おやこのひきだし
2019.01.28
子どもがお片付けしたくなるコツ!どうやったらお片付けしてくれる?
子どもにどのように片付けを教えたらよいのだろうか…と、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。どれだけ片付けてと伝えても、次から次へと新しいおもちゃを出して部屋が片付かないなど、一日中片付けに追われているという人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、子どもが片付けしたくなるコツについてまとめました。習慣化させるコツさえつかめば、子どもがいてもきれいなお部屋を保つことができますよ。
子どもが片付けできない理由って?
片付けができないことには、子どもなりの理由があるようです。頭ごなしに強制するのではなく、子どもの気持ちを知り、どうすれば楽しく片付けができるか考えることが大切です。
片付けに必要性を感じていないから
子どもは、片付けるという行為に必要性を感じていません。保護者にとって、出したものを片付けるのは当たり前の習慣ですよね。きれいな部屋を保つためには、必要不可欠だと認識しているはず。
しかし、子どもからすると、片付けをしなくても困ることがありません。むしろ遊びの時間を削ってまで片付けをしたいとは思わないでしょう。子どもによっては、親が片付けてくれるから自分はやる必要がないと考えていることもあります。
ただし、このように考える子どもも保育園や幼稚園では先生から指導されたり、周りのお友だちがやっているので自主的に片付けていることが少なくないようです。外では片付けることができるのに、家では保護者に甘えて片付けをしない子は多いです。
片付けの必要性を感じていない子どもに、「片付けをしなさい」と言っても、自主的に片付けをさせるのは難しいかもしれません。片付けは、保護者にとっては“当たり前”でも、子どもには一から必要性を教えなくてはいけない行為なのです。
片付けが難しいから
片付けが難しいので、子どもは自分で片付けることができないのかもしれません。保護者からすると、「お片付けなんておもちゃ箱や収納ボックス、引きだしにしまうだけのこと」というように簡単に考えてしまうもの。「それなのにどうしてできないの?」と、頭を悩ませてしまう人が少なくないのではないでしょうか。
しかし、子どもにとって片付けは難しいことです。種類ごとに分別し、それぞれを元の箱に収納するという行為は簡単なようで、複雑な仕組みだからです。
このように、片付けができない子どもと保護者では考え方の違いがあります。
どうやって片付けをすればいいのか分からないから
当然ですが、子どもは片付けの仕方が分からないと、片付けができません。
片付けは、保護者が口で教えても子どもは理解できないことが多いです。保護者から指示されたように片付けるのは、とても難しいこと。せっかくやっても大人が思うような収納とは違っていると注意され、戦意喪失してしまうことがあります。または、注意されるとまではいかなくても、片付けの最中にあれこれ口を出されるのもやる気が無くなる原因のひとつ。
口で指示するのではなく、保護者が子どもと一緒に片付けて手本を見せる必要があります。子どもは、これから少しずつ片付けの方法を身に付けていくのです。保護者は、片付けは簡単なことだと思わず、一から基礎を教えていくことが片付けできるようになるポイントです。
楽しくないから
楽しくないことは、大人でもやりたくないものですよね。片付けも同じです。遊んでいるときは楽しくても、遊び終わってそれを片付ける時間というのはつまらないもの。
それでも大人は部屋をきれいにするために、面倒だと思いながらも行動します。子どもは大人よりもずっと素直なので、楽しくないことはやりたくありません。だから、やらないという選択肢になってしまうのです。
また、保護者から片付けを強制されたり、怒られたりすると、ますます片付ける行為は嫌なものだと認識してしまいます。「片付けをしなさい」と怒っても、やるのはその瞬間だけなので、習慣化されることはないでしょう。
何歳から片付けを1人させればいいの?
何歳から本格的に片付けを1人でさせればいいのか、気になるところですよね。
乳幼児期は、保護者がやってしまうことがほとんどのはず。しかし、このままの状態では子どもは保護者に片付けてもらうのが当たり前になりそうで心配だという人が多いのではないでしょうか。
片付けを本格的に始めるタイミングとしては、1歳前後の意思の疎通がとれるようになってからがおすすめです。もちろんその前から始めてもいいのですが、保護者の話を理解できない月齢の頃では片付けがうまくいきません。時間もかかってしまうので、結局は保護者がやってしまうことが多いでしょう。
1歳前後から遊びの一環として始めると習慣化されやすくなります。ただし、一般的には2歳3歳になると自我が芽生えてイヤイヤ期に突入するので、できていたことができなくなって苦戦を強いられるようになるでしょう。その時期を越えた4歳以降も片付けることが面倒だと思うと、やりたくないという状態になります。
現実は、親の理想通りとはいかないものですが、根気よく続けていきましょう。
子どもが片付けをしたくなる5つコツ
それでは、子どもが片付けをしたくなる5つのコツをご紹介します。
1.片付けの必要性を教える
なぜ、片付けをしなければならないのか必要性を伝えましょう。
乳児期の子どもに教えるときは、おもちゃを擬人化させると伝わりやすくなります。
例えば、ぬいぐるみをそのまま出しっぱなしにしていたら、「ぬいぐるみさんは、このままお外にいるのはいやなんだよ。おもちゃの箱のお家に帰って、ねんねしたいんだよ。」と伝えると理解してくれますよ。
子どもが大人の言うことを理解できる年齢であれば、部屋を清潔に保つと体にいいこと、不衛生な場所では病気になってしまうかもしれないこと。おもちゃを出しっぱなしにすると踏んだ時に危険だということ、大切なものが壊れたり行方不明になって使えないということなどをきちんと伝えるのです。
3歳になる前には、保護者がきちんと話すと分かってくれるので片付けの必要性を教え、やる気を促しましょう。
2.片付けやすい収納環境を作る
片付けやすい収納環境を作るためのポイントをいくつかご紹介いたします。
子どもと一緒に収納環境を作る
収納環境を作るときは、保護者が全てやらずに子どもと一緒に環境作りをすることがポイントです。こうすることで、子どものスペースを認識させることができます。
子ども目線の収納環境
子どもが片付けしやすい収納環境を作りましょう。見た目も大切ですが、子どもの手が届きやすい場所、見やすい場所に置くなど、子ども用の収納環境を整えることが大切です。
アバウトな分け方で収納する
複雑にしてしまうとやる気が削がれるので、アバウトな分け方ができるようにしましょう。お絵かき道具や車、ぬいぐるみといった大まかな分け方でいいのです。
あくまでも分け方は大人ルールではなく、子どもにある程度任せた方が習慣化されやすくなりますよ。
シンプルに収納する
シンプルに収納できるようにするのも大切なことです。できるだけ蓋がなく、“入れるだけ”という簡単な収納方法にした方が子どもは片付けがしやすくなります。また、めいっぱい箱に物をいれるよりも、ある程度空きスペースがあった方がストレスフリーで片付けることができますよ。
100均にもさまざまな大きさの収納ボックスが販売されているので、いくつか試してみてもいいかもしれません。
収納ボックスには写真、シール、名前などを書いて中身を明確にする
収納ボックスには写真やシール、名前などを書いて、どこに何が入っているのか一目で分かるようにしましょう。同じような収納ボックスを用意してしまうと、いくつか箱の中を空にしたあとは、どこにしまえばいいのか分からなくなってしまいます。
それを防ぐためにも、まだひらがなが分からない子どもでも簡単に片付けができるように、成長に合わせた目安となるものを箱の表に貼るといいですよ。
3.成長に合わせてステップアップしていく
片付けを習慣化させるには、成長に合わせてステップアップしていくことが大切です。
保護者が片付けを手伝ってしまうと、子どもの教育によくないのではと考える人が多いのではないでしょうか。このように考える人は、始めから全てを子どもに片付けさせようとしてしまいがちです。
しかし、子どもの成長に合わない要求をしても子どもは片付けができるようになりません。例えば、2歳児に対して「部屋中に散らかったおもちゃを種類ごとに分けて収納して」と要求しても、完璧にできないはずです。
保護者が手伝うことは甘えではありません。始めは保護者が子どもと一緒になって片付け、できるようになったら褒めて、要求の難易度を高くしていくことが片付けをしたいと思わせるポイントです。できたという達成感を与えることは、やる気につながります。
4.大人の収納ルールを押し付けない
収納環境を作っても、ついつい保護者は横から口を出してしまいがちです。もっと使いやすいように、もっと見た目よくするように、という大人の収納ルールを押し付けてしまうと、子どもは片付けが嫌になってしまいます。
収納環境を作ったら、そこは子ども専用のスペースです。子どもの片付け方は、大人の収納ルールとは違うかもしれません。それでも、子どもには子どもの収納ルールがあるのです。ある程度、自分1人で片付けられるようになったら、保護者は口を出さずに子どもの自主性に任せましょう。自分のスペースを管理することを任せられることにより、次第に責任感が生まれます。
片付けは部屋を清潔に保つことだけではなく、子どもの健全な成長にもいい影響を与えるのです。
5.できたときはたくさん褒める
子どもが片付けをできたときは、たくさん褒めましょう。子どもはパパやママに褒められるのが大好き。喜ばせたくて、一生懸命になることも多いです。
些細なことでもやって当たり前だと思わず、できたら褒めるという習慣をつけるといいですよ。
なかなかうまくいかない子どもの片付けを習慣化させるコツ
子どもの片付けは1度教えたからといって、次から完璧にできるわけではありません。そうとはいえ、いつまでも習慣化されずにおもちゃが出しっぱなしなのは避けたいですよね。習慣化させるにはどのようにすればいいのか、対処法をご紹介します。
収納環境を見なおす
収納環境を見直しましょう。もしかしたら、収納環境が子どもと合わないのかもしれません。環境作りをしているときはよくても、実際に使ってみなければ分からないことが多いです。大人からすると片付けやすくても、子どもにとっては片付けにくい収納環境だったという可能性があります。
まずは、片付けがされていない場所はどこなのかチェックして、収納環境を変えていきましょう。このとき、見栄えだけを気にするのではなく、子ども目線の片付けやすさに注目することがポイント。子どもが成長すると細分化させた片付けができるようになりますが、幼いうちは細かい分別は難しいので、シンプルにワンアクションで片付けられる工夫をしましょう。子どもが簡単に片付けられる収納環境が整えば、片付けのやる気も出てきますよ。
遊びを取り入れる
必要性を理解しても、子どもが片付けをしやすい収納環境が整っても、片付けが面倒だと思うことがあります。
それなら、片付けの中に遊びを取り入れましょう。例えば、ママやパパとどっちが早く片付けることができるかという競争は効果的です。「どっちが勝つかな?」と子どもに聞くと、張り切って片付けをしますよ。子どもは遊びながらであれば、楽しく片付けることができるのです。
または、片付けの絵本やアニメを見せて真似させるのもいいでしょう。
真面目にきっちりと片付けをさせることも必要かもしれませんが、楽しみを見つけると子どものやる気スイッチが入りやすくなりますよ。
保護者としても遊びを取り入れた方が、怒って片付けを強制させるよりも、はるかにイライラが軽減されるはずです。
「片付け」ではなく「元に戻す」から始める
片付けが習慣化していないときは、「片付け」という言葉を聞いても直接的なアクションが思い浮かばないため、行動に移せないことがあります。そこで、「片付け」ではなく「元に戻す」という言葉を積極的に使うのもおすすめです。
「片付けてね」ではなく、「元の場所に戻してね」と声を掛けるようにすることで、子どもは行動しやすくなり、それをきっかけに習慣化していく可能性があります。元に戻すことで自然に片付きますし、元に戻しやすいように親も環境を整えていくことにもつながります。
まとめ
子どもが片付けをしてくれないことに悩む保護者が多いのですが、子どもには子どもなりの理由があります。片付けの必要性を感じなかったり、片付けの方法が分からなかったりと、大人がやって当たり前だと思っていることが理解できないのです。
片付けさせるためには、子どもだけに全てを任せるのではなく、一緒に片付けをして収納の仕方を教えることが大切です。
当然、1度言っただけでは次から完璧に片付けができるわけではないので、子どもと一緒に収納環境作りを工夫し、楽しく片付けができるようにするといいでしょう。次第に、責任感が生まれ、自主的に片付けができるようになりますよ。