数でも遊ぶことができます。少人数で遊ぶ場合は、個々で技を試したり、友だちと技を競い合ってもいいでしょう。縄跳びには、前跳び、後ろ跳び、二重跳びなどいくつもの技があります。はじめはできなくても、練習していくうちにコツをつかめるようになるので楽しさが広がります。

 

大人数で遊ぶ場合は、郵便屋さんという歌に合わせながら縄を飛んでみましょう。

遊び方ですが、「郵便屋さんハガキが10枚落ちてます。拾ってあげましょ」と歌いながら振り子のように揺れている縄の中に一人ずつ入ります。このタイミングで振り子のように揺れていた縄を大きく回します。

そして、「1枚」「2枚」と言いながら、地面に落ちているハガキを拾う仕草をして縄を飛ぶのです。見事、ハガキの枚数にあたる10回を飛ぶことができたら、「ありがとさん」と言って終わります。途中で失敗したら、次の子に交代しましょう。

 

シャボン玉を吹いて遊ぶ

シャボン玉が好きな子どもは多いです。公園でシャボン玉を吹いて、それを追いかけると楽しいですよ。大きさを変えてシャボン玉を作ってみたり、子どもと一緒に洗剤を使って自作のシャボン液を作るのもおすすめです。

 

シャボン玉の遊び方は無限大。オリジナルの遊びを見つけ、おもいっきり外で楽しみましょうね。

 

公園以外の外遊びには何がある?

遊ぶ場所は公園以外にもあります。ただし、子ども同士で行くには危険な場所もあるので、その場合は保護者の方の付き添いが必要です。

 

段ボール土手滑り

段ボールを使った土手滑りは、スリル満点の遊びです。慣れてきたら段ボールにひもを付けたり、裏にロウを付けて滑りをよくするなど、子どもと一緒に工夫を凝らし、オリジナルのソリを作るのも楽しいですね。

 

ただし、小さい子どもが遊ぶときは安全面を考え、必ず保護者の方と一緒に滑ることが大切です。また、転倒したときのケガを防ぐためにもできるだけ肌の露出を抑えたり、ヘルメットを着用すると安心ですよ。

 

河原で石を使って遊ぶ

河原で石を使った外遊びをしてみましょう。

例えば、石を川に投げて遊ぶ水切りはいかがでしょうか。遊び方は、平たい石を川と平行になるように勢いよく投げるだけ。うまくいくと、石が川の水面の上を弾むように飛んでいきますよ。成功の秘訣は、回転するようにスナップをきかせて石を投げることです。何度もチャレンジしていくと、少しずつコツをつかめるようになるでしょう。

 

その他にも、崩れないように石を積んでいく石積み、的に見立てた場所に石を当てて点数を競うといった遊びもできます。1~3歳くらいの子どもであれば、バケツに石を集めて運んだり、バケツをひっくり返して集めた石をばらまくだけでも楽しんでくれますよ。

 

ザリガニ釣り

池や川、田んぼの脇にある用水路でザリガニ釣りをするのも楽しいですよ。

ザリガニ釣りには以下のようなものが必要です。

・タコ糸

・割りばしか木の枝

・スルメ(ザリガニのエサ)

・バケツ

 

釣り方は、まずザリガニを釣るための竿を作ります。割りばしにタコ糸をくくりつけ、糸の先にスルメをつけます。それを池にたらすと、簡単にザリガニを釣ることができるのです。小さい子どもも簡単に釣りを楽しめますよ。

 

外遊びを楽しむために守りたいルールやコツ

外遊びを楽しむためには、いくつか守らなければならないルールやコツがあります。

 

年齢の違う子どもたちと遊ぶ機会を作る

外遊びをするときは、年齢の違う子どもたちと遊ぶ機会を作りましょう。子どもにとって自分の年齢よりも少し上の子どもとの遊びは、刺激的なできごとの連続。お兄さんやお姉さんのまねをしたいと思うことは、チャレンジ精神を育みます。

 

また、下の年齢の子どもと遊ぶと、今度はお兄さんやお姉さんになったという自覚が芽生えます。これまでは自分が1番下で甘えん坊さんだった子どもも、自分よりも小さい子どものために我慢しなければならないことを知るのです。

 

このように、年齢の違う年齢の子どもたちと遊ぶと、保護者の方や同じ年齢の子どもと遊ぶだけでは得られなかった刺激的な経験を積むことができます。外遊びを通じて、子どもの健やかな成長を促すことができるでしょう。

 

遊びに慣れたらアレンジを楽しむ

いつも同じような外遊びをしていると、飽きてしまいますよね。それなら、定番ではなく変わり種のルールを楽しみましょう。

 

例えば、鬼ごっこであれば、似た遊びとして“バナナおに”をしてみてはいかがでしょうか。

 

☆バナナおにの遊び方

はじめに鬼を決め、みんなは鬼に捕まらないように逃げます。ここまでは鬼ごっこと同じですよね。バナナおには、鬼に捕まったら両手を上にあげてくっつけて、その場でバナナのまねをします。味方にバナナの皮をむいてもらわなければ、自由になることができません。

 

逃げる子どもたちの全員がバナナになると終わりますが、鬼が全員を捕まえるのは難しいので時間制にしておくといいですよ。

 

バナナおには、バナナではなく玉ねぎやキャベツになるというルールにしても、おもしろいかもしれません。子どもが自分たちだけのオリジナルのルールを作ると、さらに楽しめますね。

 

危機管理を徹底する

外遊びは、危険もたくさんあります。公園で走り回り、転んでかすり傷を負うことはよくあることですが、遊具から転落したり、ボールを追って道路に飛び出すと取り返しがつかない事態に陥る可能性もあります。

 

子どもは無我夢中で遊んでいると注意力が散漫になるもの。保護者の方は子どもから目を離さずに注意深く見守ることが必要です。携帯の操作や保護者同士の会話に夢中になりすぎて、子どもが危険にさらされるというのはあってはならないこと。

また、季節にもよりますが水分補給や虫さされ、日焼けにも注意しましょうね。子どもが安全に外遊びできるように、保護者の方は危機管理を徹底しましょう。

 

まとめ

外遊びは、子どもの心と体の発達を促します。生活習慣病や精神的な問題を抱える子どもたちが増えていると危惧される現状で、外遊びへの関心は高まっているのです。また、外遊びは健康的な体づくりに役立つだけではなく、社会性も身に付くといった効果も期待されています。

 

ただし、外遊びは室内遊びよりも危険性は高くなります。子どもが大ケガをしないためにも、保護者の方がしっかりと危機管理を徹底する必要がありますよ。注意点には気を付けながら、よく晴れた日には思いっきり外遊びを楽しみましょうね。


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